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ニューカマー外国人にゅーかまーがいこくじん

ニューカマー外国人とは?

ニューカマー外国人とは、1980年代以降に日本へ渡り長期滞在するに至った外国人を指す用語です。総務省「多文化共生の推進に関する研究会」報告書などの行政文書でも用いられる概念で、戦前から日本に居住していた「オールドカマー」(特別永住者等)との対比で使われます。

中国・フィリピン・タイ・ベトナム・ネパール・インドネシア・ミャンマー出身者、および日系ブラジル人・ペルー人などが代表的な構成です。

2025年6月末時点で在留外国人約396万人のうち、特別永住者27万人を除いた約369万人の大半がニューカマー世代に分類される状況です。第一世代が中心ですが、近年は子世代の成長により第二世代の存在感も高まっています。

多文化共生政策・日本語教育・地域コミュニティ施策の主要対象として、日本社会の重要構成要素となっています。

ニューカマー外国人の歴史的背景

1980年代後半のバブル経済期

1980年代後半のバブル経済期に労働力不足を背景に、中国・フィリピン・タイなどからの来日が急増しました。日本企業の海外展開・国際業務拡大とも連動し、技人国(旧技術・人文知識)資格での就労が始まりました。

1989年入管法改正(1990年6月施行)

1989年入管法改正で日系3世まで「定住者」資格が付与され、日系ブラジル人・ペルー人が急増しました。1990年代に出稼ぎブームが拡大し、群馬県大泉町・静岡県浜松市・愛知県豊田市などに集住地域が形成されました。

1990年代以降のアジア系拡大

1990年代以降は中国・フィリピン・ベトナム・タイ・韓国(ニューカマー部分)・ネパール・インドネシア・ミャンマーなどアジア系のニューカマーが拡大しました。技能実習制度(1993年創設)・特定技能制度(2019年施行)が制度的基盤となっています。

難民・残留邦人帰国者

インドシナ難民(ベトナム・カンボジア・ラオス)や中国残留邦人帰国者もニューカマーに含まれます。人道的観点からの受入であり、定住者・身分系を中心とした在留が継続しています。

ニューカマーの主要在留資格と構成

項目内容
定義1980年代以降に日本へ渡り長期滞在する外国人
対比概念オールドカマー(特別永住者等)
人数規模約369万人(2025年6月末、特別永住者を除く在留外国人)
主な国籍中国・ベトナム・フィリピン・ネパール・ブラジル・インドネシア・ミャンマー等
主な在留資格技能実習・特定技能・技人国・留学・永住者・定住者・家族滞在
世代構成第一世代が中心、近年第二世代の成長も顕著
主要政策対象多文化共生・日本語教育・地域日本語教室
受入企業との接点技能実習・特定技能・育成就労を通じた雇用

ニューカマー外国人は在留資格・出身国・世代が多様であり、画一的な施策では対応できない複雑な存在です。受入企業・自治体・教育機関などが連携して、多文化共生の地域づくりを進めることが求められています。

ニューカマー支援の政策と多文化共生

地域における多文化共生推進プラン

総務省は2006年に「地域における多文化共生推進プラン」を策定し、2020年9月に改訂しました。地域の多文化共生施策の指針となるもので、コミュニケーション支援・生活支援・多文化共生の地域づくりなどが盛り込まれています。

日本語教育推進法(2019年施行)

2019年6月に日本語教育推進法が施行され、外国人材の日本語教育が国の責務として位置づけられました。地域日本語教室の整備、教師育成、教材開発などが進められています。

子の教育・夜間中学・日本語指導

ニューカマーの子の教育は重要課題で、夜間中学の充実、学校での日本語指導、ブラジル人学校など外国人学校の支援などが進められています。第二世代の教育保障が日本社会への統合のカギとなります。

医療通訳・災害時情報多言語化

医療現場での通訳サービス、災害時情報の多言語化、ICT活用での情報伝達など、生活基盤の多文化対応が進められています。地方自治体・NPO・JICA・JP-MIRAIなど多様な主体が連携しています。

受入企業との接点と育成就労制度

技能実習・特定技能経由の採用

ニューカマー外国人の多くは、技能実習・特定技能を通じて来日し、製造業・建設・農業・介護などで雇用されています。受入企業はニューカマー個別の文化背景・宗教・言語に配慮した雇用管理が必要です。

育成就労制度の主要対象

2027年4月1日施行予定の育成就労制度は、新規来日のニューカマーの主要な入口となる見込みです。3年間の育成期間で日本語・技能を高め、特定技能1号への移行による長期定着を目指す制度設計となっています。

第二世代の労働市場参入

1980-90年代のニューカマー第一世代の子(第二世代)が日本の労働市場に参入する時代に入っています。日本生まれ・日本育ちでバイリンガルとして活躍するケースも増えており、企業のグローバル業務での重要な人材プールとなっています。

職場の多文化対応

ムスリム対応(礼拝時間・ハラル食)、ヒンドゥー教対応(ベジタリアン食)、宗教祝祭日への配慮など、職場の多文化対応が定着率を大きく左右します。受入企業は社内ガイドラインを整備し、現場管理者向け研修を行うことが推奨されます。

よくある質問(FAQ)

Q. ニューカマーとオールドカマーの違いは何ですか?

A. オールドカマーは戦前から日本に居住していた韓国・朝鮮籍、台湾系の人々とその子孫(特別永住者中心)、ニューカマーは1980年代以降に来日した新しい時代の外国人を指します。歴史的背景・在留資格・人口規模が大きく異なります。

2025年6月末で特別永住者(オールドカマー中核)は27万人、ニューカマー世代は約369万人と人口規模では大きな差があります。多文化共生政策はニューカマー対応が中心となっています。

Q. ニューカマーには日系人も含まれますか?

A. はい、含まれます。1990年代以降に「定住者」資格で来日した日系ブラジル人・ペルー人などはニューカマーに分類されます。群馬県大泉町・静岡県浜松市・愛知県豊田市などに集住地域を形成しています。

日系人は日本人を祖先に持つものの、外国籍であり日本語・日本文化への適応が必要なため、多文化共生政策の対象となります。第二・第三世代の教育保障が重要課題です。

Q. ニューカマーの第二世代はどう活躍していますか?

A. 1980-90年代のニューカマー第一世代の子(第二世代)が日本の労働市場に参入する時代に入っています。日本生まれ・日本育ちでバイリンガルとして活躍するケースも増えており、企業のグローバル業務での重要な人材プールとなっています。

多言語・多文化対応力を活かして、インバウンド・国際業務・通訳・教育などの分野で独自の貢献を果たしています。新卒・第二新卒採用での重要なターゲット層となりつつあります。

Q. ニューカマー支援で受入企業ができることは何ですか?

A. 多文化対応(宗教・食文化への配慮)、日本語教育サポート、社内研修、地域日本語教室との連携、母国コミュニティの形成支援などが効果的です。定着率向上と職場満足度の両面で投資効果が高いとされます。

JP-MIRAIアシスト等の多言語相談窓口の周知や、JICA・JETROなど公的機関の支援プログラム活用も推奨されます。社内文化の多様化が、長期的な経営力強化につながります。

Q. 育成就労制度はニューカマーにどう影響しますか?

A. 2027年4月1日施行予定の育成就労制度は、新規来日のニューカマーの主要な入口となる見込みです。3年間の育成期間で日本語・技能を高め、特定技能1号への移行による長期定着を目指す制度設計となっています。

これにより、ニューカマー外国人の質的向上と長期定着が制度的に促進されます。受入企業は単なる「労働力」ではなく「地域社会の構成員」としての視点を持つことが重要となります。

参考資料

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