用語集 特定技能関連

受入れ計画書うけいれけいかくしょ

受入れ計画書とは?

受入れ計画書とは、特定技能制度の建設分野で外国人を雇用する際に、受入企業が国土交通大臣へ提出して認定を受ける必要がある計画書のことで、正式名称は「建設特定技能受入計画」といいます。

建設分野は特定技能16分野の中で唯一、在留資格の申請に先立って所管大臣の個別認定を要求する分野であり、建設業法に基づく許可、建設キャリアアップシステム(CCUS)登録、月給制での給与支払いなど、独自の要件を満たすことが求められます。

受入れ計画書の認定を受けないまま在留資格認定証明書交付申請や変更申請を行っても受理されず、建設分野での特定技能外国人雇用は事実上できません。

認定申請は外国人就労管理システム(オンライン)から行い、審査は国土交通省(地方整備局)が担当します。認定後も計画内容に変更がある場合は変更申請または変更届出が必要です。

必要になる場面

受入れ計画書の認定は、建設分野で特定技能外国人を新規に雇用する時、雇用条件を変更する時、受入企業の体制が変わる時などに必要となります。

認定がなければ在留資格申請に進めないため、採用計画の初期段階で着手することが必須です。

建設分野で特定技能1号・2号を新規雇用する場合

海外から新たに呼び寄せる場合も、国内在住者(留学生・技能実習修了者等)を特定技能に切り替える場合も、雇用契約締結後・在留資格申請前に受入れ計画の認定が必要です。技能実習2号修了者の場合は在留期間満了の6ヶ月前から申請できます。

雇用契約の重要事項を変更する場合

賃金・業務区分・就業場所・労働時間など雇用の根幹に関わる事項を変更する場合は「変更申請」が必要で、認定までに約1ヶ月の審査期間を要します。

軽微な変更が生じた場合

受入企業の商号変更、代表者変更、就業責任者変更など軽微な事項は「変更届出」のみで、送信と同時に受理されます(審査なし)。

特定技能2号への移行時

特定技能1号から2号へ在留資格変更する際も、改めて受入れ計画の認定が必要です。2024年以降の業務区分再編により、対象業務の整理にも注意が必要です。

申請・取得の手順

申請は国土交通省の「外国人就労管理システム」からオンラインで行います。紙での提出は認められていません。

受入企業自ら申請する方法と、行政書士に委託する方法がありますが、添付書類が16点程度と多岐にわたるため、初めての申請では専門家の支援を受けるケースが一般的です。

  1. 前提要件を満たす。建設業法3条に基づく建設業許可の取得、社会保険への加入、建設キャリアアップシステム(CCUS)への事業者登録、JAC(建設技能人材機構)への加入を完了させます。JAC加入は建設分野での受入企業すべてに義務付けられており、特定技能外国人1人当たり月額12,500円の受入負担金が発生します。
  2. 雇用契約書・雇用条件書を整備する。月給制による安定的な給与支払い、同等の技能を有する日本人と同等以上の報酬水準、技能習得に応じた昇給の仕組みを含めます。時間給制の運用は認められません。
  3. 必要書類を揃える。建設業許可証、JAC会員証明書、社会保険被保険者標準報酬決定通知書、ハローワーク求人票(1年以内)、同等報酬の説明書、特定技能雇用契約書・雇用条件書、時間外労働・休日労働に関する協定届、雇用契約に係る重要事項説明書、建設キャリアアップシステムカードの写しなど、合計16点程度の書類が必要です。
  4. 外国人就労管理システムから申請を送信する。申請後、地方整備局の建設産業課による審査が行われ、標準的には1〜2ヶ月程度で認定証が発行されます。追加資料の提出を求められるケースも多いため、早めの申請が推奨されます。
  5. 認定取得後、在留資格認定証明書交付申請または変更申請へ進む。出入国在留管理庁への申請時に受入れ計画認定証を添付し、許可を受けて就労開始となります。就労開始後は雇用管理・支援の実施、適正就労管理機関の現場指導受入、技能向上に向けた教育訓練が継続的に求められます。

注意点・よくある失敗

建設分野の受入れ計画は、他分野の特定技能や技能実習と比べて要件が格段に厳しく、準備不足による不認定・差し戻しが多発しています。

月給制・CCUS・JAC加入はすべて必須要件であり、後から整えることができないため、採用決定前から計画的な準備が不可欠です。

月給制への移行が間に合わない

建設業界では日給月給制が一般的ですが、特定技能外国人に対しては「月給制(月当たり固定された基本給)」での安定的な支払いが必須です。日給月給のまま雇用契約を結ぶと不認定となるため、社内の給与体系を見直す必要があります。

CCUS登録の遅れ

建設キャリアアップシステムは受入企業(事業者登録)と外国人(技能者登録)の両方の登録が必要です。特に外国人本人の登録には在留カードやパスポートの情報が必要で、来日前の準備と連携が求められます。

JAC加入と受入負担金

JAC加入費(正会員・賛助会員で異なる)と受入負担金(1人月額12,500円)は固定コストとなります。コスト計算を雇用計画に組み込まないと、採算が合わなくなるケースがあります。加入しないと受入計画が認定されません。

同等報酬・昇給の立証不足

同等の技能を有する日本人と同等以上の報酬であることを賃金規程・給与台帳で立証する必要があります。抽象的な説明ではなく、同職種・同経験年数の日本人社員の具体的な給与水準との比較を求められます。

変更手続きの漏れ

雇用条件や体制が変わった時に、変更申請または変更届出を失念するケースが頻発しています。変更届出は送信と同時に受理されますが、変更申請は審査に約1ヶ月要するため、変更発生時期から逆算して早めに着手してください。

類似書類との違い

外国人の受入に関する「計画書」には類似のものが複数あり、対象分野・提出先が異なります。用語が似ているため、制度を横断して理解することが重要です。

書類名対象提出先・認定者
建設特定技能受入計画(受入れ計画書)特定技能1号・2号建設分野国土交通大臣(地方整備局)
造船・舶用工業分野事業者認定造船・舶用工業分野の特定技能国土交通大臣(海事局)
1号特定技能外国人支援計画特定技能1号(全分野)出入国在留管理庁
技能実習計画技能実習生(1〜3号)外国人技能実習機構(OTIT)
育成就労計画(2027年4月〜)育成就労外国人外国人育成就労機構(仮称)

建設特定技能受入計画は、分野固有の雇用環境・就労管理の適正を担保するために設けられた国土交通大臣認定であり、出入国在留管理庁への在留資格申請とは別手続きとなる点が特徴です。

支援計画書は特定技能1号全分野で必要ですが、建設分野では「支援計画」と「受入れ計画」の両方が必要になります。

よくある質問

Q. 受入れ計画書の認定まで何日かかりますか?

A. 標準的には1〜2ヶ月程度ですが、書類不備・追加資料要求があるとさらに延びます。

建設特定技能受入計画の認定がなければ、出入国在留管理庁への在留資格申請(認定証明書・変更・更新)に進めないため、採用の全体スケジュールは計画認定の時間を見込む必要があります。

特に技能実習2号修了予定者を特定技能に切り替える場合は、実習修了予定の6ヶ月前から受入計画の認定申請が可能です。

Q. JAC加入は必須ですか?他団体でも代替できますか?

A. JAC(一般社団法人建設技能人材機構)への加入は建設分野の受入企業全社に義務付けられており、代替団体はありません。

加入経路として、①JAC正会員、②JAC賛助会員(建設業者団体経由)、③特定技能外国人受入事業実施法人(JAC)直接加入の3パターンがあり、業種特有の団体(鉄筋工事業協会など)を通じて賛助会員となる方法が一般的です。

加入しない状態で受入計画を申請しても認定されません。

Q. 月給制ではなく日給月給でも認定される可能性はありますか?

A. 建設分野では「月給制による安定的な給与支払い」が明確な認定要件となっており、日給月給のままでは認定されません。

日によって変動する給与体系は、特定技能外国人を呼び寄せる前に月給制へ切り替える必要があります。

日本人社員の給与体系とは別に、外国人向けの給与規程を整備するケースも実務上は見られます。

Q. 受入負担金はどのように支払いますか?

A. JACが定める受入負担金は特定技能外国人1人当たり月額12,500円で、JACへ直接または加入団体経由で毎月支払います。

この費用は受入企業が負担する性格のもので、特定技能外国人本人から徴収することはできません。

JACは受入負担金を原資として、外国人からの相談対応、巡回指導、労務支援などの業務を運営しています。

Q. 認定後に雇用条件を変更する場合はどうすればよいですか?

A. 外国人就労管理システムから「変更申請」または「変更届出」を行います。雇用の根幹に関わる事項(賃金・業務区分・就業場所等)の変更は変更申請となり、審査に約1ヶ月を要します。

軽微な事項(代表者氏名・商号等)は変更届出で、送信と同時に受理されます。

無届けで変更を継続すると、認定取消・出入国在留管理庁への通報など重大な処分につながるため、変更発生時は速やかに手続きを進めてください。

参考資料

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