用語集 雇用・労務関連

出産・育児休業制度しゅっさん・いくじきゅうぎょうせいど

出産・育児休業制度とは?

出産・育児休業制度とは、労働基準法第65条に基づく産前産後休業(産前6週・産後8週)と、育児・介護休業法に基づく育児休業(原則子が1歳に達する日まで・最長2歳)を中心とした、出産・育児期の労働者を保護する制度の総称です。

2022年10月施行の出生時育児休業(産後パパ育休)では、子の出生後8週間以内に最大4週間(28日)を2回に分割して取得可能となり、男性の育児参加が促進されています。

2025年4月施行の改正育介法により大幅な拡充が行われました。出生後休業支援給付金(13%)育児時短就業給付金(10%)が新設され、夫婦ともに14日以上の育休取得で実質80%(手取り10割相当)の所得保障が実現しました。

2025年10月施行では、3歳〜小学校就学前の子を養育する労働者への柔軟な働き方を実現するための措置(5つから2つ以上の選択制)が義務化されました。外国人労働者にも国籍を問わず適用されますが、雇用保険加入が育児休業給付金受給の条件です。

制度の背景

労働基準法第65条は、産前6週間(多胎14週間)・産後8週間の産前産後休業を定めています。産後6週間経過後は本人請求かつ医師が認めた業務に就業可能です。育児・介護休業法は育児休業を原則子が1歳に達する日まで(パパ・ママ育休プラスで1歳2か月、保育所未入所等で1歳6か月、最長2歳まで延長可)規定しています。

出産・育児期の所得保障は雇用保険法に基づく育児休業給付金で実現されています。給付率は最初6か月67%、その後50%が基本ですが、2025年4月から新給付の追加で実質的な給付水準が大幅に向上しました。少子化対策・男性育児参加促進・女性のキャリア継続支援を統合的に推進する制度設計です。

主な内容と要件

① 産前産後休業(労基法65条)

項目内容
産前休業6週間(多胎14週間)/本人請求により
産後休業8週間/強制休業(本人請求不要)
産後6週経過後本人請求かつ医師が認めた業務は就業可能
賃金原則無給(健康保険から出産手当金)
解雇制限産前産後休業中および復帰後30日間の解雇禁止

産前産後休業は労基法65条の強行法規で、外国人労働者にも国籍を問わず適用されます。健康保険からの出産手当金(標準報酬日額の3分の2相当)も同様に支給されます。

② 育児休業

項目内容
育児休業(原則)子が1歳に達する日まで
パパ・ママ育休プラス夫婦同時取得で1歳2か月まで
保育所未入所等1歳6か月、最長2歳まで延長可
出生時育児休業(産後パパ育休)子の出生後8週間以内に最大4週間(28日)/2回分割可
育児休業給付金休業前賃金の67%(180日まで)/その後50%

2022年10月施行の産後パパ育休により、男性の育児参加が大幅に促進されました。育児休業給付金は雇用保険から支給されるため、雇用保険加入が条件です。

③ 2025年4月施行の改正

項目内容
出生後休業支援給付金夫婦ともに14日以上育休取得で休業前賃金の13%/最大28日/既存67%と合算で実質80%
育児時短就業給付金2歳未満児養育時の時短勤務中の賃金の10%/給付金と賃金合計が時短前を超えないよう調整
子の看護休暇見直し対象を小学校3年修了まで拡大/入学式・学級閉鎖等にも使用可
3歳未満児テレワーク導入が努力義務化
2025年10月施行3歳〜小学校就学前 柔軟な働き方を実現する措置5つから2つ以上の選択制義務化

2025年4月の改正により、男性育休取得の経済的インセンティブが大幅に強化されました。実質80%の所得保障で育休取得のハードルが大きく下がっています。

立場別の実務ポイント

受入機関の体制整備

育児・介護休業規程の整備、育休取得促進のための社内制度設計、代替要員の確保、男性育休促進の社内文化醸成等が重要です。2025年4月・10月の改正に対応した規程改定も必要です。

外国人労働者への適用

労基法・育介法は国籍を問わず適用されるため、外国人労働者にも産前産後休業・育児休業が認められます。日本人と同様の取扱いが必要です。多言語での制度説明、母国の慣習への配慮等が定着支援に貢献します。

健康保険被扶養者の取扱い

外国人労働者の出産・育児では健康保険被扶養者(配偶者・子)の取扱いに注意が必要です。2020年4月以降、原則として日本国内居住要件があります。海外居住の場合は留学・赴任同行・観光等の「海外特例要件」該当者のみ例外です。在留期間1年以上等の要件確認も必要です。

特定技能・育成就労での適用

特定技能・育成就労外国人にも産前産後休業・育児休業が適用されます。ただし家族帯同が原則不可のため(特定技能2号は可)、配偶者・子が日本国内に居住しないケースも多く、健康保険被扶養者として認定されない場合があります。

類似制度との比較

項目産前産後休業育児休業産後パパ育休介護休業
根拠法令労基法65条育介法育介法育介法
対象女性労働者男女労働者男性労働者家族介護者
期間産前6週・産後8週原則1歳まで出生後8週以内に最大4週通算93日
給付出産手当金(健保)育休給付67%/50%同左67%介護休業給付67%
賃金原則無給原則無給原則無給原則無給

各種休業制度はそれぞれ別の根拠法令・対象・期間・給付があります。受入機関は外国人労働者の家族構成・在留資格に応じた制度説明と運用が重要です。

よくある質問

Q. 外国人労働者にも育児休業は適用されますか?

A. はい、労基法・育介法は国籍を問わず適用されます。雇用保険加入があれば育児休業給付金も受給可能です。

特定技能・育成就労外国人にも適用されますが、家族帯同が原則不可のため配偶者・子が日本国内にいないケースが多く、実務的な運用で個別確認が必要です。

Q. 2025年4月の改正で何が変わりましたか?

A. 出生後休業支援給付金(13%)と育児時短就業給付金(10%)が新設されました。夫婦ともに14日以上育休取得で実質80%の所得保障が実現しています。

子の看護休暇の対象が小学校3年修了まで拡大、3歳未満児テレワーク導入が努力義務化される等、男性育児参加・女性のキャリア継続支援が大幅に強化されました。

Q. 産後パパ育休とは何ですか?

A. 2022年10月施行の出生時育児休業で、子の出生後8週間以内に最大4週間(28日)を2回分割して取得可能な制度です。

給付率は休業前賃金の67%です。男性の育児参加促進が目的で、通常の育児休業と組み合わせて柔軟に活用できます。

Q. 海外居住の家族は被扶養者になれますか?

A. 2020年4月以降、原則として日本国内居住要件があります。海外居住の場合は留学・赴任同行・観光等の海外特例要件該当者のみ例外です。

特定技能・育成就労は家族帯同が原則不可のため、本国の家族を被扶養者として認定することは困難です。詳細は健康保険組合・全国健康保険協会への確認が推奨されます。

参考資料

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