用語集 特定技能関連

畜産農業区分ちくさんのうぎょうくぶん

畜産農業区分とは?

畜産農業区分とは、特定技能制度における「農業」分野の2つの試験区分のうち、家畜・家禽等を飼養し畜産物を生産する業務に従事する区分です。

乳牛・肉用牛・豚・採卵鶏・ブロイラー・軽種馬・養蜂等が対象畜種で、飼養管理および畜産物の集出荷・選別が対象業務となります。酪農・肉牛肥育・養豚・養鶏・養蜂等、日本畜産業の主要業種をカバーします。

畜産農業の業務に従事するためには、1号農業技能測定試験(畜産農業全般)または対応する技能実習2号修了が必要です。あわせて日本語試験(JLPT N4以上または基礎テスト)の合格が求められます。

耕種農業と異なり、畜産農業は家畜の生命を預かるため24時間管理が必要な業務が多く、年間を通じた直接雇用が一般的です。派遣特例も利用可能です。

具体的な意味・内容

飼養管理(必須業務)

給餌・給水・飼育環境管理(温湿度・換気・照明)・家畜の健康管理・繁殖管理が対象です。家畜の異変の早期発見・初期対応が重要で、感染症予防(バイオセキュリティ)の理解も必須です。畜種ごとに専門的な飼養技術が要求されます。

畜産物の集出荷・選別

搾乳(酪農)、採卵(採卵鶏)、出荷準備、運搬等が対象です。乳質管理・卵の規格選別・食肉処理場への出荷等、畜種に応じた集出荷業務を担います。HACCPに基づく衛生管理も求められます。

付随業務

畜舎の清掃・消毒・補修、糞尿処理、敷料管理、機械操作(搾乳機・自動給餌器・選卵機等)、餌の運搬等が対象です。畜舎環境の維持は家畜の健康に直結するため重要な業務です。

主な対象畜種

乳牛(酪農)、肉用牛(肥育・繁殖)、(養豚)、採卵鶏(鶏卵生産)、ブロイラー(食肉用鶏)、軽種馬(競走馬・乗用馬)、養蜂(みつばち)が対象です。畜種ごとに飼養技術が大きく異なるため、就業先に応じた経験積み上げが重要です。

関連する制度・在留情報

項目内容
必要な試験1号農業技能測定試験(畜産農業全般)+日本語試験
試験実施団体一般社団法人全国農業会議所(プロメトリック委託)
受験料8,000円(国内)
合格基準満点の65%以上
2号合格率(直近6回)畜産農業 約5割
主な対象畜種乳牛・肉用牛・豚・採卵鶏・ブロイラー・軽種馬・養蜂
雇用形態主に直接雇用(年間業務のため)/派遣特例も活用可
5年間受入見込数(農業全体)78,000人(令和6〜10年度)
協議会加入必須

実務上の注意点

24時間体制への対応

畜産業は家畜の状態に応じた早朝・夜間・休日対応が必要となるケースが多く、変則的な勤務シフトが特徴です。労働時間の管理・休日確保・割増賃金の適正な支給等、労働基準法の遵守を徹底する必要があります。

バイオセキュリティの徹底

鳥インフルエンザ・豚熱(CSF)・口蹄疫等の家畜伝染病予防のため、外国人材の入国直後の畜産農場への立入制限、消毒手順の遵守、海外渡航時の制限等の対応が必要です。受入機関は防疫マニュアルの整備・教育が必須です。

畜種別の専門性

1号試験は畜産農業全般を対象としますが、実際の業務は畜種ごとに専門性が高く、就業先での実技研修が重要です。乳牛と養豚では飼養技術が大きく異なるため、就業先での継続的な技能向上支援が必要です。

2号試験の合格率

畜産農業の2号試験合格率は直近6回で約5割と、耕種農業(3〜4割)より高めです。家畜飼養における労務管理経験の蓄積が比較的容易な業態であることが要因と考えられます。長期就労を希望する人材への2号取得支援が有効です。

よくある質問

Q. 畜種を変更して就業できますか?

A. 畜産農業区分の範囲内であれば畜種変更は可能です。乳牛から養豚への異動等は同一区分内のため追加試験は不要です。

ただし、畜種ごとに飼養技術が大きく異なるため、新たな畜種での実技研修が必要です。受入機関は技術習得のための支援を計画的に行うことが重要です。

Q. 食肉処理業務は対象ですか?

A. 農場での出荷準備・運搬は対象ですが、食肉処理場(と畜場)での解体・加工業務は飲食料品製造業分野(畜産食料品製造業)の対象となります。

畜産農業区分は生産現場での業務に限定されます。食肉処理業務に従事する場合は飲食料品製造業特定技能測定試験の合格が必要です。

Q. 養蜂は対象ですか?

A. 養蜂(みつばち飼育)は畜産農業区分の対象です。蜂蜜・ローヤルゼリー・蜂蜜花粉等の生産業務に従事できます。

養蜂は季節性が強い業務のため、果樹園・野菜農家との連携や派遣特例の活用が現実的です。日本のみつばち減少問題への対応として注目されています。

Q. 派遣で畜産業務に従事できますか?

A. 派遣特例の対象ですが、畜産業は年間を通じた直接雇用が一般的で、派遣形態の活用は限定的です。

家畜は24時間管理が必要なため、安定した飼養体制を維持する観点から直接雇用が望ましいケースが多いです。繁忙期のスポット派遣等で部分的に活用される場合があります。

参考資料

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