用語集 雇用・労務関連

国民年金(外国人加入)こくみんねんきんがいこくじん

国民年金(外国人加入)とは?

国民年金(外国人加入)とは、国民年金法に基づき、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者(国籍を問わず)が加入義務を負う公的年金制度です。

住民登録があれば外国人にも加入義務が発生します。被保険者区分は第1号被保険者(自営業者・学生・無職等)、第2号被保険者(厚生年金加入者)、第3号被保険者(第2号被保険者の被扶養配偶者)の3種類があります。

第1号被保険者の保険料は、令和7年度(2025年4月〜2026年3月)月額17,510円(前年度比530円増)です。厚生年金加入者は第2号被保険者として自動加入扱いとなり、国民年金保険料相当分は厚生年金保険料に含まれます。

短期滞在外国人向けの脱退一時金制度では、2026年4月1日施行で支給上限月数が現行60か月(5年)から96か月(8年)に引き上げられます(2025年6月成立の年金制度改正法)。日本は2025年12月のオーストリア協定発効で24か国と社会保障協定を締結しています。

制度の背景

国民年金法に基づき、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者は国籍を問わず加入対象です。外国人住民にもマイナンバーが付番される住民登録時点で加入義務が発生します。

第1号被保険者として加入する場合は市区町村役場で14日以内に届出、第2号被保険者(厚生年金加入者)は勤務先経由で自動加入となります。

外国人住民向けには多言語版の制度案内も提供されています。社会保障協定締結国の国民は二重加入防止と年金期間通算の制度を活用できるため、自国の年金制度との関係を踏まえた手続きが重要です。

主な内容と要件

① 被保険者区分

区分対象
第1号被保険者自営業者・学生・無職・フリーランス等
第2号被保険者厚生年金加入者(事業所被用者)
第3号被保険者第2号被保険者の被扶養配偶者

特定技能・育成就労外国人は通常フルタイム雇用のため厚生年金加入の第2号被保険者となります。家族滞在の配偶者・子は第3号被保険者または第1号被保険者として加入します。

② 保険料(令和7年度)

項目内容
第1号被保険者の保険料令和7年度月額17,510円(前年度比530円増)
第2号被保険者厚生年金保険料に含まれる(労使折半)
第3号被保険者保険料負担なし(第2号被保険者制度全体で負担)
学生納付特例制度在学中の保険料納付を猶予(所得基準あり)
免除・猶予制度所得に応じて全額・3/4・半額・1/4免除
追納制度10年以内であれば後納可能

第1号被保険者の保険料は毎年度4月から改定されます。経済的困難な外国人留学生等は学生納付特例制度・免除猶予制度を活用できます。

③ 脱退一時金(2026年4月改正)

項目内容
対象日本国籍を持たない者で被保険者期間6か月以上
請求期限出国後2年以内
支給上限(現行)60か月(5年)
支給上限(2026年4月〜)96か月(8年)に拡大
2025年6月成立法年金制度改正法
再入国許可期間内2026年4月以降は請求不可

育成就労3年+特定技能1号5年=計8年の就労期間をカバーする趣旨で、2026年4月1日から支給上限月数が大幅に拡大されます。長期就労者の還付額が増加します。

立場別の実務ポイント

受入機関の加入手続き

特定技能・育成就労外国人を雇用した日から5日以内に「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を年金事務所へ提出します。第2号被保険者として国民年金にも自動加入扱いとなります。家族滞在の配偶者・子は別途第3号被保険者または第1号被保険者の手続きが必要です。

社会保障協定の活用

2025年12月オーストリア発効で24か国と協定締結です。協定国出身者で派遣期間5年以内の場合は母国制度のみへの加入が認められます。受入機関は本人の出身国・派遣期間に応じた対応を検討する必要があります。

脱退一時金の案内

技能実習・特定技能・育成就労外国人の帰国時には脱退一時金の請求権について本人に案内することが重要です。2026年4月から支給月数上限が8年に拡大されるため、長期在留者の還付額が大幅に増加します。出国後2年以内の請求期限に注意が必要です。

2027年6月のビザ更新審査連携

2027年6月開始予定で、国民年金保険料の滞納情報が出入国在留管理庁と共有され、在留資格更新・変更審査に反映される制度が予定されています(2026年度システム改修実施)。受入機関は外国人材の保険料納付状況の確認・案内が重要となります。

類似制度との比較

項目国民年金厚生年金共済年金(廃止)
対象20〜59歳の自営業者・無職等適用事業所の労働者公務員(2015年10月厚生年金統合)
保険料率(2025年度)月額17,510円18.300%(労使折半)
給付1階部分(基礎年金)2階部分(基礎年金+報酬比例)
外国人加入住所要件で義務適用事業所で働けば義務
脱退一時金あり(外国人)あり(外国人)

国民年金は1階部分(基礎年金)、厚生年金は2階部分(基礎年金+報酬比例部分)として運用されます。特定技能・育成就労外国人は厚生年金加入により自動的に国民年金にも加入する仕組みです。

よくある質問

Q. 外国人にも国民年金は適用されますか?

A. はい、住民登録があれば20歳以上60歳未満の外国人にも加入義務があります。国籍を問わず適用されます。

特定技能・育成就労等のフルタイム就労者は厚生年金加入により第2号被保険者として自動加入扱いとなります。留学生・家族滞在者等は第1号または第3号被保険者として加入します。

Q. 2026年4月の脱退一時金改正で何が変わりますか?

A. 支給上限月数が現行60か月(5年)から96か月(8年)に拡大されます。育成就労3年+特定技能1号5年=計8年の就労期間をカバーする趣旨です。

長期在留者の還付額が大幅に増加します。再入国許可期間内は請求不可となる点にも注意が必要です。

Q. 社会保障協定の活用方法は?

A. 2025年12月のオーストリア発効で24か国と協定締結です。協定国出身者で派遣期間5年以内の場合は母国制度のみへの加入が認められます。

本国の社会保険機関で適用証明書を取得し、日本での加入義務免除を申請します。脱退一時金を受け取った期間は通算対象から外れる点に注意が必要です。

Q. 学生は保険料免除されますか?

A. 学生納付特例制度により在学中の保険料納付が猶予されます。前年所得128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等が基準です。

対象は大学・短大・高専・専修学校等です。猶予期間中の保険料は10年以内に追納可能です。外国人留学生も活用できます。

参考資料

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