用語集 雇用・労務関連

外国人向け社内報がいこくじんむけしゃないほう

外国人向け社内報とは?

外国人向け社内報とは、外国人社員に対して経営方針・労働条件・福利厚生・社内行事・安全衛生情報等を伝達するための社内コミュニケーションツールです。

多文化共生・定着率向上・離職防止の中核施策と位置づけられており、厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」でも適切な人事管理・教育訓練・福利厚生・苦情相談体制の重要性が強調されています。

厚生労働省は13言語対応の多言語用語集(英語・中国語簡繁・韓国語・ベトナム語・タガログ語・ネパール語・ポルトガル語・スペイン語・インドネシア語・カンボジア語・タイ語・ミャンマー語・モンゴル語)約420語を提供し、「やさしい日本語」での発信ガイド「外国人従業員とのコミュニケーションのコツ(コミュコツ)」(2024-2025年策定)も整備しています。

ビジネスチャット(Slack・Teams・LINE WORKS)と翻訳機能の組み合わせ、社内SNS、動画配信、紙の社内報の多言語版併用等の手法が広がっています。

具体的な意味・内容

主な内容(情報カテゴリ)

外国人向け社内報の主な内容は以下7カテゴリです。経営情報(経営方針・社長メッセージ)、労務情報(就業規則・勤怠ルール・賃金体系・有給休暇制度)、福利厚生(健康保険・年金・退職金・住居支援)、安全衛生(労災・KY活動・防災訓練・健康診断)、生活支援(相談窓口・銀行口座・送金・税務・ゴミ出し)、社内交流(日本人社員との交流イベント・文化研修)、メンタルヘルス(ストレスチェック・産業医面談・母国語相談窓口)。

多言語対応の実務

主要送出国の言語に対応した翻訳が必要です。厚生労働省の多言語用語集(約420語)は労働関係・社会保険関係用語を「やさしい日本語+多言語」で検索可能です。完全翻訳と要点翻訳を組み合わせ、経営方針等の重要メッセージは完全翻訳、日常情報は要点翻訳・やさしい日本語版で対応する方法が現実的です。

やさしい日本語での発信

コミュコツ」(厚労省2024-2025年策定)に基づき、漢字にルビを振る、専門用語を平易な語に置き換える、一文を短くする、二重否定を避ける等の原則で発信します。文化庁「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」とも連携した運用が推奨されます。

ICTツールの活用

ビジネスチャット(Slack・Teams・LINE WORKS)の翻訳機能、社内SNS、動画配信プラットフォーム、紙の社内報の多言語版を併用します。翻訳は機械翻訳(DeepL等)と人手レビューの併用が品質確保上推奨されます。Web社内報での双方向コミュニケーション(コメント・反応機能等)も定着支援に効果的です。

関連する制度・取組概要

項目内容
主目的多文化共生・定着率向上・離職防止
主な対象外国人社員・受入機関の管理職
厚労省指針外国人労働者の雇用管理の改善等に関する指針
多言語用語集13言語約420語(厚生労働省提供)
やさしい日本語ガイドコミュコツ(2024-2025年策定)
主な内容(7カテゴリ)経営情報/労務情報/福利厚生/安全衛生/生活支援/社内交流/メンタルヘルス
主な媒体ビジネスチャット/社内SNS/動画/紙
翻訳機械翻訳(DeepL等)+人手レビューが推奨
関連助成金人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)

実務上の注意点

対象言語の選定

受入機関の主要送出国に応じた言語選定が重要です。ベトナム・フィリピン・インドネシア・ミャンマー・ネパール等の主要送出国の言語版を優先的に整備します。複数国からの受入の場合、英語版+やさしい日本語版を共通言語として整備し、母国語版を段階的に拡充する方法が現実的です。

機械翻訳の限界

機械翻訳(DeepL・Google翻訳等)の品質は向上していますが、専門用語・労働法令・契約条件等の重要情報は人手レビューが必須です。誤訳・脱落・更新漏れがトラブルの原因となるため、専門翻訳者の活用や複数人によるチェック体制が推奨されます。

双方向コミュニケーション

一方向の情報伝達だけでなく、外国人社員からの質問・意見・要望を受け付ける双方向の仕組みも重要です。匿名相談窓口、定期的な面談、外国人社員座談会等の場を社内報と組み合わせて運用することで、定着率向上に貢献できます。

助成金の活用

就業規則の多言語化・苦情相談体制の整備等は人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)の対象です。社内報の多言語化に関連する取組も、外国人労働者の就労環境整備として助成対象となる場合があります。

関連用語との違い

項目外国人向け社内報就業規則の多言語化労働条件通知書
主目的社内コミュニケーション労働条件・服務規律の周知個別の労働条件明示
法的位置づけ努力義務(指針)労基法106条の周知義務労基法15条の明示義務
更新頻度定期発行(月次・週次等)変更時労働契約締結時・更新時
対象範囲外国人社員全般事業場の全労働者個別労働者
違反時-(指導の対象)30万円以下の罰金同左

外国人向け社内報は法的義務はないものの、定着支援・コンプライアンス確保の観点から重要な取組です。就業規則の多言語化・労働条件通知書とともに、外国人雇用管理の体系的整備が必要です。

よくある質問

Q. どんな言語に翻訳すべきですか?

A. 受入機関の主要送出国に応じた言語選定が基本です。ベトナム・フィリピン・インドネシア・ミャンマー・ネパール等の主要送出国の言語が中心となります。

複数国からの受入の場合、英語版+やさしい日本語版を共通言語として整備し、母国語版を段階的に拡充する方法が現実的です。厚労省13言語の多言語用語集を活用できます。

Q. 機械翻訳でも問題ありませんか?

A. 機械翻訳の品質は向上していますが、専門用語・労働法令・契約条件等の重要情報は人手レビューが必須です。

誤訳・脱落・更新漏れがトラブルの原因となるため、機械翻訳→人手チェックの併用が標準運用です。日常的な情報共有は機械翻訳のみでも対応可能ですが、重要メッセージは人手レビュー必須です。

Q. やさしい日本語と多言語版は両方必要ですか?

A. 両方併用することが理想です。やさしい日本語は日本語学習中の外国人にも有効で、多言語版は母国語での確実な理解に貢献します。

厚労省「コミュコツ」とやさしい日本語ガイドラインを活用しながら、両方を整備することで、すべての外国人社員に情報が届く体制が構築できます。

Q. 助成金の対象になりますか?

A. 就業規則の多言語化・苦情相談体制の整備等は人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)の対象です。

社内報の多言語化に関連する取組も、外国人労働者の就労環境整備として助成対象となる場合があります。詳細は管轄の都道府県労働局に確認することが推奨されます。

参考資料

用語集
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