建設分野特定技能評価試験とは?
建設分野特定技能評価試験とは、特定技能1号「建設」分野の在留資格取得に必要な技能水準を測定する試験です。国土交通省が所管し、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)が運営機関を担当しています。
CBT(コンピュータベーステスト)方式で実施され、日本国内および主要送出し国で年間を通じて実施されています。試験は3つの業務区分(土木区分・建築区分・ライフライン・設備区分)に再編されており、これは2022年の制度改正で従来の19職種から3区分に統合された結果です。
区分統合により、受入機関は1人の特定技能外国人を関連業務全般に従事させやすくなり、地方や中小企業での柔軟な受入が可能となりました。
具体的な意味・内容
3つの業務区分
土工区分(型枠施工・コンクリート圧送・トンネル推進工等)、建築区分(建築大工・鉄筋施工・内装仕上げ等)、ライフライン・設備区分(電気通信・配管・冷凍空調等)の3区分があります。
各区分内に複数の関連業務が含まれており、合格者はその区分内の関連業務全般に従事できます。
試験構成
1号試験は学科試験+実技試験で構成されます。建設業に必要な基本技能・図面の読み取り・指示監督下での適切かつ安全な作業遂行能力が評価対象です。CBT方式のため受験後すぐに画面で結果が表示されます。
特定技能2号への移行
建設分野は特定技能2号への移行が認められており、JACが2号評価試験も実施しています。1号で実務経験を積んだ後、2号評価試験合格+班長経験等の要件を満たすことで2号へ移行できます。
日本語要件との並行
本試験合格に加え、JFT-Basic A2レベル相当またはJLPT N4以上の日本語要件を別途満たす必要があります。建設分野では現場での安全コミュニケーション能力が重要視されています。
関連する制度・運用
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所管省庁 | 国土交通省 |
| 運営機関 | 一般社団法人建設技能人材機構(JAC) |
| 試験方式 | CBT(コンピュータベーステスト) |
| 業務区分 | 土工区分・建築区分・ライフライン・設備区分の3区分 |
| 試験構成(1号) | 学科+実技 |
| 合格基準 | 原則として総得点60%以上 |
| 免除規定 | 関連職種の技能実習2号修了者は免除 |
| 受入計画認定 | 国土交通省への受入計画認定申請が別途必要 |
| JAC加入と受入負担金 | JAC加入+月額12,500〜25,000円の受入負担金が必須 |
建設分野は他分野と異なり、試験合格に加えて受入計画認定(国土交通省)・JAC加入・受入負担金支払いといった独自の要件が課されており、コスト・手続の両面で他分野より重い設計です。
実務上の注意点
3区分への再編による業務範囲拡大
2022年の19職種→3区分への再編により、合格者は同一区分内の関連業務全般に従事できるようになりました。例えば建築区分合格者は大工・鉄筋・内装等の関連業務にまたがって配置可能です。人員配置の柔軟性が大幅に向上しました。
受入計画認定との並行手続
建設分野では試験合格に加え、国土交通省の受入計画認定を別途取得する必要があります。試験対策と並行して、受入計画書類(賃金規程・キャリアパス・建設キャリアアップシステム登録等)を整備する計画的な準備が必要です。
建設キャリアアップシステム(CCUS)登録
建設分野の特定技能外国人はCCUS登録が必須です。受入機関も事業者登録が必要で、就業履歴・技能評価が一元管理される仕組みです。受入計画認定の前提条件にもなっています。
技能実習修了者の試験免除
関連職種の技能実習2号を良好に修了した者は、本試験と日本語要件の両方が免除されます。技能実習からの移行ルートが現在の主流です。
他試験との違い
| 項目 | 建設分野特定技能評価試験 | 建設業の技能検定 | 建設業の業界団体検定 |
|---|---|---|---|
| 主目的 | 特定技能1号取得 | 国家技能士の資格取得 | 業界の自主的技能評価 |
| 主催 | 国土交通省(JAC運営) | 厚生労働省(中央職能協会) | 業界団体 |
| 合格後の効果 | 特定技能在留資格取得が可能 | 国家技能士の資格 | 業界内の評価向上 |
よくある質問
Q. 19職種から3区分への再編で、過去の合格者はどうなりますか?
A. 過去の合格者は対応する新区分の合格者として扱われ、追加試験は不要です。再編後の業務範囲拡大の恩恵を受けられます。
例えば旧「鉄筋施工」合格者は新「建築区分」の合格者として扱われ、建築区分内の関連業務(大工・内装等)にも従事できるようになりました。
Q. 受入計画認定とは何ですか?
A. 国土交通省が建設分野の受入機関に対して行う認定制度で、賃金規程・キャリアパス・CCUS登録等を含む受入計画の適合性を審査します。
受入計画認定は建設分野の特定技能外国人受入の必須要件で、認定取得には2〜3か月かかります。試験合格・JAC加入と並行して進める必要があります。
Q. 海外でも受験できますか?
A. 受験できます。フィリピン・インドネシア・ベトナム・ミャンマー・タイ・ネパール等の主要送出し国で実施されています。
受験予約はJACの専用予約システムから行います。日本入国前の合格により、受入機関は在留資格認定証明書交付申請を入国前に進められます。
Q. 派遣形態で受け入れられますか?
A. 不可能です。建設分野は直接雇用が必須です。派遣可能なのは農業・漁業の2分野のみです。