用語集 特定技能関連

受入れ人数枠うけいれにんずうわく

受入れ人数枠とは?

受入れ人数枠とは、外国人を受け入れる企業や事業所が、在留資格ごと・制度ごとに認められる外国人の最大受入人数の上限のことです。

技能実習制度では常勤職員数を基準として企業ごとに厳しく制限されており、特定技能制度では原則として上限がないものの、介護分野・建設分野は例外的に人数枠が設けられています。

2027年4月施行予定の育成就労制度にも分野別の受入見込数が設定される見通しです。

受入人数枠を超えて外国人を雇用すると、在留資格の不許可、技能実習計画の認定取消、特定技能所属機関の基準不適合などの処分対象となります。受入企業は自社の常勤職員数・分野区分・優良認定の有無を正しく把握し、採用計画を立てる前に自社の枠を確認することが不可欠です。

制度の背景

受入人数枠が設定されている主な趣旨は、外国人労働者が日本人労働者の雇用を過度に圧迫しないようにすること、受入企業の管理能力の範囲内で適正な支援・教育を提供できるようにすること、国内労働市場への影響を制御することの3点です。

技能実習法(技能実習法施行規則)、入管法、特定技能分野別運用方針などに根拠が分散しており、制度ごとに異なる基準が定められています。

2024年3月29日の閣議決定により、特定技能の5年間(2024年度〜2028年度)の受入見込数は全分野合計で約82万人と設定されました。これは前期(2019年度〜2023年度)の34.5万人から約2.4倍の拡大です。

2027年4月施行予定の育成就労制度では、最初の2年間の受入上限を約42.6万人とする案が政府から示されており、国全体の労働力需給を踏まえた数量管理が進んでいます。

主な制度別の受入れ人数枠

① 技能実習制度

基本的な考え方常勤職員数に応じた基本人数枠を設定。団体監理型が中心
1号技能実習生常勤職員数を超えない範囲(かつ基本人数枠内)
2号技能実習生常勤職員数の2倍を超えない
3号技能実習生常勤職員数の3倍を超えない
優良認定での拡大1号2倍・2号4倍・3号6倍まで(優良実習実施者+一般監理団体)

基本人数枠は、常勤職員30人以下で上限3人、31〜40人で4人、41〜50人で5人、51〜100人で6人、101〜200人で10人、201〜300人で15人、301人以上では常勤職員の20分の1となっています。

優良認定を受けた場合は段階的に拡大され、受入企業と監理団体の両方が優良基準を満たすと最大6倍まで拡大可能です。

技能実習制度は2027年3月末までに経過措置を経て育成就労制度へ移行します。

② 特定技能制度(原則無制限)

基本ルール原則として受入企業単位の人数枠なし
対象分野2024年3月の閣議決定で16分野・特定産業分野(2024年追加:自動車運送業・鉄道・林業・木材産業)
分野別受入見込数5年間(2024〜2028年度)で全分野合計約82万人
上位分野工業製品製造業173,300人、介護135,000人、飲食料品製造業、建設分野ほか

特定技能制度は深刻な人手不足分野に外国人労働者を受け入れる制度として、企業単位の人数枠を原則設けていません。ただし分野ごとに5年間の受入見込数が設定されており、全体の受入数が上限に達した場合は受付停止等の運用が想定されています。

2024年の閣議決定で見込数は大幅に拡大され、各分野で採用の機会が広がっています。

③ 特定技能の例外分野(介護・建設)

介護分野事業所ごとに、日本人等の常勤介護職員総数を上限とする
建設分野受入企業全体の常勤職員数を上限とする(特定技能+特定活動合算)
介護の理由介護サービスの質の担保、利用者との継続的な関係維持
建設の理由現場ごとの就労管理の必要性、季節・工事受注による業務変動への配慮

介護分野と建設分野は、業界の特性から例外的に受入人数枠が設けられています。介護分野は「事業所単位」で計算し、本社で合算しない点に注意が必要です。

建設分野は「企業全体」で計算し、特定技能と特定活動(建設就労者受入事業)の在留資格者を合算します。枠を超えて雇用した場合、新規の在留資格申請が不許可となります。

④ 育成就労制度(2027年4月施行予定)

施行日2027年4月1日
対象分野17分野(技能実習制度からの移行を中心に設定)
最初の2年間の上限政府案で約42.6万人
上位分野の見込数建設123,500人、工業製品製造業119,700人など

育成就労制度は技能実習制度に代わる新制度として2027年4月から始まります。分野別の受入見込数が政府の基本方針で決定される方式が採用され、技能実習のような企業単位の厳格な人数枠を置きつつも、柔軟性を持たせた運用が検討されています。

立場別の実務ポイント

受入企業が押さえるべきポイント

常勤職員数の正確な把握

技能実習・介護・建設の人数枠は常勤職員数を基準とするため、正社員・準正社員・フルタイムパートなど算入対象を正しく認識することが必要です。外国人社員・海外事業所所属者・技能実習生本人は常勤職員数に含まれません。

優良認定による拡大枠の活用

技能実習では、受入企業(実習実施者)と監理団体の双方が優良認定を受けると人数枠が2〜6倍に拡大します。認定基準(実習の成果・実施体制・法令遵守状況等)をクリアする準備を計画的に進めましょう。

分野別受入見込数への配慮

特定技能は原則無制限でも、分野ごとの5年間受入見込数に達すると新規受付が停止する可能性があります。出入国在留管理庁の公表データを定期的に確認し、早期の採用計画策定が推奨されます。

監理団体・登録支援機関が押さえるべきポイント

受入企業ごとの枠管理

監理団体は受入企業の常勤職員数・既存実習生数を管理し、新規受入時に枠が足りているか事前チェックすることが求められます。登録支援機関も特定技能外国人の分野別人数状況を把握すべきです。

優良認定取得の支援

実習実施者の優良認定取得は監理団体の経営にも直結します。監査・教育記録の整備、コンプライアンス体制の強化を支援することが重要です。

2027年制度移行への準備

育成就労制度への移行に伴い、現在の技能実習生の経過措置対応、新しい育成就労計画の作成体制整備が2026〜2027年の重要課題となります。

類似制度との比較

受入人数枠の考え方は制度ごとに異なり、それぞれの制度設計思想を反映しています。制度を混同すると採用計画に大きな影響が出るため、正確な理解が重要です。

制度人数枠の仕組み算定単位
技能実習常勤職員数に応じた基本人数枠+優良認定による拡大受入企業(実習実施者)単位
特定技能(原則)企業単位の制限なし(分野別の5年受入見込数のみ)国全体(分野別)
特定技能(介護)事業所の常勤介護職員総数を上限事業所単位
特定技能(建設)企業の常勤職員数を上限(特定活動と合算)企業単位
育成就労(2027年4月〜)分野別の受入上限+企業単位の枠(制度詳細整備中)国全体+企業単位
高度専門職・技人国人数枠なし

特定技能の介護分野は事業所単位、建設分野は企業単位と算定方法が異なるため、複数拠点を持つ法人は事業所ごと・企業ごとの整理が必要です。

技術・人文知識・国際業務(技人国)や高度専門職などの専門職系在留資格は人数枠が設けられておらず、業務内容と職務の関連性・報酬水準等の実質要件で審査されます。

よくある質問

Q. 常勤職員数にはパート・アルバイトも含まれますか?

A. 常勤職員として算入されるのは、正社員および正社員と同等の就業時間(通常は週40時間・年間所定労働日数の概ね4分の3以上)で継続的に勤務する従業員です。フルタイムで働く日給月給のパートタイマーも含まれます。

短時間パート・アルバイト・派遣社員・海外事業所所属者・技能実習生本人は含まれません。

就業規則と実態を確認し、慎重に算定してください。

Q. 特定技能は本当に何人でも受け入れられるのですか?

A. 介護分野と建設分野を除けば、企業単位の人数枠はありません。

ただし、分野ごとに5年間の受入見込数(2024〜2028年度で全分野合計約82万人)が設定されており、分野全体で上限に達した場合は新規受付停止となる可能性があります。

実務上は、受入企業の支援体制・雇用管理体制が整っている範囲内での採用が現実的です。

Q. 優良認定を受けると技能実習の人数枠はどこまで拡大しますか?

A. 受入企業(実習実施者)と監理団体の双方が優良認定を受けた場合、1号実習生は基本人数枠の2倍、2号は4倍、3号は6倍まで受入可能となります。

常勤職員100人の企業で基本人数枠が6人の場合、1号12人・2号24人・3号36人まで拡大します。

認定基準は実習の成果、法令遵守、生活支援体制、失踪率などを総合評価したポイント制で判定されます。

Q. 介護分野の人数枠を超えて採用したい場合はどうすればよいですか?

A. 介護分野では事業所ごとの日本人等の常勤介護職員総数が上限となるため、日本人介護職員を増員するほかありません。

複数の事業所を運営する法人であれば、事業所ごとに枠を計算できるため、配置先を分散することで採用可能人数を確保できます。

本社一括ではなく事業所単位で管理する点に注意が必要です。

Q. 育成就労制度が始まると人数枠はどう変わりますか?

A. 2027年4月施行予定の育成就労制度では、最初の2年間の全国上限が約42.6万人とする案が示されており、分野ごとの受入見込数が定められます。

企業単位の人数枠については、技能実習のような基本人数枠の仕組みを維持しつつ、特定技能への円滑な移行を支援する運用が検討されています。

詳細は2025〜2026年に政省令・運用要領で順次明確化される予定で、出入国在留管理庁の公式サイトで最新情報を確認することが推奨されます。

参考資料

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