用語集 多文化共生・社会統合

多言語翻訳システムたげんごほんやくしすてむ

多言語翻訳システムとは?

多言語翻訳システムとは、政府・自治体・公共機関が窓口対応・医療・防災・観光等で利用する多言語翻訳のための情報システム群の総称です。

代表例としてNICT(情報通信研究機構)開発の「VoiceTra」、消防庁との共同開発「救急ボイストラ」、民間企業がNICT技術をライセンス活用して自治体向けに提供する「VoiceBiz®」(凸版印刷)、「みらい翻訳プラットフォーム」、「ヤラク翻訳」などがあります。

総務省「グローバルコミュニケーション計画」(2014年策定)、後継の「グローバルコミュニケーション計画2025」のもと、NICTがオールジャパン体制で研究開発を推進しています。2026年2月24日にVoiceTra Ver.9.2.0がリリースされタミル語・ベンガル語に対応(現在33言語対応)し、ダウンロード数は1,500万を突破しました。

育成就労制度(2027年4月1日施行予定)施行に向け、監理支援機関の「母国語等での相談対応」要件にも対応可能なツールとして注目されています。

主な多言語翻訳システム

VoiceTra(NICT開発)

NICTが開発するスマートフォン向け公式アプリで、33言語対応の音声翻訳を無料で利用できます。話した言葉を即座に翻訳し、音声合成で再生する仕組みで、対面コミュニケーションの基本ツールとして広く活用されています。

救急ボイストラ

2017年4月、消防庁とNICTが共同開発した救急現場向けの翻訳ツールです。全国の消防本部へ提供開始済で、令和元年度から救急自動車へのタブレット端末配備に地方交付税措置がなされています。命に関わる緊急時の通訳支援として機能しています。

VoiceBiz®(凸版印刷)

NICT技術をライセンス活用して凸版印刷が自治体向けに提供する翻訳プラットフォームです。窓口対応・行政手続き・観光案内などで広く採用されています。

みらい翻訳・ヤラク翻訳・mimi

NICTの翻訳エンジンをライセンス契約で活用する民間企業のサービスです。みらい翻訳プラットフォーム、八楽「ヤラク翻訳」、Fairy Devices「mimi」など、30以上のサービスが展開されており、企業の業務用途・産業翻訳に活用されています。

多言語翻訳システムの基本情報

項目内容
所管総務省(NICTの研究開発を所管)
制度的根拠総務省「グローバルコミュニケーション計画」(2014年)・「グローバルコミュニケーション計画2025」
研究開発機関NICT(情報通信研究機構)の先進的音声翻訳研究開発推進センター(ASTREC)
代表アプリVoiceTra(NICT公式・無料)
2026年2月24日VoiceTra Ver.9.2.0リリース(タミル語・ベンガル語追加、33言語対応)
VoiceTraダウンロード数1,500万突破
救急ボイストラ2017年4月消防庁・NICT共同開発、全国消防本部に提供済
関連事業(民間)VoiceBiz(凸版印刷)、みらい翻訳、ヤラク翻訳、mimi(Fairy Devices)など30以上
2026年2月20日第9回自動翻訳シンポジウム開催(品川インターシティホール)

多言語翻訳システムは、AI翻訳の高精度化(生成AI連動)により、自治体窓口・受入企業・医療機関などでの導入が加速しています。逐次翻訳から同時通訳技術への発展が研究され、対面コミュニケーションの実用化が進んでいます。

最新動向(2024-2026年)

VoiceTra 33言語対応へ拡張

2026年2月24日にVoiceTra Ver.9.2.0がリリース済で、タミル語・ベンガル語に対応し、現在33言語対応となりました。南アジア圏(インド・バングラデシュ・スリランカ等)の外国人住民・受入企業にも対応できる体制が整備されました。

同時通訳技術への発展

逐次翻訳から同時通訳技術への発展が研究されています。2026年2月20日に第9回自動翻訳シンポジウムが品川インターシティホールで開催され、最新技術動向が共有されました。会議・面接・OJTなどでの実用化が進む見込みです。

AI翻訳の高精度化

生成AI連動によるAI翻訳の高精度化が進み、自治体窓口での導入が加速しています。専門用語・文脈理解の能力が大幅に向上し、医療・法律・行政手続きなど高度な分野での活用が現実化しています。

育成就労施行への対応

育成就労制度(2027年4月1日施行予定)施行に向け、監理支援機関は「母国語等での相談対応」が許可要件のため、多言語翻訳システムの導入が事実上不可欠となります。監理支援機関の許可申請受付は2026年4月15日開始済で、システム導入準備が加速しています。

受入企業との関係

採用面接・職場安全教育

受入企業は採用面接・職場安全教育・産業医面談などでタブレット型翻訳端末を活用できます。語学スタッフの確保が難しい中小企業でも、多言語翻訳システムの導入で外国人材の活用が現実化します。

産業翻訳のコスト削減

VoiceTra・VoiceBiz・みらい翻訳などを業務用途で活用することで、産業翻訳のコスト削減が可能となります。社内文書翻訳・マニュアル整備・契約書翻訳などで、従来の翻訳会社委託より大幅にコストを抑えられます。

監理支援機関の必須ツール

育成就労施行(2027年4月1日施行予定)で、監理支援機関は母国語等での相談対応が許可要件となるため、多言語翻訳システムの導入が事実上不可欠となります。受入企業も監理支援機関との連携でシステム活用が広がる見込みです。

災害時の通訳支援

救急ボイストラ・VoiceTraは災害時の避難所や救急現場で活用されます。受入企業も自社の災害時対応マニュアルにこれら公的ツールを組み込むことで、外国人従業員の安全確保に貢献できます。

よくある質問(FAQ)

Q. VoiceTraはどう活用できますか?

A. NICT公式のスマートフォン無料アプリで、33言語対応の音声翻訳が利用できます。受入企業の採用面接・職場安全教育・日常業務指示・健康相談など、対面コミュニケーションの基本ツールとして活用できます。

2026年2月のVer.9.2.0リリースで、タミル語・ベンガル語が追加され南アジア圏にも対応強化されました。ダウンロード数は1,500万を突破しています。

Q. 救急ボイストラとは?

A. 2017年4月に消防庁とNICTが共同開発した救急現場向けの翻訳ツールです。全国の消防本部へ提供開始済で、令和元年度から救急自動車へのタブレット端末配備に地方交付税措置がなされています。

命に関わる緊急時の通訳支援として、外国人住民の救急搬送・医療対応の質を大幅に向上させる重要なツールです。

Q. 民間翻訳サービスとの違いは?

A. NICT公式のVoiceTraは無料で利用できる公的ツールです。VoiceBiz(凸版印刷)・みらい翻訳・ヤラク翻訳など民間サービスは、NICTの翻訳エンジンをライセンス契約で活用しつつ、企業向けに業務特化機能(用語登録・セキュリティ強化・専門分野対応)を提供します。

受入企業の用途に応じて、公的ツールと民間サービスを使い分けることが推奨されます。

Q. 育成就労施行で重要性は?

A. 育成就労制度(2027年4月1日施行予定)では、監理支援機関は「母国語等での相談対応」が許可要件のため、多言語翻訳システムの導入が事実上不可欠となります。

監理支援機関の許可申請受付は2026年4月15日開始済で、システム導入準備が加速しています。受入企業も監理支援機関との連携で活用機会が広がる見込みです。

Q. AI同時通訳の進化はどう影響しますか?

A. 逐次翻訳から同時通訳技術への発展が進み、面接・OJT・健康相談など対面コミュニケーションの実用化が進む見通しです。生成AI連動による高精度化で、専門用語・文脈理解の能力が大幅に向上しています。

2026年2月20日の第9回自動翻訳シンポジウムでも最新技術動向が共有され、自治体・受入企業での実用化が加速しています。

参考資料

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