外国人患者受入れ体制とは?
外国人患者受入れ体制とは、訪日外国人旅行者および在留外国人が安心・安全に日本の医療サービスを受けられるよう、医療機関が整備する受入体制全般を指します。
具体的には、医療通訳の配置、多言語問診票、キャッシュレス決済対応、宗教・文化に配慮した対応、海外旅行保険対応、緊急時対応マニュアルの整備などが含まれます。
中核となる制度は、JMIP(Japan Medical Service Accreditation for International Patients/外国人患者受入れ医療機関認証制度)で、一般財団法人日本医療教育財団が第三者評価機関として認証しています。2012年に厚生労働省の支援事業として構築された制度で、多言語による診療案内、異文化・宗教への配慮など、外国人患者受入体制を整える医療機関を3年ごとに評価する仕組みです。
育成就労制度(2027年4月1日施行予定)施行で外国人労働者の医療ニーズが拡大する中、地方の中小医療機関での対応が一段と重要となっています。
外国人患者受入れ体制の主な要素
医療通訳・多言語問診票
医療通訳の配置と多言語問診票は外国人患者受入の基本要素です。母語による症状説明・治療方針の理解は、適切な医療提供に不可欠です。電話通訳・タブレット通訳など多様な手段が活用されています。
JMIP認証制度
JMIP(外国人患者受入れ医療機関認証制度)は厚生労働省の支援事業として2012年に構築されました。一般財団法人日本医療教育財団が第三者評価機関として、多言語診療案内・異文化宗教配慮などの基準で3年ごとに評価します。
観光庁の訪日外国人受入医療機関
観光庁は別途、訪日外国人旅行者向けに「外国人患者を受け入れる医療機関の情報を取りまとめたリスト」を作成し、JNTO(日本政府観光局)が4言語(日・英・中繁簡・韓)でWeb検索ツールを提供しています。
キャッシュレス決済・海外旅行保険対応
外国人患者の支払い対応として、キャッシュレス決済(クレジットカード・電子マネー等)・海外旅行保険対応が標準的な要素となっています。訪日外国人観光客にも対応した決済インフラの整備が進んでいます。
基本情報と最新動向
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主要制度 | JMIP(外国人患者受入れ医療機関認証制度) |
| 所管 | 厚生労働省・観光庁 |
| 認証機関 | 一般財団法人日本医療教育財団(JMIP) |
| JMIP制度開始 | 2012年(厚労省支援事業) |
| 認証期間 | 3年ごとに評価 |
| 令和8年度の拠点的医療機関要件 | 病院は270名以上、診療所は60名以上(直近6カ月間の延べ外国人患者受入実績)(施行済) |
| 2025年12月25日 | 厚労省・観光庁が「医療機関リスト」を更新(公開済) |
| 令和7年度(2025年度)調査 | 厚労省「医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査」実施 |
| JNTO検索ツール | 4言語(日・英・中繁簡・韓)対応 |
令和8年度(2026年度)より「外国人患者を受け入れる拠点的な医療機関」の選出要件として、直近6カ月間の延べ外国人患者受入実績が病院は270名以上、診療所は60名以上と数値要件が明文化済です。厚労省は令和7年度(2025年度)「医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査」を実施し、医療通訳者配置等支援事業も継続しています。
受入企業との関係と育成就労施行への対応
健康診断・労災対応
受入企業は健康診断・労災対応の場面で拠点的医療機関や登録支援機関と連携することが期待されます。外国人労働者の健康管理は、企業の安全配慮義務の重要な要素です。
在留外国人の医療アクセス課題
在留外国人の医療アクセス課題(言語の壁、皆保険制度の理解不足、文化差)への対応が今後一層重要となります。社員向けの医療制度オリエンテーションを通じて、適切な医療アクセスを支援する必要があります。
地方の中小医療機関への需要拡大
育成就労制度(2027年4月1日施行予定)施行に伴い、地方の中小医療機関も外国人労働者の医療ニーズに対応する必要性が増しています。地方都市・農村部での拠点的医療機関の整備が政策課題となっています。
自治体・監理支援機関との連携
自治体は地域における拠点的医療機関の選定・公表を担います。監理支援機関の許可申請受付は2026年4月15日開始済で、医療アクセス支援も含めた包括的な生活支援体制構築が進んでいます。
よくある質問(FAQ)
Q. JMIPとは何ですか?
A. JMIP(Japan Medical Service Accreditation for International Patients/外国人患者受入れ医療機関認証制度)は、厚生労働省の支援事業として2012年に構築された認証制度です。一般財団法人日本医療教育財団が第三者評価機関として、多言語診療案内・異文化宗教配慮などの基準で3年ごとに評価します。
受入企業は社員向けの医療機関選定の際、JMIP認証医療機関を案内することで、安心・安全な医療アクセスを支援できます。
Q. 拠点的医療機関の数値要件とは?
A. 令和8年度(2026年度)より、「外国人患者を受け入れる拠点的な医療機関」の選出要件として、直近6カ月間の延べ外国人患者受入実績が病院は270名以上、診療所は60名以上と数値要件が明文化済です。
これにより拠点的医療機関の品質基準が明確化され、安定的な外国人患者受入体制の確保が制度化されています。
Q. 医療機関リストはどこで確認できますか?
A. 厚生労働省と観光庁が共同で「外国人患者を受け入れる医療機関リスト」を公表しています。2025年12月25日に更新済です。JNTO(日本政府観光局)も4言語(日・英・中繁簡・韓)でWeb検索ツールを提供しています。
受入企業の所在地周辺の拠点的医療機関を確認することで、社員の医療アクセス支援に活用できます。
Q. 受入企業の役割は?
A. 健康診断・労災対応での拠点的医療機関・登録支援機関との連携、社員向けの医療制度オリエンテーション、医療アクセス情報の多言語化などが重要な役割です。安全配慮義務の観点からも、医療アクセス支援は経営戦略の重要要素です。
育成就労施行(2027年4月予定)に向けて、地方の中小医療機関も外国人労働者の医療ニーズに対応する必要性が増しています。
Q. 育成就労施行で医療機関体制はどう変わりますか?
A. 育成就労制度(2027年4月1日施行予定)施行に伴い、地方の中小医療機関も外国人労働者の医療ニーズに対応する必要性が増しています。拠点的医療機関の地方展開が政策課題となっています。
自治体は地域における拠点的医療機関の選定・公表を担い、監理支援機関は医療アクセス支援も含めた包括的な生活支援体制構築が進んでいます。
参考資料
- [1] 厚生労働省「外国人患者受入れ医療機関認証制度」
- [2] 厚生労働省「医療機関リスト」
- [3] 観光庁「外国人患者受入体制の充実」
- [4] 日本医療教育財団「JMIP」
- [5] 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」