用語集 特定技能関連

ビルクリーニング分野(特定技能)びるくりーにんぐぶんや

ビルクリーニング分野(特定技能)とは?

ビルクリーニング分野(特定技能)とは、在留資格「特定技能」の対象となる19分野の一つで、事務所・学校・ホテル・店舗などの建築物の清掃業務に従事する外国人材を受け入れるための分野です。

所管省庁は厚生労働省で、ビルメンテナンス業界の深刻な人材不足を背景に、2019年の制度創設時から対象分野に設定されています。

日常清掃・定期清掃を中心に、ホテルのベッドメイクなど付随的な業務にも一定範囲で従事可能です。特定技能1号(通算5年)と特定技能2号(在留期間無制限)の両方が設定されており、長期的な人材定着が期待できる分野です。

受入機関はビル清掃業の登録特定技能協議会への加入が必須条件となっています。

制度の背景

ビルクリーニング分野の特定技能は、日本のビルメンテナンス業界における慢性的な人材不足への対応として設けられました。オフィスビル・商業施設・ホテルの清掃を担う労働者の確保は、日本の都市機能・観光業の維持に不可欠な重要課題となっています。

主な種類と要件

ビルクリーニング分野で外国人材を受け入れるには、業務内容・取得要件・受入機関要件の3つを整理して理解することが重要です。

① 従事できる業務

主な業務建築物内部の日常清掃・定期清掃(床・天井・内壁・トイレ・洗面所等)
対象建物事務所・学校・興行場・店舗・ホテルなど不特定多数が利用する建築物(住宅は除く)
関連業務(付随的)ホテルのベッドメイク、物品管理、建物外壁洗浄(高所作業を除く)、植栽管理等
従事不可ベッドメイクのみなど、関連業務の専従は不可。清掃が主たる業務である必要がある

主たる業務は清掃であり、ベッドメイクなどの付随業務は「日本人が清掃業務と併せて通常行う業務」の範囲内に限定されます。

ホテルでの客室清掃は清掃+ベッドメイクが一体となる業務のため対応可能ですが、ベッドメイク専属のハウスキーパー業務には従事できません。

② 取得要件(外国人本人)

特定技能1号ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験日本語試験(JLPT N4以上またはJFT-Basic)
特定技能2号ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験+一定の実務経験
試験免除(1号)ビルクリーニング職種の技能実習2号良好修了者は試験免除
試験実施日本国内および海外(プロメトリック社等)で随時実施

技能評価試験では清掃の基礎知識・手順・機器操作などが問われます。実技試験では実際の清掃動作も評価対象となります。

技能実習からの移行者が多く、技能実習で培った経験を活かして特定技能1号へ移行するルートが一般的です。

③ 受入機関(企業)の要件

必須の登録建築物清掃業(1号)または建築物環境衛生総合管理業(8号)の登録
協議会加入ビルクリーニング分野特定技能協議会の構成員になること(加入は1〜2週間)
所属機関の要件労働関係法令・社会保険関係法令の遵守、外国人支援体制の整備
報酬日本人と同等額以上の報酬(最低賃金以上)

受入機関は、ビル管理法(建築物衛生法)に基づく清掃業の登録を受けていることが絶対条件です。無登録の清掃会社は特定技能外国人を受け入れられません。

厚生労働省が設置する特定技能協議会への加入も必須で、入会手続きは受入開始前に完了させる必要があります。

立場別の実務ポイント

ビルクリーニング分野の特定技能活用には、受入企業と外国人本人の双方で押さえるべき実務ポイントがあります。

受入企業(ビルメンテナンス会社)

登録支援機関の活用

受入企業には10項目の支援計画の実施義務があります。社内で対応が難しい場合は登録支援機関への委託が推奨されます。生活オリエンテーション・住居確保・相談対応などの多岐にわたる支援を専門家が担うことで、外国人従業員の定着率向上が期待できます。

特定技能2号への移行支援

長期的な人材定着を目指す場合は、特定技能2号への移行を支援します。2号は在留期間の上限がなく家族帯同も可能なため、優秀な人材の定着に効果的です。2号取得のための実務経験の機会と試験対策支援を提供することで、企業としての人材育成ブランド力が高まります。

外国人本人

清掃機器の操作習熟

日本の清掃現場では自動床洗浄機・バキュームクリーナー・高圧洗浄機などの機器が使用されます。母国での清掃経験があっても、日本特有の機器操作や清掃手順の習得が必要です。実技試験・実務で十分な技能を発揮できるよう、継続的な訓練が重要です。

顧客対応の日本語

オフィスビルやホテルの清掃では、利用者との短いコミュニケーションが発生します。「おはようございます」「失礼します」などの基本的な挨拶、顧客からの質問への対応など、接客場面での日本語力が仕事の質を左右します。N4レベルを超えた学習で、より幅広い業務に対応できるようになります。

類似制度との比較

ビルクリーニングには特定技能以外にも複数の受入ルートがあります。制度間の違いを整理することで、自社に最適な選択肢が見えてきます。

比較項目特定技能1号特定技能2号技能実習(ビルクリーニング職種)
在留期間通算5年無期限最長5年
家族帯同不可不可
業務範囲清掃+関連業務清掃+関連業務+管理的業務技能移転目的
日本語要件N4以上実務経験重視N4程度(業務配慮)
転職同分野内で可能同分野内で可能原則不可

特定技能1号は通算5年の即戦力受入、2号は長期定着型、技能実習は技能移転目的という役割の違いがあります。技能実習からの特定技能移行、特定技能1号から2号へのステップアップというキャリアパスが整備されている点がこの分野の特徴です。

よくある質問

Q. ベッドメイクのみを行わせることはできますか?

A. ベッドメイクのみの専従は認められません。特定技能「ビルクリーニング」では、清掃が主たる業務であることが要件となります。ベッドメイクは清掃業務に付随する関連業務として一定範囲で認められています。

ホテルの客室清掃は、清掃+ベッドメイクが一体化した業務として扱われるため、客室のシーツ交換や寝具整えを行うことができます。ただしベッドメイク専属のハウスキーパー業務には従事できないため、業務設計に注意が必要です。

Q. 住宅の清掃も対象ですか?

A. 住宅(居住用の住宅)の清掃は対象外です。特定技能「ビルクリーニング」の対象建物は、不特定多数の人が利用する建築物(事務所・学校・ホテル・店舗等)に限定されます。

一般家庭のハウスクリーニング業務や個人宅の家事代行は含まれません。ただし、マンション共用部分(エントランス・廊下・エレベーター等)の清掃は対象となる場合があります。

Q. 受入機関の登録はどう確認できますか?

A. 建築物衛生法に基づく建築物清掃業(1号)または建築物環境衛生総合管理業(8号)の登録を、都道府県の保健所に確認します。登録を受けていない清掃会社は、特定技能外国人を受け入れることができません。

新規に清掃業を始める場合は、まず都道府県の保健所で登録申請を行い、登録を受けてから特定技能協議会への加入手続きを進める流れとなります。登録には施設・設備・従業員の要件があります。

Q. 特定技能2号への移行はどうすればよいですか?

A. ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験に合格し、一定の実務経験(通常3年以上)を有することが要件です。試験では1号より高度な技能と現場指導能力が問われます。

2号に移行すると在留期間無制限・家族帯同可能となり、長期的な日本での生活が可能になります。建築物清掃管理業務の現場責任者としてのキャリアが視野に入ります。受入企業としても、2号人材を育成することで事業の安定化が図れます。

参考資料

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