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DOLAB(ベトナム海外労働管理局)どらぼ

DOLAB(ベトナム海外労働管理局)とは?

DOLAB(Department of Overseas Labour、ベトナム語:Cục Quản lý lao động ngoài nước、日本語:ベトナム海外労働管理局)は、ベトナムから海外へ労働者を派遣する送出機関を認可・監督するベトナム政府の中央機関です。

特定技能・技能実習・育成就労のいずれにおいても、ベトナム最大の送出国としての制度的窓口を担う極めて重要な存在です。本部はハノイの41B Ly Thai To, Hoan Kiem Districtにあり、日本語対応窓口も設置されています。

ベトナム海外労働法(Law 69/69/2020/QH14、2020年11月13日採択・2022年1月施行)を根拠法令とし、海外労働契約の承認、推薦者表の発行、送出機関のライセンス管理、悪質送出機関への処分など、ベトナム人海外就労の品質と透明性を統括しています。

DOLABの主な業務・役割

送出機関のライセンス管理

ベトナムから海外へ労働者を派遣する民間送出機関のライセンス発行・更新・取消を一元的に管理しています。2024年には27社処分・1,000億ドン超の罰金・7社ライセンス取消と、悪質事業者への厳格な対応を実施し、業界全体の品質向上を進めています。

推薦者表(特定技能外国人表)の発行

特定技能では「推薦者表」の発行をDOLABが一元管理しています。2021年2月15日以降、日本の地方出入国在留管理局への申請にはDOLAB承認済み推薦者表が必須となっており、ベトナム人特定技能採用のすべてのプロセスでDOLABが関与する仕組みとなっています。

海外労働契約の承認

送出機関が日本の受入機関と締結する労働者提供契約をDOLABが審査・承認する必要があります。これにより、契約内容の適正性と労働者保護が制度的に担保される仕組みとなっています。

ベトナム海外労働法(Law 69)の運用

2020年採択・2022年施行のLaw 69では、労働者への保証金徴収禁止、契約解除権の拡大など労働者保護強化が図られました。DOLABはこの法令の実施機関として、送出機関の遵守状況を監督しています。

DOLAB-JICA共同プラットフォーム運営

2025年7月30日、DOLABとJICA共同のDJ Application(共同プラットフォーム)が正式運用開始されました。ベトナム人海外労働者向けの透明な求人情報アクセスを実現し、悪質ブローカー排除と費用構造の透明化を進めています。

DOLABの体制と概要

項目内容
正式名称(日本語)ベトナム海外労働管理局
正式名称(英語)Department of Overseas Labour(DOLAB)
正式名称(ベトナム語)Cục Quản lý lao động ngoài nước
所管官庁内務省(MOHA、2025年機構改革で旧MOLISAから再編)
本部所在地41B Ly Thai To, Hoan Kiem District, Hanoi
連絡先電話 +84-24-3824-9517(日本語対応あり)
根拠法令ベトナム海外労働法(Law 69/69/2020/QH14、2022年1月施行)
共同プラットフォームDJ Application(DOLAB-JICA、2025年7月30日運用開始)

DOLABはベトナム最大の送出国としての制度的中核を担う機関で、特定技能・技能実習・育成就労すべての制度で日本側受入企業との接点を持ちます。2025年の所管官庁変更(MOLISA→MOHA)は政府機構改革の一環で、海外労働行政の重要性を反映した位置づけ強化の意味合いがあります。

日本との関係と受入実務における役割

特定技能採用フローでの中核的役割

ベトナム人特定技能採用フローは、

①受入機関と送出機関が労働者提供契約締結→②送出機関がDOLABに契約承認申請→③DOLAB承認→④送出機関が労働者募集→⑤受入機関が労働者と雇用契約→⑥送出機関がDOLABに推薦者表交付申請→⑦DOLAB発行→⑧受入機関に送付、という流れです。DOLABが2回承認に関与する重要なゲートキーパーです。

育成就労での窓口機能

2026年4月15日にベトナムの育成就労暫定送出機関リストがOTITで公表済で、2027年4月1日施行予定の育成就労制度においてもDOLABが日本側との窓口となる見通しです。特定技能と同様の承認スキームが運用される可能性が高いとされます。

悪質送出機関への対応

2024年の27社処分・1,000億ドン超の罰金・7社ライセンス取消事例にみられるように、DOLABは悪質送出機関への厳格な対応を進めています。これにより、ベトナム人材送出全体の品質向上と労働者保護強化が制度的に進んでいます。

日本語対応の窓口

DOLAB本部には日本語対応の窓口があり、日本側受入機関が直接相談することも可能です。複雑な手続きや個別案件で疑問が生じた際の重要な相談先となります。

他の主要送出国機関との違い

項目DOLAB(ベトナム)DMW(フィリピン)KemenP2MI(インドネシア)
組織形態内務省配下の局独立した省(2022年昇格)独立した省(2024年昇格)
所管対象海外労働者派遣の管理・監督海外労働者全般の保護・福祉移住労働者の保護・福祉
特定技能承認推薦者表の発行(2021年2月〜必須)送出機関認定・雇用契約認証P3MIライセンス・E-PMI
送出機関ライセンス制(民間)DMW認定エージェントP3MI(許可制)
独自プラットフォームDJ Application(JICA共同)SISKOP2MI・IPKOL

DOLABはベトナムの送出機関監督に特化した「局」レベルの機関で、フィリピンのDMWやインドネシアのKemenP2MIのような独立省ではありませんが、送出量の多さから実質的な影響力は非常に大きい存在です。日本側受入企業にとっては、ベトナム最大の人材プールへのアクセスを左右する重要な窓口といえます。

よくある質問(FAQ)

Q. DOLABの承認なしにベトナム人を特定技能で採用できますか?

A. いいえ、できません。2021年2月15日以降、DOLAB承認済みの推薦者表が日本の地方出入国在留管理局への申請に必須となっています。承認のないルートでの採用は制度違反となります。

受入企業はDOLABライセンスを持つ正規送出機関を経由し、契約承認・推薦者表発行の2段階のDOLAB承認プロセスを経て採用を進める必要があります。登録支援機関や監理団体が手続きをサポートします。

Q. DOLABの所管官庁が変わったのはなぜですか?

A. 2025年のベトナム政府機構改革により、従来の労働傷病兵社会問題省(MOLISA)から内務省(MOHA:Ministry of Home Affairs)配下に再編されました。政府全体の効率化・統合の一環です。

DOLAB自体の機能は維持されており、送出機関の認可・監督や推薦者表発行などの実務は継続しています。日本側受入企業の手続きフローには大きな変更はありません。

Q. DJ Applicationとは何ですか?

A. 2025年7月30日に運用開始されたDOLAB-JICA共同プラットフォームで、ベトナム人海外労働者向けに求人情報を透明にアクセスできる仕組みです。

悪質ブローカー排除と費用構造の透明化を目的としており、本人・送出機関・受入機関の三者が情報を共有できる新たな仕組みとして注目されています。今後のベトナム人送出の品質向上に貢献することが期待されます。

Q. DOLABは育成就労制度でも窓口になりますか?

A. はい、なる見通しです。2026年4月15日にベトナムの育成就労暫定送出機関リストが公表済で、2027年4月1日施行予定の育成就労制度でもDOLABが日本側との窓口を担うと見込まれています。

特定技能と同様の承認スキームが運用される可能性が高く、育成就労MOC締結時にも、DOLABが実務的なゲートキーパーとして関与することになります。

Q. DOLABに直接問い合わせはできますか?

A. はい、ハノイの本部に日本語対応窓口があり、電話(+84-24-3824-9517)で直接問い合わせ可能です。複雑な手続きや個別案件で疑問が生じた際の重要な相談先となります。

ただし、日常的な手続きは送出機関や登録支援機関・監理団体を経由するのが効率的です。DOLABへの直接照会は、制度的な確認や承認状況の問い合わせなどに限定するのが実務上の標準パターンです。

参考資料

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