用語集 送出国・国際関連

入国前日本語教育(海外)にゅうこくまえにほんごきょういく

入国前日本語教育(海外)とは?

入国前日本語教育とは、特定技能・育成就労等で来日予定の外国人が、出身国において来日前に受講する日本語学習・試験対策の総称です。送出機関附属の日本語訓練施設、現地民間日本語学校、大学日本語学科、国際交流基金の海外拠点などが実施主体となります。

特定技能1号の取得要件として、日本語能力試験(JLPT)N4以上または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2相当以上の合格が必要となるため、入国前日本語教育の品質が来日後の即戦力化を大きく左右します。

JFT-BasicはCBT方式で年複数回実施され、当日結果判明・5営業日以内の判定結果通知書発行が特長です。ベトナム・インドネシア・フィリピン・ミャンマー・カンボジア・モンゴル・タイ・ネパールなどで受験可能で、現地完結ルート(出身国で技能試験・日本語試験ともに受験)が定着しています。

育成就労制度(2027年4月1日施行予定)に対応し、2026年8月からJFT-BasicはA1・A2.1判定にも対応予定です。

入国前日本語教育の主な役割

特定技能・育成就労の在留資格要件

特定技能1号取得にはJLPT N4以上またはJFT-Basic A2相当以上の日本語能力証明が必要です。入国前日本語教育を通じてこの要件を満たすことが、特定技能採用の前提となります。介護分野では追加で介護日本語評価試験も必要となります。

JFT-Basicの現地受験

JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)は世界各国でCBT方式で実施され、当日結果判明・5営業日以内の判定結果通知書発行が特長です。ベトナム・インドネシアなどの主要送出国では年複数回実施されており、現地完結ルートの基盤となっています。

来日後の即戦力化

入国前日本語教育の品質が、来日後の職場適応・即戦力化を大きく左右します。十分な日本語能力を備えて来日した人材は、業務指示の理解・同僚との連携・利用者対応などで即座に戦力となるため、受入企業にとって採用品質の重要指標です。

業種別カリキュラムの導入

送出機関附属の日本語学校では、介護・建設・外食などの業種別カリキュラムを導入する事例が増えています。基礎日本語と職業日本語を組み合わせることで、来日後の業務適応を効率化する取り組みが進んでいます。

主要試験と判定基準

試験運営機関特徴
JFT-Basic国際交流基金CBT方式、年複数回、当日結果、A2相当以上で特定技能
JLPT N5日本国際教育支援協会基礎レベル、育成就労入国時相当
JLPT N4日本国際教育支援協会特定技能1号レベル相当
JLPT N3日本国際教育支援協会日常会話レベル、特定技能2号で要件強化見込み
JLPT N2日本国際教育支援協会高度人材レベル、技人国・高度専門職で評価
介護日本語評価試験厚生労働省・分野試験運営機関介護分野の特定技能で追加必要

JFT-BasicはCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に対応した判定基準を持ち、A1〜A2.2まで段階的に評価されます。育成就労制度に向けた2026年8月からのA1・A2.1判定対応により、より精緻な日本語レベル把握が可能となります。

育成就労制度での日本語要件

入国時:A1相当(JLPT N5相当)

育成就労制度(2027年4月1日施行予定)の入国時要件は、JFT-Basic A1相当(JLPT N5相当)の試験合格、またはそれに相当する日本語講習(100時間程度)の受講です。技能実習よりも明確な日本語要件が課されます。

就労1年経過時:A1〜A2相当

就労1年経過時には、A1〜A2相当の試験合格が分野ごとに設定されます。介護分野は1年経過時にJLPT N4相当が必要となるなど、業種別に上乗せ要件が設定される予定です。

特定技能1号移行時:A2相当(JLPT N4相当)

育成就労から特定技能1号への移行時には、A2相当(JLPT N4相当)の試験合格が求められます。育成就労3年間の就労期間中に段階的に日本語能力を高めていく設計となっており、入国前日本語教育の品質が長期的なキャリア形成を左右します。

JFT-BasicのA1・A2.1判定対応開始

2026年8月からJFT-BasicはA2に加えてA1・A2.1の判定にも対応予定です(145〜174点:A1、175〜199点:A2.1、200〜250点:A2.2)。これにより、育成就労の段階的な日本語要件に正確に対応できる試験体制が整備されます。

主要送出国の入国前日本語教育体制

国名主な体制
ベトナム送出機関附属日本語学校が充実、現地完結ルート定着
インドネシアJFT-Basic受験者急増、現地完結ルートで特定技能急増
フィリピン英語基盤を活かした学習、DMW認定送出機関での教育
ミャンマーヤンゴンを中心に日本語教育機関、政情不安定で課題
ネパール留学経由ルートが中心、日本国内での学習が主流
カンボジアプノンペン・シェムリアップで増加、インフラ整備途上
モンゴル日本語習得が速い、政府独占型GOLWS体制
ウズベキスタン国内日本語教育機関18校、急成長中

主要送出国の入国前日本語教育体制は国により大きく異なります。ベトナム・インドネシアでは現地完結ルートが定着し、送出機関附属の日本語学校が充実しています。一方、カンボジア・東ティモールなどは現地インフラが発展途上で、育成就労施行に向けた整備が課題となっています。

よくある質問(FAQ)

Q. 入国前にどのレベルの日本語能力が必要ですか?

A. 特定技能1号取得にはJLPT N4以上またはJFT-Basic A2相当以上が必要です。育成就労(2027年4月施行予定)の入国時はA1相当(JLPT N5相当)で、就労期間中に段階的に向上する設計です。

業種・分野により追加要件があり、介護分野では介護日本語評価試験も必要です。受入企業は採用予定者の日本語レベルを試験スコアで確認することが推奨されます。

Q. JFT-BasicとJLPTはどちらが有利ですか?

A. 試験目的により異なります。JFT-Basicは年複数回実施・当日結果判明で短期間で受験可能、JLPTは年2回実施で結果通知に時間を要しますが、より広く認知されています。

特定技能採用ではどちらも有効ですが、急ぎの採用ではJFT-Basicが実用的です。長期キャリア形成(技人国・高度専門職移行)を見据える場合はJLPT N3・N2取得が有利となります。

Q. 現地完結ルートとは何ですか?

A. 出身国で日本語学習・日本語試験・技能評価試験ともに受験して、特定技能1号取得後に直接来日するルートです。ベトナム・インドネシア・ミャンマーなどで定着しています。

技能実習を経由せず、直接特定技能で来日できるため、採用リードタイム短縮と本人の即戦力化に寄与します。送出機関と現地日本語学校・試験会場の連携が前提となります。

Q. 業種別カリキュラムはどう活用できますか?

A. 介護・建設・外食などの業種別カリキュラムを送出機関と提携することで、来日後の業務適応が大幅に効率化されます。基礎日本語と職業日本語を組み合わせた教育が一般的です。

受入企業は採用前段階で送出機関提携日本語学校の教育内容・合格実績を確認することが重要です。介護分野では介護日本語評価試験対策も組み込まれた教育プログラムが提供されています。

Q. 育成就労ではJFT-Basicの判定がどう変わりますか?

A. 2026年8月からJFT-BasicはA1・A2.1の判定にも対応予定です。スコアレンジは145〜174点:A1、175〜199点:A2.1、200〜250点:A2.2となり、より精緻な日本語レベル把握が可能となります。

これにより育成就労(2027年4月施行予定)の段階的な日本語要件に正確に対応できる試験体制が整備されます。受入企業は採用予定者のJFT-Basic判定結果を参考に、配属・教育計画を立てやすくなります。

参考資料

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