農業技能測定試験とは?
農業技能測定試験(Agriculture Skill Assessment Test, ASAT)とは、特定技能1号・2号「農業」分野の在留資格を取得するために必要な技能水準を判定する国家認定試験です。
一般社団法人全国農業会議所が農林水産省から委託を受けて実施し、業務委託先のプロメトリック株式会社を通じて国内・海外で運営しています。
試験区分は「耕種農業全般」と「畜産農業全般」の2区分があり、受験者はいずれかを選択して受験します。海外ではフィリピン・インドネシア・ベトナム・カンボジア・ミャンマー・タイ等で実施されています。
2023年6月の閣議決定で農業分野が特定技能2号の対象に追加され、2024年から2号試験も本格実施されています。
制度の背景
農業分野は人手不足が深刻な分野として指定され、令和6年(2024年)3月29日の閣議決定により、5年間(令和6〜10年度)の受入見込数が78,000人に再設定されました。特定技能17分野中4番目に大きな受入規模です。
2025年6月末時点で農業分野の在留者数は1号 約34,935人、2号 約519人に達しており、急速に拡大しています。試験の難易度は2号で実務経験7年以上の者でも約3割の合格水準とされ、計画的な学習が不可欠です。
試験内容と区分
1号試験の構成
学科試験では農業一般・安全衛生・栽培管理(耕種)または飼養管理(畜産)等の知識を問います。実技試験は写真・動画を用いた判断試験形式で、現場での実践的判断力を評価します。日本語能力試験(JLPT N4以上または基礎テスト)の合格も併せて必要です。
2号試験の構成
1号の出題範囲に加え、複数の従業員の指導・労務管理に関する出題が追加されます。直近6回の合格率は耕種農業で3〜4割、畜産農業で5割程度と難易度が高めです。
耕種農業全般
野菜・果樹・米麦・花き・きのこ類・茶等の栽培管理、農産物の集出荷・選別が出題範囲です。露地・施設栽培の双方が対象となります。
畜産農業全般
乳牛・肉用牛・豚・採卵鶏・ブロイラー・軽種馬・養蜂等の飼養管理、畜産物の集出荷・選別が出題範囲です。
試験概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 1号農業技能測定試験/2号農業技能測定試験(ASAT) |
| 実施団体 | 一般社団法人全国農業会議所 |
| 業務委託先 | プロメトリック株式会社 |
| 所管省庁 | 農林水産省 |
| 試験区分 | 耕種農業全般/畜産農業全般 |
| 合格基準 | 満点の65%以上 |
| 受験料 | 8,000円(国内・1号2号とも) |
| 実施頻度 | 毎月下旬(プロメトリック試験会場) |
| 海外実施国 | フィリピン・インドネシア・ベトナム・カンボジア・ミャンマー・タイ等 |
| 5年間受入見込数 | 78,000人(令和6〜10年度) |
受験者・受入機関の実務ポイント
学習リソース
全国農業会議所のASAT公式サイトから学習用テキスト・サンプル問題が無料提供されています。多言語対応(英語・ベトナム語・インドネシア語等)のため母語学習が可能です。
申込フロー
全国農業会議所に事前書類を提出し要件確認を受けた後、アプリケーションナンバーが発行されます。プロメトリック予約サイトで日程予約することで受験できます。
技能実習修了者の試験免除
農業に関連する職種の技能実習2号を良好に修了した場合、農業技能測定試験・日本語試験ともに免除されます。技能実習からの円滑な移行が可能です。
よくある質問
Q. 耕種農業と畜産農業を両方受験できますか?
A. はい、両区分を別々に受験することができます。ただし、在留資格申請時にはどちらか一方の合格が必要です。
耕種農業から畜産農業に業務を変更する場合は、改めて畜産区分の試験合格が必要となります。受験戦略としては、就業予定先の業務に合わせて選択することが推奨されます。
Q. 2号試験の難易度はどの程度ですか?
A. 国内実務経験7年以上の者で約3割合格水準とされ、難易度は高めです。直近の合格率は耕種農業3〜4割・畜産農業5割程度です。
労務管理・複数従業員の指導に関する出題が加わるため、リーダー経験の有無が合否に影響します。十分な実務経験と事前学習が必須です。
Q. 海外でも受験できますか?
A. はい、フィリピン・インドネシア・ベトナム・カンボジア・ミャンマー・タイ等の主要送出国で実施されています。
受験料・実施日程は実施国により異なります。申込はプロメトリックの該当国予約サイトから行います。
Q. 試験合格後はどのような手続きが必要ですか?
A. 合格証明書を受領後、受入企業との雇用契約を締結し、出入国在留管理局へ在留資格認定証明書交付申請(COE申請)または在留資格変更許可申請を行います。
受入機関は事前に農業特定技能協議会への加入が必要です。2024年6月15日以降は協議会加入完了後でないと申請受理されないため、計画的な準備が必要です。