用語集 特定技能関連

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)こくさいこうりゅうききんにほんごきそてすと

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)とは?

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)とは、独立行政法人国際交流基金が開発・実施する、就労のために来日する外国人に必要な「生活場面でのコミュニケーション日本語能力」を測定するテストです。「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力」(CEFR A2レベル相当)の有無を判定します。

2019年の特定技能制度創設と同時に運用開始され、特定技能1号の取得に必要な日本語能力水準の代表的な判定試験のひとつです。

CBT(コンピュータベーステスト)方式を採用しており、日本国内では47都道府県のテストセンターで、海外では特定技能の主要送出し国(ベトナム・インドネシア・フィリピン・ミャンマー・ネパール等)で年間を通じてほぼ毎月実施されています。

日本語能力試験(JLPT)と並ぶ特定技能の日本語要件証明手段として広く利用されています。

具体的な意味・内容

JFT-Basicは「業務遂行のための専門日本語」ではなく、生活場面でのコミュニケーション能力を判定することに特化しています。出題内容・採点方式・合格基準には、特定技能制度の趣旨を反映した設計上の特徴があります。

出題構成

「文字と語彙」「会話と表現」「聴解」「読解」の4セクションで構成され、合計60問前後を約60分で解答します。買い物・交通機関・職場のあいさつ・病院での会話など、生活と就労の現場で頻出する場面が題材です。

合格基準

250点満点中200点以上でA2レベル相当と判定されます。判定基準点を満たした受験者に「判定結果通知書」が発行され、特定技能1号の在留資格申請時に日本語能力の立証資料として提出できます。合否の概念ではなく、判定基準点を満たすかどうかの判定方式である点が特徴です。

受験資格・回数制限

特に受験資格はなく、年齢・学歴を問わず誰でも受験可能です。同一テスト期間内(45日間)の再受験は不可ですが、テスト期間が変われば再受験できます。何度でもチャレンジでき、判定基準点を満たすまで継続して受験する運用が一般的です。

2026年8月以降の判定レベル拡張

2026年8月から、現在のA2に加えてA1・A2.1の判定が追加されます。これは2027年4月施行の育成就労制度で求められる日本語能力水準(A1相当)の判定にも対応するための拡張です。1回の受験で複数レベルの判定結果が得られ、特定技能と育成就労の両方の進路に対応できる設計に進化します。

受験料・実施スケジュール

JFT-Basicの受験料・会場・申込方法は国によって異なりますが、日本国内における運用は以下のとおりです。

項目内容
主催独立行政法人 国際交流基金(運営委託:プロメトリック株式会社)
試験方式CBT(コンピュータベーステスト)
試験時間約60分(4セクション合計)
満点/合格基準250点満点/200点以上でA2判定
受験料(日本国内)7,000円(消費税相当額を含む)
試験会場(日本国内)47都道府県のテストセンター(年間を通じてほぼ毎月実施)
主な海外実施国ベトナム・インドネシア・フィリピン・ミャンマー・ネパール・カンボジア・タイ・モンゴル・スリランカ・バングラデシュ等
申込方法受験予約ウェブサイトで個人IDを作成し、希望日の3営業日前までに予約

結果は受験後すぐに画面で確認でき、判定結果通知書はマイページからダウンロードできます。在留資格申請時にはこの判定結果通知書を立証資料として提出します。

特定技能における位置づけ

特定技能1号の在留資格を取得するためには、日本語能力要件と技能要件の両方を満たす必要があります。日本語能力要件はJFT-BasicまたはJLPTのいずれかで証明します。

日本語能力要件の証明方法

特定技能1号の日本語能力要件は、JFT-Basicの判定基準点クリアまたはJLPT N4以上の合格のいずれかで充足されます。介護分野では介護日本語評価試験の合格も必要です。技能実習2号を良好に修了した者は、両試験ともに免除される特例があります。

技能実習2号修了者の取扱い

技能実習2号を良好に修了した者は、修了した職種・作業と関連する分野に限り、技能要件・日本語能力要件の両方が免除されます。このルートを利用する場合はJFT-Basicの受験は不要です。技能実習からの移行が現状の特定技能ルートの主流となっています。

特定技能2号への移行と日本語要件

特定技能1号から2号への移行時にも日本語要件があり、分野によって異なります。建設・造船・自動車整備など多くの分野でJLPT N3以上または同等水準が求められ、JFT-Basicでは2号要件は充足できない点に注意が必要です。

日本語能力試験(JLPT)との違い

JFT-BasicとJLPTはいずれも特定技能の日本語要件を充足できますが、目的・出題傾向・実施頻度・受験料が異なります。

項目JFT-BasicJLPT
主催国際交流基金国際交流基金・日本国際教育支援協会
試験方式CBT(コンピュータ)マークシート(紙)
実施頻度年間ほぼ毎月年2回(7月・12月)
判定基準250点満点中200点(A2相当)N5〜N1の5段階
受験料(日本国内)7,000円7,500円
結果通知受験後すぐ画面表示2か月後
主な目的就労者向け生活コミュニケーション学習者全般の日本語能力測定

受験機会の多さと結果通知の早さからJFT-Basicを選ぶケースが増えていますが、JLPTのほうが認知度が高く、特定技能2号や他の在留資格でも活用できるため、JLPTを並行受験する受験者も多いのが実情です。

よくある質問

Q. JFT-BasicのA2判定で特定技能1号の日本語要件は満たせますか?

A. はい、満たせます。判定基準点(250点満点中200点以上)を取得すればA2レベル相当と判定され、特定技能1号の日本語能力要件として認められます。

判定結果通知書を在留資格認定証明書交付申請時または変更許可申請時に立証資料として提出します。介護分野では介護日本語評価試験の合格も別途必要となるため、複数試験の受験が必要となります。

Q. 技能実習2号修了者もJFT-Basicを受ける必要がありますか?

A. 不要です。技能実習2号を良好に修了し、関連する特定技能分野へ移行する場合は、技能要件・日本語能力要件の両方が免除されます。

免除を受けるには、技能実習2号の修了証または技能検定3級合格証等を立証資料として提出します。関連分野以外への移行や、技能実習1号修了段階での移行は対象外となるため、移行可否の事前確認が重要です。

Q. 受験料は誰が負担しますか?

A. 法令上の規定はなく、原則として受験者本人が負担します。受入れ機関が福利厚生として補助する例もあります。

送出し国では送出し機関が受験料を立替し、入国後に給与から天引きするケースが見られましたが、特定技能制度では保証金徴収・違約金設定の禁止と関連して問題視されています。受験料を本人負担とする場合でも、過大な天引きや高利貸しに繋がる構造を作らないことが求められます。

Q. 判定結果通知書の有効期限はありますか?

A. 結果自体に有効期限はありませんが、受験から年月が経過していると申請時の能力評価への信頼性が低下するため、実務上は2年以内程度の結果通知書を使用するのが一般的です。

古い結果通知書しかない場合、入管から追加資料を求められたり、再受験を促されることがあります。特定技能の在留資格申請を予定している方は、申請の半年〜1年前以内に受験しておくことが推奨されます。

参考資料

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