離職票とは?
離職票とは、正式名称「雇用保険被保険者離職票」と呼ばれる、雇用保険法に基づき離職者がハローワークで失業給付(基本手当)を受給するために必要な公的書類です。
離職票-1(雇用保険被保険者資格喪失届の本人通知用)と離職票-2(雇用保険被保険者離職証明書)の2種類があり、後者には直近6か月の賃金支払状況・離職理由等が記載され、基本手当の所定給付日数・給付制限の有無等を決める重要書類となります。
事業主は、離職者からの請求があれば交付義務を負い、離職者が59歳以上の場合は本人の希望にかかわらず必ず交付する必要があります。
発行期限は離職日の翌日から10日以内に事業主が「雇用保険被保険者資格喪失届」と「雇用保険被保険者離職証明書」をハローワークへ提出する流れです。
2025年1月20日からマイナポータル経由で離職票を本人が直接受領可能となり、紙の郵送に頼らない迅速な交付が可能になりました。外国人離職者にも雇用保険適用者であれば同様に発行されます。
必要になる場面
失業給付(基本手当)の受給時
離職者が基本手当を受給するためには、ハローワークで離職票-1・離職票-2を提出して受給資格決定を受ける必要があります。離職票は基本手当の支給日数・給付制限の有無等を決定する重要書類です。
離職者本人が次の職場での就労に至るまでの生活保障の起点となる手続きです。
国民健康保険・国民年金への切替時
退職に伴い社会保険から国民健康保険・国民年金へ切替える際の参考書類として活用されます。市区町村役場での手続き時に離職証明として提出する場合があります。
59歳以上の離職時
離職者が59歳以上の場合、本人の希望にかかわらず必ず離職票を交付する必要があります。再就職時の高年齢雇用継続給付金等の手続きにも関連するため、確実な交付が必要です。
申請・取得の手順
- 離職者が事業主に離職票の交付を請求する(59歳以上の場合は本人請求がなくても必ず交付)。
- 事業主は離職日の翌日から10日以内に「雇用保険被保険者資格喪失届」と「雇用保険被保険者離職証明書」を管轄のハローワークへ提出する。
- ハローワークが書類を審査し、離職票-1・離職票-2を発行する。
- 離職票が事業主経由で離職者へ交付される(郵送の場合は本人到着まで概ね10日〜2週間)。
- 2025年1月20日以降はマイナポータル経由で本人が直接PDFを受領可能(事業主が電子申請でハローワークへ手続きし、審査終了後に自動でマイナポータルへPDF送付)。
- 離職者は離職票を持参してハローワークで求職申込・受給資格決定の手続きを行う。
注意点・よくある失敗
10日以内の発行期限
事業主は離職日の翌日から10日以内に手続きを完了する必要があります。期限を過ぎると離職者の基本手当受給が遅れ、生活への影響が生じます。実務上は退職日決定段階から準備を進め、退職後速やかにハローワーク提出することが重要です。
離職理由の正確な記載
離職票-2には離職理由の事業主記載欄と本人異議申立欄があります。会社都合(解雇等)と自己都合(退職)では給付制限・給付日数が大きく異なるため、正確な記載が必要です。誤記・虚偽記載はトラブルの原因となります。
外国人離職者の在留資格
外国人離職者は雇用保険適用者であれば日本人と同様に基本手当を受給可能ですが、在留資格の活動継続要件を満たす必要があります。3か月以上稼働していない場合は在留資格取消の可能性があります。求職活動の実績が「正当な理由」となるため、ハローワーク利用の積極的な案内が重要です。
特定技能・育成就労の届出義務
特定技能では雇用契約終了から14日以内に出入国在留管理庁へ届出を提出する必要があります。離職票発行手続きと並行して届出義務を遵守することが重要です。育成就労(2027年4月施行予定)でも受入機関は外国人育成就労機構への通知義務があります。
類似書類との違い
| 項目 | 離職票-1 | 離職票-2 | 退職証明書 | 源泉徴収票 |
|---|---|---|---|---|
| 正式名称 | 雇用保険被保険者資格喪失届の本人通知用 | 雇用保険被保険者離職証明書 | 労働基準法22条の退職証明書 | 所得税の源泉徴収票 |
| 主な記載事項 | 氏名・基礎年金番号・振込先口座等 | 離職前6か月の賃金・離職理由 | 使用期間・業務内容・地位・賃金等 | 支給額・源泉徴収税額 |
| 発行義務 | 離職票発行時に必ず交付 | 同左 | 請求があれば交付(労基法22条) | 退職時に交付(所得税法) |
| 用途 | 失業給付の受給 | 失業給付の受給 | 転職先・公的手続き | 確定申告・転職先での年末調整 |
| 発行主体 | ハローワーク | ハローワーク | 事業主 | 事業主 |
離職票は失業給付受給のための公的書類ですが、退職証明書は転職活動・公的手続き等の汎用的な離職証明、源泉徴収票は税務手続きのための書類で、目的・用途が異なります。
退職時には離職票・退職証明書・源泉徴収票の3点を整理して交付することが望ましい運用です。
よくある質問
Q. 離職票はいつまでに発行されますか?
A. 事業主は離職日の翌日から10日以内にハローワークへ手続きを行います。離職者の手元に届くまでは郵送経由で概ね10日〜2週間です。
2025年1月20日以降はマイナポータル経由で本人がPDFを直接受領できるようになり、より迅速な交付が可能です。受領遅延がある場合はハローワークまたは事業主に確認することが推奨されます。
Q. 外国人離職者も基本手当を受給できますか?
A. はい、雇用保険被保険者であれば日本人と同様に基本手当を受給できます。
ただし在留資格の活動継続要件があり、3か月以上稼働していない場合は在留資格取消の可能性があります。求職活動の実績が「正当な理由」となるため、ハローワークでの求職活動を継続することが重要です。
Q. マイナポータル経由の受領にはどうすればよいですか?
A. 事業主が電子申請でハローワークへ手続きし、審査終了後に自動でマイナポータルへPDF送付される仕組みです。本人はマイナポータルアカウントを取得し、ログインしてPDFをダウンロードします。
2025年1月20日から運用開始されており、紙の郵送よりも迅速な受領が可能です。マイナンバーカードの取得が前提となります。
Q. 自己都合と会社都合では何が違いますか?
A. 給付制限の有無と所定給付日数が大きく異なります。会社都合は給付制限なし、自己都合は原則2か月の給付制限があります。
令和7年4月以降は自己都合離職の給付制限について一部見直しがあります。離職票-2の離職理由記載は本人の生活保障に直結する重要事項のため、正確な記載が必要です。本人異議申立欄での異議申立も可能です。