外国人雇用状況届出とは?
外国人雇用状況届出とは、事業主が外国人労働者の雇入れ・離職の都度、ハローワーク(公共職業安定所)へ届け出る義務がある制度です。
2007年(平成19年)10月1日に義務化された制度で、不法就労の防止と外国人労働者の雇用環境改善・再就職支援を目的としています。2020年(令和2年)3月から在留カード番号の記入が義務化されました。
対象は日本国籍を持たない労働者全般で、在留資格「外交」「公用」と特別永住者は対象外です。雇用保険被保険者の場合は資格取得届・喪失届で兼用、被保険者でない場合は様式第3号を使用します。違反した場合は、30万円以下の罰金が発生します。
2024年10月末時点の届出に基づく外国人労働者数は2,302,587人(前年比12.4%増、過去最高)で、ベトナム人が24.8%、中国人17.8%、フィリピン人10.7%と続きます。ハローワークインターネットサービスでの電子申請が24時間365日利用可能です。
必要になる場面
外国人の雇入れ時
新規雇用時に届出が必要です。雇用保険被保険者となる場合(週20時間以上・31日以上見込み)は雇用保険被保険者資格取得届で兼用、被保険者でない場合は様式第3号を使用します。在留資格・在留期間・国籍・在留カード番号等の正確な記載が必須です。
外国人の離職時
外国人労働者の退職・解雇時にも届出が必要です。雇用保険被保険者の場合は資格喪失届で兼用、被保険者でない場合は様式第3号で離職を届け出ます。被保険者と非被保険者で提出期限が異なる点に注意が必要です。
特定技能・育成就労での受入時
特定技能・技能実習・育成就労(2027年4月施行予定)の受入時にも本届出が必要です。在留資格特有の情報(特定技能1号・2号、育成就労等)を正確に記載します。
申請・取得の手順
- 雇入れ時に労働者から在留カードを確認し、氏名・国籍・在留資格・在留期間・在留カード番号等の必要情報を取得する。
- 雇用保険被保険者か否かを判定する(週20時間以上・31日以上雇用見込みで被保険者)。
- 雇用保険被保険者の場合は資格取得届に外国人雇用状況届出を兼用記載する。
- 被保険者でない場合は外国人雇用状況届出書(様式第3号)を作成する。
- 提出期限内(被保険者は翌月10日まで/非被保険者は翌月末日まで)にハローワークへ提出する。
- 提出方法は窓口持参・郵送・電子申請(ハローワークインターネットサービス)から選択。
注意点・よくある失敗
提出期限の混同
雇用保険被保険者と被保険者でない場合で提出期限が異なる点が注意ポイントです。被保険者の場合は翌月10日まで、被保険者でない場合は翌月末日までです。被保険者の場合の方が期限が短いため、社内届出フローでの期限管理が重要です。
特別永住者の対象外
特別永住者は本届出の対象外です。在日韓国・朝鮮人等の特別永住者は日本人と同様の扱いとなります。在留資格「外交」「公用」も対象外です。雇入れ時に対象範囲を確認することが重要です。
在留カード番号の正確な記載
2020年3月から在留カード番号の記入が義務化されました。在留カードを実物で確認し、12桁の番号を正確に記載する必要があります。記載漏れ・誤記は届出不備となります。
違反時の罰則
届出を怠った場合や虚偽届出を行った場合は30万円以下の罰金です。違反は労働者ごとに成立し得るため、複数の届出漏れは複数の罰金リスクとなります。社内で届出フローを定型化することが重要です。
類似書類との違い
| 項目 | 外国人雇用状況届出(雇保被保険者) | 外国人雇用状況届出書(様式第3号) | 特定技能・育成就労の届出 |
|---|---|---|---|
| 根拠法令 | 労働施策総合推進法28条 | 同左 | 入管法・育成就労法 |
| 提出先 | ハローワーク | ハローワーク | 出入国在留管理庁 |
| 対象 | 雇用保険被保険者の外国人 | 雇用保険被保険者でない外国人 | 特定技能・育成就労外国人 |
| 提出期限 | 翌月10日まで | 翌月末日まで | 14日以内(受入機関の届出) |
| 違反時罰則 | 30万円以下の罰金 | 同左 | 計画認定取消等 |
外国人雇用状況届出は労働法令に基づく届出ですが、特定技能・育成就労では入管法・育成就労法に基づく別の届出も必要となります。両方の届出義務を満たすことが重要です。
よくある質問
Q. 特別永住者は対象外ですか?
A. はい、特別永住者は対象外です。在留資格「外交」「公用」も対象外です。
在日韓国・朝鮮人等の特別永住者は日本人と同様の扱いとなり、本届出の対象範囲に含まれません。雇入れ時に対象範囲を確認することが重要です。
Q. 電子申請はどこでできますか?
A. ハローワークインターネットサービスから24時間365日電子申請可能です。
2025年1月版「外国人雇用状況届出システム操作マニュアル」が公開されており、操作手順を確認できます。電子申請には電子証明書(GビズID等)が必要です。
Q. 雇用保険被保険者の判定はどうしますか?
A. 週20時間以上の所定労働時間と31日以上の雇用見込みが要件です。両方を満たす場合に被保険者となります。
2028年10月から雇用保険の被保険者要件が週10時間以上に引下げ予定です。短時間労働の外国人も対象範囲が拡大する見込みです。
Q. 提出を忘れた場合はどうなりますか?
A. 速やかに届出を行います。期限超過は30万円以下の罰金の対象ですが、自主的な是正により処分が軽減される可能性があります。
ハローワークに事情を説明し、遅延理由を記載した上で提出します。再発防止策として社内届出フローの見直しが推奨されます。