用語集 特定技能関連

支援計画しえんけいかく

支援計画とは?

支援計画とは、外国人材の受入にあたって、受入企業または委託先機関が本人の職業生活・日常生活・社会生活を円滑に支えるために作成する計画書の総称です。

特定技能制度では「1号特定技能外国人支援計画」(入管法および関係省令に基づく省令基準)として法的に位置付けられ、義務的支援10項目の実施計画を定めた公式書類となります。

2027年4月施行予定の育成就労制度でも「育成就労計画」が認定制で導入され、それぞれの在留資格で支援計画の形が発展しています。

支援計画の実施主体は特定技能所属機関(受入企業)ですが、支援実績や体制が要件を満たさない場合は登録支援機関に全部または一部を委託します。

計画書は日本語と本人が十分理解できる言語の併記で作成し、本人に交付・署名を得た上で支援を進めます。2025年4月の運用要領改正で「地域共生施策への協力」が計画基準に追加されました。

必要になる場面

支援計画の作成は、外国人を受け入れる複数の場面で必要になります。

提出のタイミング、対象となる外国人、記載内容が制度ごとに異なるため、自社の採用パスに応じた手続きの把握が重要です。

特定技能1号の新規雇用時

在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請の際に、参考様式第1-17号「1号特定技能外国人支援計画書」を作成して提出します。支援責任者・支援担当者の氏名・役職、10項目の義務的支援の実施方法、言語、費用負担等を詳細に記載します。

在留期間更新時

特定技能1号は最長通算5年の在留が可能で、1年・6ヶ月・4ヶ月ごとの更新が必要です。更新時は実施状況を踏まえて計画を見直し、必要に応じて改訂版を提出します。

計画内容に変更が生じた場合

支援責任者・支援担当者の交代、登録支援機関の変更、支援内容の変更などがあった場合、発生から14日以内に随時届出(参考様式第3-2号「支援計画変更に係る届出書」)を行います。変更した支援計画書(様式1-17号)も併せて添付します。

育成就労計画の作成(2027年4月〜)

育成就労制度では、育成就労外国人ごとに「育成就労計画」を作成し、新設される外国人育成就労機構の認定を受けます。育成期間(原則3年以内)・目標・技能と日本語能力の到達レベル等を記載する認定制の計画です。

支援計画の作成・実施の手順

支援計画は単なる書類ではなく、支援の骨格を定める運用ドキュメントです。

作成→本人確認→提出→実施→実績記録→届出の一連の流れを運用設計し、実態と計画書の整合性を保つことが重要です。

  1. 支援体制を整える。支援責任者(役員または職員、受入企業が適正に支援実施できる者)と支援担当者(実施事業所ごとに1名以上、常勤が望ましい)を選任します。自社支援の要件を満たさない場合は登録支援機関への全部委託を選びます。
  2. 参考様式第1-17号「1号特定技能外国人支援計画書」を作成します。10項目の義務的支援(事前ガイダンス・空港送迎・住居確保・生活オリエンテーション・公的手続き同行・日本語学習支援・相談対応・日本人との交流促進・転職支援・定期面談)について、実施時期・担当者・方法・使用言語を具体的に記載します。2025年4月改正以降は「地域共生施策への協力」も記載対象です。
  3. 日本語と本人が十分理解できる言語の両方で作成し、本人に内容を説明して同意を得ます。本人の署名を得た計画書を受入機関が保管します。出入国在留管理庁は英語のほか9言語の翻訳版様式を公式サイトで提供しています。
  4. 在留資格申請書とともに地方出入国在留管理官署またはオンラインシステムから提出します。審査で支援体制・計画内容が不適合と判断されると在留資格が不許可となります。
  5. 就労開始後は計画通りに支援を実施し、記録を残します。毎年4月〜5月の定期届出で実施状況を報告(2025年4月改正で年1回に)し、随時届出で変更を14日以内に報告します。

注意点・よくある失敗

支援計画は在留資格取得の入口に位置するため、書類不備による不許可だけでなく、運用実態と計画書の乖離が後に問題化するケースが多くあります。

計画の「作成」と「実施」の両面で継続的な管理が求められます。

支援責任者・支援担当者の要件不適合

過去2年以内の中長期在留者受入実績または生活相談業務経験が要件となるため、未経験の役員を形式的に選任しても基準を満たしません。特に自社支援を選ぶ場合は、実質的に機能する人員配置が必要です。

計画と実施実態の乖離

「月1回面談」と計画に書いたものの実際は実施していない、日本語学習機会を提供せず放置しているなど、実態が計画から乖離すると定期届出・実地検査で指摘されます。実施が難しい項目は予め現実的な計画に修正しておくのが賢明です。

変更届出の14日期限

支援責任者の退職、登録支援機関の変更、本人が行方不明・離職等の事由発生から14日以内の随時届出を怠ると、基準違反として登録取消・受入停止の対象となります。変更発生のトリガーを明確にして運用ルールに組み込みましょう。

本人署名の取得

支援計画書は本人が理解し同意した証跡として本人署名が必要です。翻訳版の提示なしに日本語版のみで署名を得た場合、理解したとみなされず無効となる可能性があります。

2025年4月運用要領改正への対応

「地域共生施策への協力」が計画基準に追加され、定期届出も年1回に変更されました。2025年4月以降に作成・改訂する計画書では新様式を使用し、地域日本語教室・自治体の多言語相談窓口等の情報提供を支援計画に組み込む必要があります。

類似計画書との違い

外国人受入に関する計画書には複数種類があり、制度ごとに様式・認定機関・記載事項が異なります。複数制度にまたがる計画書の使い分けが、受入企業にとって実務上の重要ポイントです。

計画書対象提出先・認定者
1号特定技能外国人支援計画特定技能1号出入国在留管理庁(参考様式第1-17号)
建設特定技能受入計画特定技能1号・2号建設分野国土交通大臣(外国人就労管理システム)
技能実習計画技能実習1号〜3号外国人技能実習機構(OTIT)による認定
育成就労計画(2027年4月〜)育成就労外国人外国人育成就労機構による認定
特定技能2号向け支援計画特定技能2号不要(2号は義務的支援の対象外)

特定技能2号は中長期の日本在留が予定される上位資格で、義務的支援の対象外となるため支援計画の作成は不要です。一方、建設分野では特定技能1号の場合、1号支援計画(入管庁)と建設特定技能受入計画(国交省)の両方の認定が必要です。

育成就労制度では、支援計画に相当する「育成就労計画」が認定制で、育成期間・目標等が記載対象となり、特定技能1号支援計画とは構造が大きく異なります。

よくある質問

Q. 特定技能2号に支援計画は必要ですか?

A. 特定技能2号は熟練した技能を持つ外国人で、自立した在留を前提とするため、義務的支援の対象外です。したがって支援計画の作成も不要です。

特定技能2号で雇用する場合は、雇用契約書や技能要件の確認が中心となり、1号のような10項目の支援は義務付けられていません。

ただし企業が任意で生活支援を行うことは問題ありません。

Q. 支援責任者と支援担当者は同一人物が兼任できますか?

A. はい、同一人物が支援責任者と支援担当者を兼任することは認められています。

ただし、支援担当者は「実施事業所ごとに1名以上」が必要で、複数事業所がある場合はそれぞれに配置が必要です。

支援責任者は常勤でなくても可ですが、支援担当者は実際の支援業務を担うため常勤であることが望ましいとされています。

Q. 支援計画を変更したらすぐに届出が必要ですか?

A. 支援計画の変更は、原則として発生日から14日以内に随時届出が必要です。

提出先は居住地を管轄する地方出入国在留管理官署で、参考様式第3-2号「支援計画変更に係る届出書」と、変更箇所を反映した様式第1-17号の支援計画書を添付します。

登録支援機関の変更・支援委託契約の締結/終了・支援内容の変更・支援責任者や支援担当者の変更が主な届出対象です。

Q. 育成就労計画と特定技能の支援計画はどう違いますか?

A. 2027年4月施行予定の育成就労計画は、外国人育成就労機構の認定を受ける必要がある「認定制」の計画で、育成期間(3年以内)・業務内容・技能目標・日本語能力目標等を記載します。

一方、特定技能の支援計画は「届出制」に近く、在留資格申請と同時に提出し審査を受けます。

育成就労計画は「人材育成」の計画、特定技能の支援計画は「生活支援」の計画、という位置付けの違いがあります。

Q. 支援計画書は何年間保管すればよいですか?

A. 特定技能雇用契約・支援計画・実施記録は、支援業務を実施した日から1年以上の保管が義務付けられています(施行規則)。ただし、実務上は5年以上の保管が推奨され、在留期間更新時・転職時・実地検査時の証跡として活用されます。

2025年4月以降のオンライン申請対応に合わせて、電子保管を選ぶ企業も増えています。

紙原本と電子データの両方で保管するのが安全です。

参考資料

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