国別在留外国人数とは?
国別在留外国人数とは、出入国在留管理庁が公表する「在留外国人統計」に基づく、国籍別の在留外国人の人数です。
2025年6月末時点で在留外国人総数は3,956,619人(特別永住者270,292人、中長期在留者3,686,327人)と過去最多を更新しており、国別では中国・ベトナム・韓国・フィリピン・ネパール・ブラジル・インドネシアなどが主要構成国となっています。
日本国内に3か月超滞在する中長期在留者と特別永住者の合計で、観光客等の短期滞在者は含まれません。
所管は出入国在留管理庁であり、厚生労働省が公表する「外国人雇用状況の届出」(労働者数)とは所管・対象範囲ともに異なります。2025年10月末の外国人労働者数2,571,037人と比較して、約140万人の差があり、これは留学生・家族滞在・配偶者・乳幼児・高齢者など就労資格のない在留者を反映しています。
国別ランキング(2025年6月末時点)
| 順位 | 国名 | 在留外国人数 |
|---|---|---|
| 1位 | 中国 | 900,738人 |
| 2位 | ベトナム | 660,483人 |
| 3位 | 韓国 | 409,584人 |
| 4位 | フィリピン | 約34万人規模 |
| 5位 | ネパール | 約23万人規模(急増中) |
| 6位 | ブラジル | 約21万人規模 |
| 7位 | インドネシア | 急成長中 |
| 8位以下 | ミャンマー・台湾・米国など | — |
国別構成比では、ベトナム・ネパール・インドネシア・ミャンマーの伸び率が高く、特定技能制度を背景とした新興送出国の存在感が増しています。韓国は減少傾向にあり、これは特別永住者の自然減(高齢化・帰化)を反映しています。中国は依然として最大の在留国ですが、技能実習からの撤退傾向もあり構成比は緩やかに低下しています。
在留外国人と労働者の違い
在留外国人(出入国在留管理庁)
日本国内に3か月超滞在する中長期在留者と特別永住者の合計です。在留資格を問わず(永住者・定住者・配偶者・留学・技能実習・特定技能・技人国・高度専門職など)、すべての在留者が対象となります。乳幼児・高齢者・家族滞在者など、就労していない人も含みます。
外国人労働者(厚生労働省)
事業主が「外国人雇用状況届出」をハローワークに提出した外国人労働者の人数です。雇用契約に基づく就労許可のある外国人のみが対象で、自営業者・家族従事者は含みません。2025年10月末で2,571,037人と過去最多を更新しています。
両統計の差異が示すもの
在留外国人約396万人と労働者約257万人の差(約140万人)は、留学生・家族滞在・乳幼児・高齢者・配偶者・就労していない永住者などを反映しています。両統計を組み合わせて見ることで、外国人コミュニティの全体像が把握できます。
所管官庁の違い
在留外国人統計は法務省所管の出入国在留管理庁、外国人雇用状況は厚生労働省と所管が異なります。各統計の調査時点・公表時期も異なるため、比較分析の際には統計の前提を確認することが重要です。
都道府県別の集中度
| 順位 | 都道府県 | 在留外国人数(2025年末) |
|---|---|---|
| 1位 | 東京 | 738,946人 |
| 2位 | 大阪 | 326,450人 |
| 3位 | 愛知 | 318,251人 |
| 4位 | 神奈川 | — |
| 5位 | 埼玉 | — |
東京・愛知・大阪・神奈川・埼玉の5都府県で在留外国人全体の約半数を占める集中型分布となっています。特に東京都は738,946人と圧倒的で、首都圏・中京圏・関西圏の3大都市圏に集中する傾向が継続しています。
地方の人手不足分野(介護、農業、建設、水産加工など)においても、特定技能や技能実習を通じた人材受入が着実に拡大しています。育成就労制度の導入により、これまで「転籍制限」により地方に留まっていた人材が都市部へ流出する懸念も指摘されており、地方自治体による独自の家賃補助や生活支援など、地域別の定着支援策の重要性が増しています。
育成就労制度施行による今後の見通し
2027年4月施行予定の育成就労制度
2027年4月1日施行予定の育成就労制度により、技能実習に代わる新たな受入経路として、ベトナム・インドネシア・フィリピン・ミャンマーなど主要送出国からの在留外国人数のさらなる増加が見込まれます。監理支援機関の許可申請受付は2026年4月15日に開始済です。
特定技能受入見込みの拡大
政府の特定技能受入見込み数は2024年度から5年間で最大82万人まで拡大方針です。育成就労制度との連動で、2030年代前半までに在留外国人数500万人超への到達も視野に入っています。
国別構成の継続的変化
主要送出国の構成は今後も変化が続く見込みです。中国の伸び率鈍化、ベトナム・インドネシア・ミャンマーの拡大、中央アジア諸国(ウズベキスタン・キルギス・タジキスタン)の新興などが注目される動向です。
統計の継続的確認の重要性
出入国在留管理庁の在留外国人統計と厚生労働省の外国人雇用状況統計は、年2回(6月末・12月末/10月末)に更新されます。受入企業や政策立案者は両統計を定期的に確認することで、最新の動向に対応した戦略立案が可能となります。
よくある質問(FAQ)
Q. 在留外国人と外国人労働者の違いは何ですか?
A. 在留外国人は法務省所管で日本国内に3か月超滞在する全在留者(約396万人、2025年6月末)、外国人労働者は厚労省所管で雇用契約に基づく就労者(約257万人、2025年10月末)です。約140万人の差は留学生・家族滞在・乳幼児・高齢者などを反映しています。
受入企業は両統計を組み合わせて見ることで、自社の採用ターゲット市場の全体像を把握できます。所管官庁・調査時点・対象範囲が異なる点に注意が必要です。
Q. なぜ中国が1位を維持しているのですか?
A. 中国は技人国・身分系・留学・永住者など多様な在留資格で広範に在留しており、長年の在日コミュニティが形成されているためです。2025年6月末で900,738人と圧倒的な規模を保っています。
ただし技能実習・特定技能の現業人材は減少傾向にあり、構成比は緩やかに低下しています。代わって技人国・身分系・新卒採用などの高度人材・長期定着型の構造へシフトしています。
Q. ベトナムは今後も伸び続けますか?
A. 2025年6月末で660,483人と2位を維持し、特定技能でも148,486人(44.2%)と最大シェアです。育成就労制度(2027年4月施行予定)の最大供給国としても期待されており、伸び率は鈍化しつつも増加傾向は継続する見込みです。
一方、ベトナム本国の経済成長と現地賃金上昇により、長期的には伸び率がさらに鈍化する可能性もあります。インドネシア・ミャンマーなど他送出国とのバランスを意識した採用戦略が重要です。
Q. 国別統計はどこで最新値を確認できますか?
A. 出入国在留管理庁公式サイトの「在留外国人統計」、e-Stat(政府統計の総合窓口)で最新値を確認できます。年2回(6月末・12月末)の調査結果が公表されます。
外国人労働者数は厚生労働省の「外国人雇用状況の届出状況まとめ」で確認できます。年1回(10月末)公表され、翌年1月末頃に発表されます。両統計を併用することが推奨されます。
Q. 地方の中小企業も統計データを活用できますか?
A. はい、活用すべきです。都道府県別の在留外国人数や、自社業界の主要供給国動向を把握することで、地域特性に合わせた採用戦略を立てられます。
地方では地域日本語教育インフラや多文化共生施策の整備状況も統計から把握できます。国別構成や伸び率を踏まえ、長期的な人材確保計画を立てることが推奨されます。