物流倉庫分野(特定技能)とは?
物流倉庫分野(特定技能)とは、在留資格「特定技能」の対象となる19分野の一つで、日本の物流倉庫業における人材不足に対応するための分野です。2026年1月23日の閣議決定で新たに追加された3分野の一つで、所管省庁は国土交通省です。
業務区分は「物流倉庫」の1つで、倉庫内で行われる貨物の入出庫、保管その他の倉庫内各種作業が対象です。受入れ見込数は令和8年度から3年間で1万1,400人(特定技能1号)と設定されています。
技能評価試験の開始時期と分野別協議会の加入受付開始時期は、2026年9月21日時点で公表されていません。
受入れの条件・手続きの詳しい解説は、物流倉庫分野の特定技能のページをご覧ください。対象となる事業者の3類型、倉庫管理システムの要件、協議会、評価試験と日本語要件、いま準備できることをまとめています。
物流倉庫は、2026年に追加されて19分野になった特定技能の対象分野の一つです。19分野の一覧と、分野ごとの受入れ可否は、特定技能制度のページにまとめています。
制度の背景
物流倉庫分野の特定技能は、EC市場の拡大にともなう保管需要の増加を背景に、2026年1月の閣議決定で新たに追加されました。
分野別運用方針によると、令和10年度には5万5,100人程度の人手不足が見込まれています。倉庫管理システム等の活用による生産性向上(令和10年度までに2万300人程度)や、女性・高齢者の起用による国内人材の確保(同1万6,500人程度)を行ってもなお不足すると見込まれ、分野全体で1万8,300人の受入れ見込数が設定されました。
この分野の特徴は、受入れ企業に入庫管理・在庫管理・出庫管理の機能を持つ情報システムの利活用が求められることです。単に人手を補うのではなく、倉庫業の生産性向上とあわせて外国人材を受け入れる制度設計になっています。
主な種類と要件
① 従事できる業務
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業務区分 | 物流倉庫(1区分のみ) |
| 従事する業務 | 物流倉庫において、倉庫内で行われる貨物の入出庫、保管その他の倉庫内各種作業 |
| 主な業務の例 | 入出庫貨物の受渡し・検品、貨物の移動、保管庫への格納、ピッキング、流通加工 など(国土交通省) |
| 関連業務 | 事務所への連絡や報告、作業場所の整理整頓や清掃、台風等の接近に備えた貨物の移動や雨水侵入防止措置、職場で開催される会議体への参加 |
| 従事できない業務 | 包装されていない食品に直接触れる業務 |
業務は倉庫内の作業に限られます。関連業務に付随的に従事することは差し支えありませんが、関連業務だけに従事させることは認められません。
② 外国人本人に求められる要件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 技能水準 | 物流倉庫分野特定技能1号評価試験に合格すること |
| 日本語能力水準 | 「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上(JFT-Basic A2.2相当以上、またはJLPT N4以上) |
| 試験の開始時期 | 2026年9月21日時点で調整中・未定(国土交通省) |
| 特定技能2号 | この分野に2号はありません |
③ 受入れ企業に求められる要件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業者の類型 | ①倉庫業者 ②その委託を受けて倉庫作業を行う会社 ③貨物自動車運送事業者 のいずれか |
| システムの利活用 | 入庫管理・在庫管理・出庫管理の機能を持つ情報システムを利活用すること(所有は不要)。利活用の状況は協議会に加入した日から1年以内に協議会へ報告 |
| 協議会 | 物流倉庫分野特定技能協議会の構成員であること。加入は在留諸申請を行う前に済ませる必要があります |
| 雇用形態 | 直接雇用のみ(派遣不可) |
事業者の類型と各要件の詳細は、物流倉庫分野の特定技能で解説しています。
よくある質問
Q. いつから受入れが始まりますか?
A. 2026年9月21日時点で、開始時期は公表されていません。分野別運用方針(2026年1月23日 閣議決定)、上乗せ基準告示(2026年6月26日 公布)、運用要領別冊(2026年9月18日 公表)は出そろっていますが、技能評価試験の開始時期と協議会の加入受付開始時期は調整中です。国土交通省の発表をご確認ください。
なお、2027年4月1日から始まるのは育成就労制度であり、特定技能の受入れ開始時期とは別のものです。
Q. 在庫管理システム(WMS)の導入は必須ですか?
A. 必須なのは「導入」ではなく「利活用」です。国土交通省は、受入れ機関自身がシステムを所有していなくてもよく、特定技能外国人が就業する事業所でそのシステムが使える状態にあればよい、としています。また、倉庫管理システムと銘打って製品化されていないものでも、入庫管理・在庫管理・出庫管理の3つの機能が満たされていれば認められます。
参考資料
| 資料 | 発行 | 公開・更新 | 確認日 |
|---|---|---|---|
| 物流倉庫分野における特定技能外国人・育成就労外国人の受入れについて | 国土交通省 | 令和8(2026)年9月時点 | 2026-09-21 |
| 分野別運用方針(物流倉庫分野) | 法務大臣・国土交通大臣ほか | 令和8年1月23日 閣議決定 | 2026-09-21 |
| 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領―物流倉庫分野の基準について― | 法務省・国土交通省 | 令和8年9月18日 公表 | 2026-09-21 |
| 上乗せ基準告示(特定技能・令和8年国土交通省告示第787号) | 国土交通省 | 令和8年6月26日 公布 | 2026-09-21 |