漁業技能測定試験とは?
漁業技能測定試験とは、特定技能1号・2号「漁業」分野の在留資格を取得するために必要な技能水準を判定する国家認定試験です。一般社団法人大日本水産会が水産庁から委託を受けて実施しており、業務委託先のプロメトリック株式会社を通じてCBT方式で運営されています。
試験区分は「漁業」と「養殖業」の2区分があり、受験者はいずれかを選択して受験します。
試験は学科試験(漁業一般・漁業安全・漁業専門)と実技試験(図・イラストから漁具・漁労設備の取扱い・漁獲物の選別を判断する問題)で構成されます。
日本国内のプロメトリック試験会場およびインドネシア(ジャカルタ等)で実施されています。2号試験は日本国内のみでの実施です。
制度の背景
漁業分野は人手不足が深刻な分野として指定され、令和6年(2024年)4月から5年間の受入見込数が17,000人に大幅拡大されました(旧基準の6,300人から約2.7倍)。漁業者の高齢化・後継者不足が深刻化する中で、外国人材の確保が急務であることを反映した拡大です。
2023年6月9日の閣議決定で漁業分野が特定技能2号の対象に追加され、2号試験も実施されています。
2号取得には2号漁業技能測定試験合格+日本語能力試験N3以上+日本国内での2年以上の漁業/養殖業実務経験が必要です。2号取得者は在留期間更新無制限・家族帯同が可能となり、長期的な人材確保に貢献します。
試験内容と区分
漁業区分
漁業一般・漁業安全に加え、漁業専門(釣り関係)・漁業専門(網関係)の知識を問います。沿岸漁業・沖合漁業・遠洋漁業の各種漁法(一本釣り・延縄漁・まき網漁・底びき網漁・刺し網漁等)に関する技能が対象です。合格基準は満点の65%以上です。
養殖業区分
養殖業一般・養殖業安全・養殖業専門の知識を問います。魚類養殖(マダイ・ブリ・ハマチ等)、貝類養殖(ホタテ・カキ・真珠等)、藻類養殖(ノリ・ワカメ・コンブ等)の各種養殖技術が対象です。合格基準は満点の74%以上と漁業区分より高めに設定されています。
2号試験の特徴
1号の出題範囲に加え、複数の従業員の指導・労務管理・船舶運航管理に関する出題が追加されます。日本語能力試験N3以上、日本国内での2年以上の実務経験が要件です。受験者数は1号に比べて少なく、合格率は分野別に水産庁・出入国在留管理庁が公表しています。
試験言語
日本語のほか、インドネシア語等の外国語版も用意されています。海外実施会場ではインドネシア語版の出題があります。日本語能力に不安がある受験者でも母語で受験できる選択肢があります。
試験概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 1号・2号漁業技能測定試験(漁業/養殖業) |
| 実施団体 | 一般社団法人大日本水産会 |
| 業務委託先 | プロメトリック株式会社(CBT方式) |
| 所管省庁 | 農林水産省水産庁 |
| 試験区分 | 漁業/養殖業 |
| 合格基準 | 漁業65%以上/養殖業74%以上 |
| 受験料 | 各8,000円 |
| 実施期間(2025年度1号) | 2025年4月17日〜2026年2月28日 |
| 海外実施国 | インドネシア(ジャカルタ等) |
| 2号試験実施場所 | 日本国内のみ |
| 5年間受入見込数 | 17,000人(令和6年4月から) |
受験者・受入機関の実務ポイント
区分選択の重要性
漁業区分と養殖業区分は試験内容・合格基準が異なり、就業可能な業務範囲も異なります。漁船での漁業に従事する場合は漁業区分、養殖場での養殖業に従事する場合は養殖業区分を選択します。
両区分は別試験のため、業務範囲が変わる場合は再受験が必要です。
派遣特例の活用
漁業分野は農業分野と並び、派遣形態が認められる特定技能分野です。漁期・繁忙期の季節性に対応した派遣雇用が可能で、産地リレーでの年間就労も実現できます。直接雇用と派遣のいずれが適切かは経営形態に応じて判断します。
技能実習修了者の活用
漁業・養殖業に関連する技能実習2号を良好に修了した者は試験免除で特定技能1号に移行できます。技能実習からの円滑な移行が可能で、受入機関は既存の技能実習修了者の継続雇用を検討することで人材確保コストを抑えられます。
よくある質問
Q. 漁業区分から養殖業区分に変更できますか?
A. 業務変更は可能ですが、改めて養殖業区分の試験合格が必要です。
合格基準も74%以上と高めに設定されているため、計画的な学習が必要です。所属機関変更と併せて在留資格の手続きも行います。
Q. 海外でも受験できますか?
A. 1号試験は日本国内とインドネシア(ジャカルタ等)で実施されています。2号試験は日本国内のみです。
申込はプロメトリック公式サイトからオンラインで行います。受験料は各8,000円で、クレジットカード・バウチャー・PayPay等で決済可能です。
Q. 養殖業の合格基準が高いのはなぜですか?
A. 養殖業は飼育技術・水質管理・病気対応等の専門性が高く、より厳格な技能水準が要求されるためです。
合格基準74%以上は他の特定技能試験と比較しても高めの設定です。十分な事前学習と実務経験の理解が必須となります。
Q. 2号取得のメリットは?
A. 在留期間更新が無制限となり、家族帯同(配偶者・子)が可能になります。長期的な日本での生活設計が可能です。
2号取得には日本語N3以上・国内2年以上の実務経験が必要です。受入機関にとっても優秀人材の長期確保ができるため、2号取得支援は有効な定着策となります。