資源循環分野(特定技能)とは?
資源循環分野(特定技能)とは、在留資格「特定技能」の対象となる19分野の一つで、日本の廃棄物処理・リサイクル業における人材不足に対応するための分野です。
2026年1月23日の閣議決定で新たに追加された3分野の一つで、所管省庁は環境省です。SDGs対応や循環型社会の構築といった国家戦略の中で、業界の人材確保が重要課題となっています。
制度の運用開始は2027年頃の予定で、現在は技能評価試験の整備が進められています。受入見込数は令和8年度から3年間で4,500人(特定技能1号900人+育成就労3,600人)と設定されており、業務内容は廃棄物の収集運搬・選別・中間処理などです。
日本の循環型社会形成に貢献する重要な制度として位置づけられています。
制度の背景
資源循環分野の特定技能は、日本の廃棄物処理業界の深刻な人材不足と、SDGs・循環型社会形成政策への対応として2026年1月の閣議決定で新規追加されました。
廃棄物処理は社会基盤を支える不可欠な業務でありながら、3K(きつい・汚い・危険)のイメージから若年労働力の確保が困難な状況が続いていました。
運用は環境省設置の特定技能協議会が中心となります。育成就労制度(技能実習の後継)と並行して進められる点が特徴で、技能実習段階から特定技能への一貫した育成パスが整備される見込みです。施行は2027年予定で、現在は試験整備の段階にあります。
主な種類と要件
資源循環分野での特定技能活用には、業務内容・取得要件・受入機関要件の3つを理解することが重要です。新設分野のため要件詳細は順次公表される見込みです。
① 従事できる業務
| 収集運搬 | 一般廃棄物・産業廃棄物の収集運搬業務(ごみ収集車等での運搬) |
|---|---|
| 選別・分類 | 廃棄物の選別・分類作業(リサイクル可能物の選別等) |
| 中間処理 | 破砕・圧縮・焼却などの中間処理工程 |
| 関連業務 | 処理施設の運営補助、リサイクル製品の製造補助、資源化原料の保管等 |
業務範囲は収集運搬から中間処理までの廃棄物処理工程全般をカバーします。一般廃棄物・産業廃棄物のいずれも対象となり、リサイクル業者・処理施設運営事業者等が主な受入機関となります。
② 取得要件(外国人本人)
| 特定技能1号 | 資源循環分野特定技能1号評価試験(2026年度中に整備予定)+日本語試験(JLPT N4以上またはJFT-Basic) |
|---|---|
| 試験開始 | 2026年度中に技能試験・日本語試験開始予定 |
| 在留資格申請 | 2027年初頭から受付開始予定 |
| 関連免許 | 収集運搬車両の運転には別途運転免許が必要 |
新設分野のため、技能評価試験は2026年度中に整備が進められ、本格的な受入は2027年からとなる見込みです。最新情報は環境省や資源循環分野特定技能協議会の公式情報で確認することが推奨されます。
③ 受入機関(企業)の要件
| 事業者要件 | 廃棄物処理法に基づく許可を受けた廃棄物処理業者・リサイクル業者 |
|---|---|
| 協議会加入 | 環境省設置の資源循環分野特定技能協議会への加入が必須 |
| 環境省への協力 | 協議会で合意された措置の実施・環境省の調査指導への協力 |
| 雇用形態 | 直接雇用のみ(派遣不可) |
| 報酬 | 日本人と同等額以上の報酬 |
受入機関は廃棄物処理業の許可を取得していることが前提条件です。一般廃棄物処理業(収集運搬・処分)、産業廃棄物処理業(収集運搬・処分)の許可を保有している事業者が主な対象となります。
立場別の実務ポイント
受入企業(廃棄物処理事業者)
安全衛生教育の徹底
廃棄物処理は有害物質・感染リスク・重機作業などの安全リスクがあります。母国語または平易な日本語での安全衛生マニュアル整備、保護具の確実な支給、定期的な健康診断などが重要です。
先行採用戦略
2027年の本格運用開始に備えて、育成就労制度の活用や受入準備を計画的に進めることが推奨されます。協議会加入手続きや支援体制整備には相応の期間が必要なため、早期の情報収集が重要です。
外国人本人
廃棄物分別の知識
日本の廃棄物分別は世界的にも高度で、自治体ごとに細かいルールがあります。可燃・不燃・資源・粗大ごみなどの分類、有害廃棄物の取扱い、リサイクル法令など、専門知識の継続的な学習が業務の質と安全に直結します。
類似制度との比較
| 比較項目 | 資源循環分野 | 物流倉庫分野 | リネンサプライ分野 |
|---|---|---|---|
| 追加時期 | 2026年1月(運用2027年) | 2026年1月(運用2027年) | 2026年1月(運用2027年) |
| 所管省庁 | 環境省 | 国土交通省 | 厚生労働省 |
| 受入見込数 | 3年で4,500人(1号900人) | 3年で11,400人 | 未公表 |
| 業務 | 廃棄物処理・リサイクル | 倉庫内作業 | リネン供給 |
| 特殊要件 | 廃棄物処理業の許可 | WMS導入 | 未公表 |
2026年追加の3分野は同時期に施行される見込みで、いずれも2027年運用開始を予定しています。資源循環分野は環境省所管という点が他分野と異なる特徴です。
よくある質問
Q. いつから受入が始まりますか?
A. 2027年から本格的な受入が開始される予定です。2026年度中に技能評価試験の整備が完了し、2027年初頭から在留資格申請の受付が始まる見込みです。
Q. 一般廃棄物・産業廃棄物のどちらが対象ですか?
A. 両方が対象となる見込みです。一般廃棄物(家庭ごみ等)と産業廃棄物(事業活動から出る廃棄物)のいずれも、許可を受けた処理業者が受入機関となれます。
Q. 育成就労との関係は?
A. 受入見込数のうち育成就労3,600人+特定技能1号900人と、育成就労が中心となる見込みです。技能実習の後継制度として育成就労が活用され、特定技能への移行ルートが整備される設計です。
Q. 廃棄物処理業の許可は必須ですか?
A. はい、必須です。廃棄物処理法に基づく一般廃棄物処理業または産業廃棄物処理業の許可(収集運搬業・処分業)を取得していることが受入の前提条件となります。