介護技能評価試験とは?
介護技能評価試験とは、特定技能1号「介護」分野の在留資格取得に必要な技能水準を測定する試験です。厚生労働省が試験実施を所管し、運営はプロメトリック株式会社が担当しています。
介護分野に特有の知識・技術・倫理観を有しているかを判定し、合格者は介護分野での特定技能1号として日本での就労が可能となります。
試験はCBT(コンピュータベーステスト)方式で実施され、日本国内47都道府県のテストセンターおよび主要送出し国(フィリピン・インドネシア・ベトナム・ミャンマー・カンボジア・タイ・モンゴル・ネパール・スリランカ・バングラデシュ・パキスタン・インド・ウズベキスタン)で年間を通じて実施されています。
介護分野で特定技能を取得するには本試験に加え、介護日本語評価試験と日本語能力(JFT-Basic A2 または JLPT N4以上)の3要件をすべて満たす必要があります。
具体的な意味・内容
試験の構成・出題内容・合格基準・実施頻度を整理します。介護現場で必要な専門知識と実技を体系的に問う設計となっています。
試験構成
学科試験40問(介護の基本10問、こころとからだのしくみ6問、コミュニケーション技術4問、生活支援技術20問)と実技試験5問の合計45問で構成されます。試験時間は60分です。実技試験はCBT上で図やイラスト・動画を見て回答する形式で、実際に介護動作を行うものではありません。
合格基準
総得点の60%以上で合格と判定されます。学科・実技の合算スコアで判定し、セクション別の足切りはない仕組みです。受験後すぐに画面上で結果が表示され、合格者には判定結果通知書が発行されます。
合格率の推移
合格率は時期や受験国により変動しますが、約65〜72%で推移しています。日本国内の受験者は技能実習修了者や留学生が多く、母数の準備度合いが高いため合格率は比較的高めです。海外受験者の合格率は受験国の介護教育水準により差があります。
受験料・実施頻度
日本国内の受験料は1,000円程度(CBT利用料含む)と他試験に比べて安価です。日本国内では月に複数回、海外では年間を通じてほぼ毎月実施されています。受験者は専用予約サイトから日時・会場を選択し、3営業日前までに予約します。
関連する制度・特定技能における位置づけ
介護分野で特定技能1号を取得するためには、本試験を含む3つの要件を満たす必要があります。介護分野固有の二段階日本語要件があるため、他分野より試験負担が大きい設計となっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所管省庁 | 厚生労働省 |
| 運営機関 | プロメトリック株式会社(CBT方式) |
| 受験資格 | 17歳以上(一部国・一部時期は18歳以上) |
| 受験料(日本国内) | 約1,000円 |
| 合格基準 | 総得点の60%以上 |
| 合格率の目安 | 約65〜72% |
| 免除規定 | 介護福祉士養成施設修了者、技能実習2号「介護」修了者は試験免除 |
| 必須併用試験 | 介護日本語評価試験+JFT-Basic A2 もしくは JLPT N4以上 |
技能実習2号「介護」を良好に修了した者は、本試験と日本語要件の両方が免除されます。介護福祉士養成施設の修了者も同様です。
留学生や他在留資格からの移行者は、試験合格による要件充足が原則ルートとなります。
実務上の注意点
介護日本語評価試験との同時受験
介護分野では本試験に加えて介護日本語評価試験の合格も必須です。同日同会場で2試験を受験する受験者が大半で、両方合格して初めて介護分野の技能・日本語要件をクリアできます。片方だけ合格しても在留資格申請には不十分です。
学習教材は厚生労働省公式サイトで提供
厚生労働省が試験対策用の学習テキスト(多言語版)を公式サイトで無料公開しており、サンプル問題も提供されています。受験予定者には公式テキストの利用を促し、独学が難しい場合は介護分野特化の予備校・養成施設を活用する形が一般的です。
合格証明書の有効期限
合格証明書(判定結果通知書)自体に有効期限はありませんが、合格から年月が経過しすぎると入管から能力評価への信頼性を問われる場合があります。実務上は2年以内に在留資格申請を行うのが望ましい運用です。
不合格時の再受験ルール
不合格となった場合、同一テスト期間内(45日間)の再受験は不可ですが、テスト期間が変われば再受験できます。何度でもチャレンジできるため、合格まで継続的に受験する受験者が多くなっています。
他試験との違い
介護技能評価試験は、介護福祉士国家試験・他分野の特定技能試験と混同されやすいため、違いを整理します。
| 項目 | 介護技能評価試験 | 介護福祉士国家試験 | JFT-Basic |
|---|---|---|---|
| 主目的 | 特定技能1号の介護分野要件 | 介護福祉士の国家資格取得 | 就労者向け生活日本語能力測定 |
| 主催 | 厚生労働省 | 厚生労働省(社会福祉振興・試験センター) | 国際交流基金 |
| 合格基準 | 60%以上 | 各科目で60%以上+総合60%以上 | 250点中200点以上 |
| 受験料 | 約1,000円 | 18,380円 | 7,000円 |
| 難易度 | 標準(合格率約70%) | 高難度(合格率約70〜80%) | 標準 |
介護技能評価試験は特定技能1号の入口要件であり、介護福祉士国家試験は専門資格としての本格的な国家試験です。
特定技能1号取得後、3年以上の実務経験を積んで介護福祉士国家試験に合格すると在留資格「介護」へ移行でき、在留期間更新の上限がなくなります。
よくある質問
Q. 介護技能評価試験は日本国内でも受験できますか?
A. 受験できます。日本国内の47都道府県のプロメトリック認定テストセンターで月複数回実施されており、留学生や技能実習修了者も国内受験で資格取得が可能です。
受験予約はプロメトリック専用予約サイトから行います。受験会場・日時を選択し、3営業日前までに予約完了する必要があります。
Q. 技能実習2号「介護」を修了した場合、本試験は免除されますか?
A. はい、免除されます。技能実習2号「介護」を良好に修了した者は、介護技能評価試験・介護日本語評価試験・JFT-Basicの3試験すべてが免除されます。
免除を受けるには、技能実習2号修了証または技能検定3級合格証等を立証資料として在留資格申請時に提出します。技能実習1号のみの修了では免除対象外となるため注意してください。
Q. 不合格の場合、すぐに再受験できますか?
A. 同一テスト期間内(45日間)の再受験は不可です。テスト期間が変われば再受験可能で、何度でもチャレンジできます。
テスト期間の区切りは年度ごとに公表されており、概ね45日サイクルでローテーションしています。受験予約サイトで次回受験可能日が表示されるため、計画的な再受験が可能です。
Q. 学習教材はどこで入手できますか?
A. 厚生労働省の公式サイトで多言語の学習テキスト・サンプル問題が無料公開されています。日本語・英語・ベトナム語・インドネシア語などで提供されています。
独学が難しい場合は、介護分野特化の予備校・日本語学校・介護施設併設の研修プログラム等を活用する形が一般的です。一部の登録支援機関は試験対策研修を提供しているため、契約検討時に対策支援の有無を確認することも有用です。