用語集 特定技能関連

特定在留カードとくていざいりゅうかーど

特定在留カードとは、在留カードとマイナンバーカードの2つの機能を1枚に統合した新しい身分証カードです。

出入国在留管理庁が交付する在留カードを基本としつつ、マイナンバーカードのICチップ機能(電子証明書・公的個人認証)も同一カードに搭載することで、外国人住民の生活上の利便性向上と行政運営の効率化を図る制度です。

運用開始日は2026年(令和8年)6月14日で、翌開庁日の6月15日(月)から地方出入国在留管理局で交付申請が始まります。

2025年6月末時点で在留外国人は約395万人に達し、行政手続のデジタル化が急務となるなか、外国人住民にも日本人と同水準のデジタル行政サービスを提供する基盤として整備されました。

2027年4月1日施行予定の育成就労制度との連動も視野に入っており、長期在留外国人の生活基盤を強化する重要な制度改正と位置づけられます。

制度の背景と目的

従来、外国人住民は「在留カード」と「マイナンバーカード」の2枚を別々に保有・管理する必要がありました。

在留カードは出入国在留管理庁、マイナンバーカードは住所地の市区町村が交付主体となるため、住所変更・氏名変更・カード更新のたびに二重の手続きが発生する非効率がありました。在留カードの記載事項を変更すると、マイナンバーカードも別途市区町村窓口で更新する必要があり、外国人住民・自治体・行政の負担が大きい状態が続いていました。

特定在留カードはこの二重手続を解消し、出入国在留管理局で1度の手続を行えば、市区町村でのマイナンバーカード関連手続が不要になるよう設計されています。

出入国在留管理庁「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」が掲げる「行政手続のオンライン化」「外国人にも利用しやすい行政サービス」の具体化として、2026年6月から本格運用に入ります。

交付対象と取得の任意性

交付対象者

特定在留カードの交付対象は、住民基本台帳に記録されている中長期在留者または特別永住者です。永住者・定住者・技人国・特定技能・育成就労・留学・家族滞在など、中長期の在留資格をもち、市区町村に住民登録している外国人が広く対象となります。3か月以下の短期滞在者や、住民登録のない外国人は対象外です。

取得は任意

特定在留カードの取得は任意であり、義務ではありません。マイナンバーカード自体の取得が任意であることに連動した運用です。希望者は申請して交付を受け、希望しない場合は従来通り在留カードとマイナンバーカードを別々に保有し続けることもできます。

特別永住者向けの「特定特別永住者証明書」

特別永住者については「特定特別永住者証明書」という名称で、同様にマイナンバーカード機能と一体化したカードが交付されます。両者を総称して「特定在留カード等」と呼ばれます。

主な機能

項目内容
身分証明在留カードと同等の公的身分証としての機能
マイナンバー機能個人番号(マイナンバー)の確認、本人確認書類として利用可能
公的個人認証署名用電子証明書・利用者証明用電子証明書を搭載
e-Tax確定申告などの国税電子申告に利用可能
コンビニ交付住民票・印鑑証明・戸籍関係証明書(一部)の取得
マイナポータル行政手続のオンライン申請、給付金申請等に利用
健康保険証機能マイナ保険証として医療機関で利用可能

特定在留カードは、従来の在留カードのすべての機能に加えて、マイナンバーカードがもつデジタル行政サービスへのアクセス機能を一体化しています。外国人住民が日本人と同じデジタル行政の恩恵を受けられる基盤として設計されています。

申請方法

申請場所

特定在留カードの交付申請は、住居地を管轄する地方出入国在留管理局で行います。市区町村窓口ではなく、出入国在留管理局が交付主体である点が従来のマイナンバーカード(市区町村交付)と異なります。

申請のタイミング

特定在留カードの交付申請は、以下の手続と併せて行うことが可能です。これらの手続き時に追加申請する形で進められます。

  • 在留期間更新許可申請
  • 在留資格変更許可申請
  • 永住許可申請
  • 在留カードの有効期間の更新許可申請
  • 汚損等による在留カードの再交付申請
  • 交換希望による在留カードの再交付申請
  • 住居地以外の在留カード記載事項の変更届出

必要書類

必要書類は、(1)特定在留カード等交付申請書、(2)暗証番号等設定依頼書、(3)写真1葉の3点です。在留関係の手続書類と一緒に提出します。在留資格変更・永住申請などのメインの手続書類は別途必要となります。

暗証番号の設定

申請時に、マイナンバーカードと同様の暗証番号を設定します。利用者証明用電子証明書(4桁数字)と署名用電子証明書(英大文字含む6〜16桁)の2種類です。設定した暗証番号はe-Tax・コンビニ交付・マイナポータルなどの利用時に必要となります。

特定在留カード導入のメリット

手続の一元化

在留期間更新などの際に特定在留カードの交付を受ければ、市区町村でのマイナンバーカード更新手続が不要になります。住所変更・氏名変更などの記載事項変更時も、出入国在留管理局での手続だけで両カードの情報が更新されます。

財布・持ち物の軽量化

2枚必要だったカードが1枚にまとまるため、紛失リスクの低減、携行負担の軽減につながります。在留カードは常時携行義務があるため、マイナンバーカードと別管理する手間が解消されます。

デジタル行政サービスへの即時アクセス

特定在留カードの交付と同時に、マイナポータル・e-Tax・コンビニ交付サービス・マイナ保険証などのデジタル行政サービスにアクセスできるようになります。マイナンバーカードを別途取得する手続を踏む必要がなくなります。

注意点

取得は任意

特定在留カードの取得は強制ではありません。マイナンバーカードを必要としない外国人は、従来通り在留カードのみを保有することができます。ただし、デジタル行政サービスを利用する場合は、特定在留カードまたは別途マイナンバーカードを取得する必要があります。

既存マイナンバーカードとの関係

既にマイナンバーカードを所持している外国人が特定在留カードを取得すると、既存のマイナンバーカードは原則として返納する必要があります。電子証明書の重複を避けるための運用です。

暗証番号管理の重要性

マイナンバーカード機能の暗証番号は本人だけが知る情報として厳格に管理する必要があります。第三者への教示は厳禁です。暗証番号を忘れた場合の再設定は、コンビニ等の端末でも可能になっています。

類似制度との違い

項目特定在留カード従来の在留カードマイナンバーカード
交付主体出入国在留管理庁出入国在留管理庁市区町村
身分証機能
マイナンバー機能×
電子証明書×
携帯義務あり(在留カードと同様)ありなし
運用開始2026年6月14日2012年7月9日2016年1月

特定在留カードは在留カードとマイナンバーカードの双方の機能を統合した制度で、外国人住民向けに最適化された設計です。日本人向けのマイナンバーカードに相当する機能を、在留カードという既存の枠組みに組み込んだ点が制度的特色です。

受入企業の対応

従業員への情報提供

外国人従業員に対し、特定在留カードの存在と利点を多言語・やさしい日本語で周知することが期待されます。特に在留期間更新の時期に当たる従業員には、申請の選択肢として情報提供することが望ましい対応です。

本人確認運用の整備

採用・在籍管理での本人確認において、従来の在留カードに加えて特定在留カードが提示されるケースが増えます。両カードのフォーマット・記載事項を確認する社内ガイドラインを整備しておくと、人事手続のミスを防げます。

年末調整・社会保険手続への影響

マイナンバー機能が一体化されたことで、年末調整・社会保険手続でのマイナンバー収集が在留カードと同時に行えるようになります。マイナンバーの取扱いは番号法に基づく厳格な管理が必要で、特定在留カードでも同様の管理ルールが適用されます。

よくある質問

Q. 特定在留カードはいつから取得できますか?

A. 2026年6月14日から運用開始で、翌開庁日の6月15日(月)から地方出入国在留管理局で交付申請を受け付けます。

運用開始時点で既に在留カードをもっている外国人は、次回の在留期間更新・在留資格変更などの機会に併せて申請できます。

急ぎ取得したい場合は、在留カードの有効期間の更新許可申請に併せて申請する方法もあります。

Q. 既にマイナンバーカードを持っている場合はどうなりますか?

A. 特定在留カードを取得すると、既存のマイナンバーカードは原則として返納する必要があります。電子証明書の重複を避けるためです。

マイナンバーカードと特定在留カードを同時に保有することはできません。どちらか一方を選択する形になります。

マイナンバーカードのまま使い続けることも可能で、その場合は従来通り在留カードを別途携帯することになります。

Q. 特定在留カードはどんな外国人が取得できますか?

A. 住民基本台帳に記録されている中長期在留者または特別永住者が対象です。3か月以下の短期滞在者は対象外です。

具体的には、永住者・定住者・日本人配偶者・技人国・特定技能・育成就労・留学・家族滞在・経営管理など、中長期在留資格をもつ外国人が広く対象になります。

住民登録のない外国人(短期滞在・在留資格なし)は申請できません。

Q. 申請手数料はかかりますか?

A. 特定在留カードの交付手数料については、出入国在留管理庁の公式情報を確認する必要があります。

従来の在留カード再交付申請(汚損等)は1,600円、有効期間更新申請は1,600円が標準的な手数料です。マイナンバーカード機能の追加に伴う費用負担の有無も含めて、運用開始時に公式案内が出される予定です。

申請を予定している外国人は、申請前に必ず最新の公式情報を確認することが推奨されます。

Q. 育成就労制度との関係は?

A. 育成就労制度(2027年4月1日施行予定)で来日する外国人材も、住民登録後に特定在留カードの交付を申請できます。

育成就労は3年の育成期間中に特定技能・永住へとつながる長期キャリアパスを前提とした制度であり、デジタル行政サービスへのアクセスが日本生活の質を左右します。早期に特定在留カードを取得することで、住民税・年金・確定申告などの手続がオンラインで完結できます。

受入企業・監理支援機関は、入国直後の在留カード受領時に特定在留カードの選択を促す情報提供をすることで、本人の生活立ち上げを円滑にできます。

参考資料

用語集
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