用語集 特定技能関連

特定技能支援計画とくていぎのうしえんけいかく

特定技能支援計画とは?

特定技能支援計画とは、「1号特定技能外国人支援計画」の通称で、特定技能1号の外国人を受け入れる特定技能所属機関(受入機関)が、外国人の職業生活・日常生活・社会生活を支援するために作成する計画書です。

計画書には、法令で定められた10項目の「義務的支援」をすべて記載する必要があり、加えて企業独自の「任意的支援」を追加することもできます。

支援の実施は受入機関自ら行うか、出入国在留管理庁に登録された「登録支援機関」へ全部または一部を委託することが認められています。特定技能2号外国人には支援計画の作成義務はなく、1号外国人のみが対象です。

必要になる場面

特定技能支援計画は、特定技能1号外国人を新規に受け入れる時、在留期間を更新する時、職種を変更する時など、複数の場面で作成・更新が求められます。

計画の内容が省令基準を満たさない場合は在留資格の許可が下りないため、雇用手続きと並行して丁寧に作成する必要があります。

在留資格認定証明書交付申請時

海外在住の外国人を特定技能1号として呼び寄せる際、交付申請書と併せて支援計画書を提出します。入国後に滞りなく支援を開始できる体制が整っているかが審査されます。

在留資格変更許可申請時

技能実習修了者や留学生等が特定技能1号へ資格変更する際にも支援計画が必要です。技能実習生だった外国人についても新たに計画を策定して提出します。

在留期間更新許可申請時

特定技能1号の在留期間は通算5年が上限で、1年・6ヶ月・4ヶ月ごとの更新となります。更新時は支援の実施状況を踏まえ、必要に応じて計画を改訂して提出します。

支援内容・体制に変更が生じた場合

登録支援機関への委託を開始した、委託を解除した、支援責任者が変わったなど、計画の前提が変わる場合は変更届と併せて新しい計画書の提出が必要です。2025年4月改正により、自社支援で支援計画の実施が困難になった場合の届出も新設されました。

申請・取得の手順

支援計画書は出入国在留管理庁が公開する「参考様式第1-17号」を使用して作成します。

2025年4月改正で、従来の「支援委託費用説明書(参考様式第1-9号)」が支援計画書に統合され、フォーマットが整理されました。記載言語は日本語に加え、本人が十分理解できる言語(ベトナム語・インドネシア語・英語など)の併記が必要です。

  1. 受入体制を整える。支援責任者・支援担当者(いずれも過去5年以内の中長期在留者支援経験が必要)を選任するか、登録支援機関へ委託する体制を決定します。登録支援機関に全部委託すれば、受入機関が支援体制の基準を満たしているとみなされます。
  2. 参考様式第1-17号「1号特定技能外国人支援計画書」をダウンロードして作成します。10項目の義務的支援について、それぞれ実施予定時期・担当者・実施方法・使用言語を具体的に記載します。2025年4月以降は「地域共生」に関する事項(地方公共団体の施策への協力等)も記載対象です。
  3. 支援対象の外国人本人に支援計画の内容を、本人が十分理解できる言語で事前に説明し、同意を得ます。説明記録を残しておくと審査時の裏付けとなります。
  4. 在留資格認定証明書交付申請書または在留資格変更・更新許可申請書と併せて、地方出入国在留管理官署の窓口またはオンラインシステムから提出します。審査の標準処理期間は1〜3ヶ月程度です。
  5. 許可後は計画通りに支援を実施し、年1回の定期届出で支援実施状況を報告します。2025年4月改正により、従来の四半期ごとの届出から年1回(対象年4月1日〜翌年3月31日分を翌年4月〜5月に届出)に変更されました。新ルールに基づく初回届出は2026年4月以降です。

注意点・よくある失敗

支援計画は「作って終わり」ではなく、実施状況を記録・報告する継続的な業務です。

計画と実態が乖離していれば、定期届出・実地検査で指摘を受け、最悪の場合は特定技能所属機関としての適格性を失い、新規受入停止などの行政指導を受けるリスクがあります。

10項目すべてを網羅すること

義務的支援10項目(事前ガイダンス・空港送迎・住居確保・生活オリエンテーション・公的手続同行・日本語学習機会提供・相談対応・日本人との交流促進・転職支援・定期面談)のうち、一つでも抜け落ちると省令基準不適合となり、在留資格が許可されません。項目の抜けは最も多い不備要因です。

本人が理解できる言語での説明

事前ガイダンス・生活オリエンテーション・面談などは、本人が十分理解できる言語で実施する必要があります。支援計画書に併記する言語版もこの基準に対応しており、日本語のみの記載は不十分と判断されます。

定期面談と母国送還の通報義務

支援責任者または支援担当者は、3ヶ月に1回以上の定期面談を実施し、労基法違反等の疑いがある場合は労働基準監督署等の関係機関に通報する義務があります。面談記録を残さない、通報を怠ると行政指導の対象となります。

登録支援機関との契約管理

登録支援機関に委託する場合は、委託契約書・支援委託手数料の内訳を明確にし、実施状況を受入機関側でも把握しておく必要があります。登録支援機関の登録取消や契約解除が発生した場合は速やかに代替機関の確保と届出が必要です。

2025年4月以降の制度改正への対応

地域共生事項の記載、支援委託費用説明書の統合、定期届出の年1回化など、2025年4月以降に複数の改正が施行されています。古い様式を使い続けると受理されないため、出入国在留管理庁の公式サイトで常に最新様式を確認してください。

類似書類との違い

外国人受入に関する計画書類には複数種類があり、対象となる在留資格と目的が異なります。特に技能実習計画との混同が多いため、制度ごとの違いを理解しておくことが重要です。

書類名対象目的
1号特定技能外国人支援計画特定技能1号外国人職業・日常・社会生活の支援内容を定める
技能実習計画技能実習1号〜3号実習生実習内容・到達目標・実習体制を定め、認定を受ける
育成就労計画(2027年4月〜)育成就労外国人技能習得・キャリアパスを含む育成計画(育成就労法の基準)
雇用契約書全在留資格の就労者労働条件・賃金・労働時間等の契約を明記
特定技能雇用契約書特定技能1号・2号省令で定める特定技能独自の契約基準に適合する労働条件

技能実習計画は「技能移転による国際貢献」を目的とし外国人技能実習機構(OTIT)の認定を受ける書類、一方で1号特定技能外国人支援計画は「働きながら生活する外国人の支援」を目的とし出入国在留管理庁に提出する書類です。

2027年4月施行予定の育成就労制度では、技能実習計画に代わる育成就労計画が新設され、特定技能との接続も整理されます。

よくある質問

Q. 支援計画は受入企業が自前で作成・実施する必要がありますか?

A. 受入機関自身が実施する「自社支援」と、出入国在留管理庁に登録された「登録支援機関」に委託する方法があります。

自社支援の場合は、支援責任者・支援担当者の選任(過去5年以内の中長期在留者支援経験が必要)、情報発信・相談対応の体制整備など独自の要件があります。

全部を登録支援機関に委託すれば受入機関は体制基準を満たすとみなされるため、中小企業や特定技能外国人を初めて受け入れる企業では登録支援機関への委託が一般的です。

Q. 登録支援機関への委託費用はどのくらいかかりますか?

A. 出入国在留管理庁の統計によると、特定技能外国人1人当たりの月額支援委託料の平均は約28,386円で、月額3万円以下が全体の約90%を占めています。

費用体系は「月額定額型」と「項目別支払型」の2パターンが一般的で、支援内容・実施言語・外国人数により変動します。委託契約書には費用内訳を明示する必要があり、外国人本人への説明義務もあります。

Q. 10項目の義務的支援には具体的に何が含まれますか?

A. ①事前ガイダンス、②空港等での出入国時の送迎、③住居確保・生活に必要な契約支援、④生活オリエンテーション、⑤公的手続等への同行、⑥日本語学習機会の提供、⑦相談・苦情への対応、⑧日本人との交流促進、⑨転職支援(本人都合によらない契約解除の場合)、⑩定期面談・行政機関への通報、の10項目です。

いずれも本人が十分理解できる言語で実施する必要があり、計画書には実施時期・担当者・方法・言語を具体的に記載します。

Q. 支援計画の定期届出はいつ提出しますか?

A. 2025年4月改正により、定期届出は従来の四半期ごとから年1回に変更されました。

対象年(4月1日〜翌年3月31日)の受入状況・活動状況・支援実施状況を、翌年4月1日から5月31日までに出入国在留管理庁へ届け出ます。

新ルールでの初回届出は2026年4月〜5月が対象で、オンライン申請システムを活用すれば窓口来庁不要で提出できます。

Q. 支援計画の実施が困難になった場合はどうすればよいですか?

A. 2025年4月改正により、自社支援を行っている受入機関が支援計画の実施が困難となった場合の届出が新設されました。

例えば支援担当者の退職、業績悪化による支援体制の維持困難などが典型例です。届出後は速やかに登録支援機関への委託に切り替えるか、支援体制を再構築する必要があります。

実施困難が長期化すると特定技能所属機関としての基準を満たさなくなり、新規受入停止や既存外国人の在留継続に影響が出るおそれがあります。

参考資料

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