外国人材採用の基礎知識

「外国人材を採用したいが、何から手をつければいいのか分からない」。最初に決めるのは、どの在留資格で受け入れるかです。在留資格によって、任せられる仕事も、雇える期間も、企業に課される義務も変わります。ここを決めないまま求人を出すと、採用計画そのものを組み直すことになります。

このページでは、外国人材の採用をはじめて検討する企業向けに、制度の選び方、内定が決まったあとに必ず必要になる手続き、在留カードの見方までを、出入国在留管理庁(以下、入管庁)と厚生労働省(以下、厚労省)の公表資料をもとに一つにまとめました。在留資格の種類ごとの詳細、採用のメリットとデメリット、受入れ体制づくりの進め方は、それぞれ個別のページで詳しく説明しています。

※2026年9月22日時点の情報です。制度は随時更新されるため、最新情報は末尾の参考資料で確認してください。

1. いま、どれだけの外国人が日本で働いているか

厚労省の「外国人雇用状況」の届出状況まとめによると、日本で働く外国人労働者の数は次のとおりです。

  • ●外国人労働者数:2,571,037人(2025年10月末時点)。前年から268,450人、11.7%の増加
  • ●外国人を雇用する事業所数:371,215か所。前年から29,128か所、8.5%の増加
  • ●公表日:2026年1月30日

この数字は推計ではありません。外国人を雇い入れたとき・離職したときの届出が、すべての事業主に義務づけられているため、その届出を集計したものです。裏を返せば、外国人を雇うということは、この届出の対象になるということでもあります。届出の手順は「6. 内定が決まったあと、必ず必要になる4つの手続き」で説明します。

2. 「外国人を採用する手続き」というものは存在しない

日本人の採用と最も違うのは、採用の手続きが在留資格ごとに分かれているという点です。「外国人を採用する」という共通の手続きは制度として存在せず、どの在留資格で受け入れるかを決めた時点で、必要な書類も、審査の期間も、企業に課される義務も決まります。

そのため、進め方は次の順になります。

  • ●1. 任せたい仕事を具体的に書き出す(職種名ではなく、実際の業務内容で)
  • ●2. その仕事ができる在留資格を特定する
  • ●3. その在留資格で求められる企業側の要件を確認する
  • ●4. 募集・選考に入る

順番を逆にすると、採用してから「この在留資格ではその業務をさせられない」と分かることがあります。在留資格の範囲を超えた業務をさせた場合、企業側が不法就労助長罪に問われるおそれがあります。

3. 制度の選び方(早見表)

任せたい仕事から、おおまかな当たりをつけるための表です。それぞれの詳細は、右端のページで確認してください。

任せたい仕事 主な在留資格・制度 おさえておく点 詳しく
専門知識や語学を活かす仕事(技術職・通訳・海外営業・設計など) 技術・人文知識・国際業務 学歴または実務経験が要件。単純作業は原則できません 在留資格の種類
人手不足の現場で、即戦力として働いてほしい 特定技能(1号・2号) 対象は19分野。技能試験と日本語試験の合格が要件です 特定技能制度
経験の浅い人材を、育てながら受け入れたい 育成就労(2027年4月1日から) 技能実習に代わる新しい制度。特定技能1号への移行を前提にしています 育成就労制度
すでに技能実習で受け入れている/検討中 技能実習 育成就労への切替えが決まっています。新たに始める場合は次項を確認してください 外国人技能実習制度
研究・経営・高度な専門業務を任せたい 高度専門職、経営・管理 高度専門職はポイント制。優遇措置があります 高度外国人材
仕事の内容を限定せずに働いてほしい 永住者、日本人の配偶者等、定住者など 就労内容に制限がありません。日本人と同じ手順で採用できます 在留資格の種類

在留資格ごとの取得条件、向いている企業像、採用の難易度の目安は、在留資格の種類のページに10種類分をまとめています。

4. 2027年4月の制度変更が、採用計画に影響します

いま制度を選ぶうえで、最も影響が大きいのがこの変更です。

  • ●2027年(令和9年)4月1日:育成就労制度が施行されます
  • ●2030年(令和12年)3月31日:施行から3年を目途に、技能実習3号の修了をもって経過措置が終わります
  • ●それ以降:受入れは育成就労制度のみとなります

つまり、これから技能実習で受け入れを始める場合も、数年のうちに育成就労へ切り替わることを前提に計画を立てる必要があります。監理団体は監理支援機関へ移行し、企業側も改めて要件を確認することになります。詳しくは育成就労制度のページにまとめています。

5. 採用から就労開始までの流れ

在留資格によって細部は変わりますが、すでに日本にいる人を採用するか、海外から呼び寄せるかで大きく分かれます。

区分 主な流れ
日本国内にいる人を採用 募集・選考 → 内定 → 在留資格変更許可申請(現在の在留資格で働けない場合)→ 許可 → 労働契約 → 就労開始
海外から呼び寄せ 募集・選考 → 内定 → 在留資格認定証明書交付申請(企業が地方出入国在留管理官署へ)→ 交付 → 本人が在外公館で査証(ビザ)申請 → 来日・上陸許可 → 就労開始

海外から呼び寄せる場合、審査と査証の手続きに相応の期間がかかります。「来月から来てほしい」という進め方はできません。入社時期から逆算して動き出す必要があります。採用計画の立て方、選考での工夫、受入れ体制の準備は受入企業が注意すべき点のページで、3つのフェーズに分けて説明しています。

6. 内定が決まったあと、必ず必要になる4つの手続き

ここから先は、在留資格が何であっても共通です。特定技能でも、技術・人文知識・国際業務でも、育成就労でも、次の4つは必ず発生します。期限が決まっており、守らなかった場合に罰則があるものも含まれます。

手続き いつまでに どこへ やらなかった場合
① 在留カードの受け取り 上陸許可のとき、または後日郵送 出入国港(本人) —
② 住居地の届出 住居地を定めた日から14日以内 住居地の市区町村(本人) 20万円以下の罰金。正当な理由なく90日以内に届け出ないと在留資格の取消しのおそれ
③ 労働条件の明示 労働契約の締結時 本人へ書面で(企業) 労働基準法第15条違反
④ 外国人雇用状況の届出 雇用保険の被保険者:雇入れは翌月10日まで/離職は翌日から10日以内
被保険者でない場合:雇入れ・離職とも翌月末日まで
ハローワーク(企業) 30万円以下の罰金(届出を怠った場合・虚偽の届出をした場合)

① 上陸許可と在留カードの受け取り

在留カードは、新規の上陸許可、在留資格の変更許可、在留期間の更新許可などの結果として日本に中長期間在留することになった人(中長期在留者)に交付されます。

どこの空港に到着するかで、受け取り方が変わります。新千歳空港、仙台空港、成田空港、羽田空港、中部空港、関西空港、神戸空港、広島空港、福岡空港、那覇空港では、旅券に上陸許可の証印をするとともに、その場で在留カードが交付されます。それ以外の出入国港では旅券に「在留カードを後日交付する」旨が記載され、住居地の届出をしたあとに、その住居地あてに在留カードが郵送されます。

つまり、到着空港によっては入社時点でまだ在留カードが手元にないことがあります。受入れの段取りを組むときは、この点を織り込んでおいてください。

② 住居地の届出(14日以内)

この手続きが、実務でいちばん抜けやすいところです。中長期在留者は、住居地を定めた日から14日以内に、在留カード(または後日交付の記載を受けた旅券)を持参して、住居地の市区町村の窓口で届け出る必要があります。

  • ●届け出なかった場合、20万円以下の罰金に処せられることがあります
  • ●正当な理由なく、新規上陸後90日以内に届け出なかった場合、在留資格が取り消されることがあります
  • ●引っ越したときも同じです。移転した日から14日以内に、移転先の市区町村で届け出ます
  • ●在留カードを持参して住民基本台帳法の届出(転入届など)を行えば、住居地の届出も行ったものとみなされます

届出をするのは本人ですが、社宅を用意する場合や、入社直後に転居がある場合は、企業側が期限を把握して声をかけないと間に合いません。「住所が決まったら14日以内に市役所へ」を、受入れ時の説明に必ず入れてください。

③ 労働条件の明示(雇用条件書)

労働条件の明示は、労働基準法第15条により国籍を問わずすべての労働者に対して必要です。技能実習や特定技能では、定められた様式の雇用条件書を用います。

2024年(令和6年)4月1日から、明示すべき事項が追加されました。すべての労働契約の締結時と有期労働契約の更新時に、「雇入れ直後」の就業場所・業務内容に加えて、次の事項も明示が必要です。

  • ●従事すべき業務の変更の範囲
  • ●就業の場所の変更の範囲
  • ●有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間または更新回数の上限を含む)

「変更の範囲」とは、雇入れ直後にとどまらず、将来の配置転換など今後の見込みも含めた、契約期間中の変更の範囲を指します。外国人材の場合、在留資格で認められた活動の範囲を超える異動はできないため、この「変更の範囲」の書き方は在留資格の範囲と整合させておく必要があります。

あわせて、本人が理解できる言語で内容を説明することを強くおすすめします。賃金の控除、寮費、残業の扱いは、あとから認識の食い違いが起きやすい項目です。

④ 外国人雇用状況の届出(ハローワーク)

すべての事業主の義務です。外国人労働者を雇い入れたとき、離職したときに、ハローワークへ届け出ます。対象は在留資格「外交」「公用」の人と特別永住者を除くすべての外国人労働者で、アルバイト・パートも含みます。

区分 提出するもの 期限
雇用保険の被保険者 雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)/資格喪失届(様式第4号) 雇入れ:翌月10日まで
離職:翌日から起算して10日以内
被保険者でない場合 外国人雇用状況届出書(様式第3号) 雇入れ・離職とも翌月末日まで

届出を怠った場合、虚偽の届出を行った場合は、30万円以下の罰金の対象となります。雇用保険の被保険者であれば資格取得届の提出がそのまま届出になるため、実務で抜けやすいのは「雇用保険に入らない短時間のアルバイト」です。この場合は様式第3号を別途提出する必要があります。

7. 在留カードで確認する3点

採用の前後で、企業が在留カードを見て確認すべきことは次の3点です。

  • ●就労の可否:カードに記載されています。「就労不可」と書かれている場合、資格外活動許可がなければ働かせることはできません
  • ●在留期間(満了日):満了日を過ぎると就労できません。更新手続きの時期を、企業側でも管理してください
  • ●在留カードの番号:入管庁が提供する失効情報照会や読取アプリケーションで、カードが有効なものかを確認できます

在留カードには、氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、就労の可否などが記載されます。2026年6月14日以降に交付されるカードには、1歳以上の人に顔写真が表示されます。

そもそも在留カードが交付されない人もいます。次のいずれかに該当する人は中長期在留者ではないため、在留カードを持っていません。

  • ●「3月」以下の在留期間が決定された人
  • ●「短期滞在」の在留資格が決定された人
  • ●「外交」または「公用」の在留資格が決定された人
  • ●特別永住者
  • ●在留資格を有しない人

特別永住者には、在留カードではなく特別永住者証明書が交付されます。「在留カードを持っていない=働けない」ではありません。どの区分に当たるかを確認してください。

8. 在留期間の更新と、在留カードの更新

この2つは別の手続きです。混同されやすいので、分けて理解してください。

  • ●在留期間の更新許可申請:在留期間の満了日までに、地方出入国在留管理官署へ。引き続き同じ在留資格で働き続けるための手続きです
  • ●在留カードの有効期間の更新申請:在留期間が無期限とされている人(永住者、高度専門職2号)のための手続きです

永住者と高度専門職2号の在留カードの有効期間は、2026年6月14日を境に扱いが変わりました。

交付された時期 在留カードの有効期間
2026年6月13日まで 交付の日後7年(16歳未満は16歳の誕生日の前日まで)
2026年6月14日以降 交付の日後の10回目の誕生日まで(18歳未満は5回目の誕生日まで)

永住者・高度専門職2号以外の人の在留カードは、在留期間の満了日が、そのまま在留カードの有効期間の満了日になります。在留期間を更新すれば、新しい在留カードが交付されます。

9. 費用の考え方

外国人材の採用費用は、どの制度で受け入れるかによって構造がまったく違います。「外国人採用にいくらかかるか」を一つの金額で答えることはできません。

制度 費用が発生する主な項目
技術・人文知識・国際業務 募集費用、申請取次の費用(行政書士等に依頼する場合)
特定技能 募集費用、申請費用に加えて、支援の実施にかかる費用(登録支援機関に委託する場合はその委託料)
技能実習・育成就労 監理団体(育成就労では監理支援機関)への費用、送出しにかかる費用、渡航費、講習費など

金額は受け入れる人数、国、分野、委託先によって変わります。制度ごとの費用の考え方は、特定技能制度・育成就労制度の各ページで説明しています。見積りを比べるときは、初期費用だけでなく、在留期間中に毎月かかる費用まで含めて比較してください。

10. はじめての採用で起きやすい5つのつまずき

  • ●在留資格を決める前に募集を始めた:任せたい業務が在留資格の範囲外で、内定後に受け入れられないと判明する
  • ●入社日から逆算していない:海外から呼び寄せる場合、審査と査証の手続きに期間がかかる
  • ●住居地の届出の期限を伝えていない:本人が行う手続きだが、14日を過ぎると罰金、90日を過ぎると在留資格取消しのおそれ
  • ●雇用保険に入らないアルバイトの届出を忘れた:様式第3号の提出が別途必要。怠ると30万円以下の罰金
  • ●在留期間の満了日を管理していない:更新を忘れると就労できなくなる

採用してから定着までに企業が押さえるべき点は、受入企業が注意すべき点のページに15のポイントとしてまとめています。外国人採用の良い面と、事前に想定しておくべき負担は、外国人雇用のメリット・デメリットのページで整理しています。

11. 無料相談のご案内

「任せたい仕事に、どの在留資格が使えるのか分からない」「特定技能と育成就労のどちらで進めるべきか迷っている」「いま技能実習で受け入れているが、2027年以降どうなるのか知りたい」など、外国人材採用ツナガル24の無料相談センターでご相談いただけます。
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12. 関連ページ

参考資料

資料 発行 確認日 リンク
新規上陸後の住居地の届出(中長期在留者) 出入国在留管理庁 2026年9月22日 moj.go.jp
住居地の変更届出(中長期在留者) 出入国在留管理庁 2026年9月22日 moj.go.jp
出入国港での手続/市区町村での手続 出入国在留管理庁 2026年9月22日 moj.go.jp
知っておきたい!!在留管理制度あれこれ(中長期在留者の範囲) 出入国在留管理庁 2026年9月22日 moj.go.jp
在留カードとは? 出入国在留管理庁 2026年9月22日 moj.go.jp
在留カードの有効期間の更新申請 出入国在留管理庁 2026年9月22日 moj.go.jp
「外国人雇用状況の届出」について 厚生労働省 2026年9月22日 mhlw.go.jp
「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点) 厚生労働省 2026年9月22日 mhlw.go.jp
2024年4月から労働条件明示のルールが変わります 厚生労働省 2026年9月22日 mhlw.go.jp

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