用語集 特定技能関連

随時届出ずいじとどけで

随時届出とは?

随時届出とは、特定技能外国人の受入れに関して所定の事由(雇用契約の変更・終了、受入れ困難、不正行為の認知、支援計画の変更など)が発生したときに、特定技能所属機関または登録支援機関が出入国在留管理庁へその都度提出する届出制度です。

1年間の活動を一括で報告する定期届出とは異なり、事象が発生してから14日以内に提出する必要があります。提出を怠ると30万円以下の罰金や受入停止処分の対象となるため、受入れ機関の労務担当者にとって日常的に遵守が求められる重要な事務手続きです。

必要になる場面

随時届出が必要となる代表的な事由は以下のとおりです。雇用契約の動きや支援体制の変更だけでなく、外国人本人の失踪や違法行為の認知も対象に含まれる点に注意が必要です。

特定技能雇用契約の変更・終了・新規締結

賃金・労働時間・業務内容など雇用条件に変更が生じた場合、雇用契約が終了した場合、または新たに特定技能外国人を雇用した場合に届け出ます。軽微な変更(労働条件に実質的影響のない事項)は除外されます。

受入れ困難に係る事由の発生

事業縮小・倒産・経営悪化などにより特定技能外国人の継続雇用が困難になった場合に届け出ます。雇用契約終了の前段階でも、見通しが立った段階で速やかに届出を行うことが求められます。

不正行為の認知・行政処分

賃金未払い、暴行・脅迫、旅券・在留カードの取上げ、労働関係法令違反など、受入れ機関や関係者による違法行為を認知した場合、または労働基準法・最低賃金法等で行政処分・公訴提起がなされた場合に届け出ます。

支援計画の変更・支援委託契約の変更

支援計画の内容変更、登録支援機関への委託・委託先変更・自社支援への切替など、1号特定技能外国人支援に関する体制変更が発生した場合に届け出ます。委託契約の締結・変更・解約のすべてが対象です。

特定技能外国人の行方不明

外国人本人と連絡が取れなくなり、所在不明状態となった場合は、認知後14日以内に届出が必要です。失踪届とも呼ばれ、放置すると受入れ機関の管理責任が問われるため迅速な対応が求められます。

主な様式と提出手順

随時届出には事由ごとに専用の参考様式が定められており、対象事象に応じた書式を選んで提出します。提出方法は持参・郵送・電子届出システムの3種類です。

様式番号用途
参考様式第3-1号特定技能雇用契約に係る届出書(締結・変更・終了)
参考様式第3-2号支援計画変更に係る届出書
参考様式第3-3号支援委託契約に係る届出書(締結・変更・解約)
参考様式第3-4号受入れ困難に係る届出書
参考様式第3-5号出入国・労働関係法令違反等に係る届出書

提出先は特定技能所属機関の本店または主たる事務所の所在地を管轄する地方出入国在留管理官署です。郵送の場合は14日以内に到達するよう余裕をもって発送し、オンラインで提出する場合は出入国在留管理庁電子届出システムを使用します。

注意点・よくある失敗

14日カウントの起算日を誤る

14日のカウントは事由発生日の翌日からではなく、発生日当日を含む計算となります。例えば3月10日に契約終了した場合、3月23日までに到達させる必要があります。郵送の場合は到達主義のため発送日基準ではありません。

登録支援機関に委託しているから自社は不要と誤解する

雇用契約や受入れ困難に関する随時届出は特定技能所属機関(受入れ企業)の責任です。支援委託の有無にかかわらず、雇用関連事項は所属機関が自ら届け出る必要があります。登録支援機関の届出と所属機関の届出は別個に存在します。

軽微な変更と判断して届出を見送る

「軽微な変更」とされるのは雇用契約の本質に影響しない事項に限られます。賃金額・職務内容・勤務地の変更は軽微には該当せず、届出義務があります。判断に迷う場合は管轄入管に事前確認することが望ましいです。

定期届出との違い

随時届出と定期届出はいずれも入管法上の義務ですが、提出契機・対象事由・頻度が異なります。両者は併存する制度であり、片方を行えば他方が免除されるものではありません。

項目随時届出定期届出
提出契機所定の事由が発生した都度定められた期間ごとに定期的に提出
提出期限事由発生から14日以内対象期間終了後(現行は4月1日〜5月31日)
主な内容契約変更・受入れ困難・不正行為など個別事象受入れ・活動・支援の年間状況報告
主な様式参考様式第3-1号〜3-5号参考様式第3-6号

定期届出が「通常運営の年次レポート」であるのに対し、随時届出は「例外事象の即時通知」と位置付けられます。実務上は随時届出のほうが頻度が高く、雇用契約の些細な変更でも対象となるため、労務担当者が常に意識すべき手続きです。

よくある質問

Q. 賃金を昇給した場合も随時届出が必要ですか?

A. 必要です。賃金額の変更は雇用条件の重要な変更にあたるため、参考様式第3-1号で14日以内に届け出てください。

昇給だけでなく、手当の追加・削減、勤務時間や所定休日の変更、勤務地の変更も対象です。一方、社内研修の追加など雇用契約に直接影響しない事項は届出対象外となります。

Q. 特定技能外国人が自己都合で退職した場合の届出は?

A. 雇用契約の終了に該当するため、参考様式第3-1号で随時届出を行います。退職日から14日以内が期限です。

あわせて、外国人本人が他社へ転職する場合は本人側でも在留資格変更許可申請(同分野内の転職時)または受入れ機関変更の届出が必要となります。受入れ機関側と外国人本人側で別々の手続きが発生する点に留意してください。

Q. 自社支援から登録支援機関への委託に切り替える場合の届出は?

A. 支援委託契約の締結(参考様式第3-3号)と支援計画の変更(参考様式第3-2号)を併せて随時届出します。

切替日の14日以内が提出期限です。逆に登録支援機関から自社支援へ戻す場合も同じ様式で届け出ます。委託先の登録支援機関を変更する場合も委託契約の解約と再締結の2件分の届出が必要となります。

Q. 14日を過ぎてしまった場合はどうなりますか?

A. 速やかに管轄入管へ連絡し、追完届を提出してください。期限超過は罰則対象ですが、自主的な追完によって悪質性は軽減されます。

放置すると新規受入停止や在留更新審査での不利益につながります。期限管理が困難な場合は、雇用契約変更時に総務・人事の決裁プロセスへ随時届出のチェック項目を組み込むなど、社内フローでの管理体制構築が推奨されます。

参考資料

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