外国人防災リーダーとは?
外国人防災リーダーとは、地域に住む外国人住民の中から選出・育成され、災害時に他の外国人住民への情報提供・避難誘導・通訳・避難所運営支援などを担う人材を指します。
「支援される側」から「共に支える側」へ外国人住民を位置づけ直す多文化共生の防災モデルとして、自治体・国際交流協会が研修プログラムを通じて育成します。地域コミュニティの自助・共助の担い手として、また行政との橋渡し役として機能します。
総務省「地域における多文化共生推進プラン」(2020年改訂)で「外国人住民を地域社会の担い手として位置づける」方針が示され、各自治体・国際交流協会が独自に研修プログラムを開発しました。岡山県総社市が平成25年度(2013年)から先駆的に外国人防災リーダー養成を開始し、岐阜県、新潟県、神奈川県、東京都中野区、福井県越前市、三重県亀山市など全国で取り組みが拡大しています。
育成就労制度(2027年4月1日施行予定)施行で地域定着する外国人労働者が増加することが想定され、外国人防災リーダーの役割は一層重要になります。
外国人防災リーダーの主な役割
災害時の情報提供・通訳
災害時に他の外国人住民への情報提供・通訳を担います。同じ母語・文化背景を持つリーダーが、被災状況や避難情報を効果的に伝達することで、行政の情報発信を補完します。
避難誘導・避難所運営支援
災害発生時の避難誘導・避難所運営支援に従事します。日本の避難所運営ルールを母語で説明し、外国人住民が安心して避難生活を送れる環境を整える役割を担います。
行政との橋渡し役
自治体・国際交流協会との橋渡し役として機能します。外国人住民の声を行政に伝え、行政情報を外国人住民に届ける双方向のコミュニケーション基盤として、多文化共生のコミュニティづくりに貢献します。
平時からの防災啓発
平時から外国人住民向けの防災啓発を行います。地域防災訓練への参加促進、ハザードマップの説明、災害時行動の周知などを通じて、平時からの備えを地域コミュニティに浸透させます。
基本情報と各地の事例
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度的根拠 | 総務省「地域における多文化共生推進プラン」(2020年改訂済) |
| 養成主体 | 自治体・国際交流協会 |
| 育成方法 | 研修プログラム(修了時に認定) |
| 先駆的事例 | 岡山県総社市(平成25年度・2013年から養成開始) |
| 2024年8月3日 | 東京都中野区で第1回外国人防災リーダー講座、4人がANIC認定 |
| 2024年10月 | 三重県亀山市が育成研修を実施 |
| 2025年 | 総社市で新たに13人が外国人防災リーダーに加わる、小松市国際交流協会との交流実施済 |
| 2025年9月 | 神戸市で留学生14名が「多文化防災リーダー」に選出済 |
| 岐阜県 | 「3講座以上受講で登録」という体系的な研修制度を運用 |
| 新潟県国際交流協会 | 年10回の研修を実施 |
総社市はベトナム人住民の比率が高く(外国人住民の54.8%)、ベトナム人リーダーが多文化共生の防災モデルとして注目を集めています。全国で取り組みが拡大しており、地域特性に応じた多様な養成プログラムが整備されています。
最新動向(2024-2026年)
2024年8月東京都中野区第1回講座
2024年8月3日に東京都中野区で第1回外国人防災リーダー講座が開かれ、中野区国際交流協会(ANIC)から4人が認定済です。首都圏での先駆的な取り組みとして注目されています。
2024年10月三重県亀山市実施
2024年10月に三重県亀山市が育成研修を実施しました。地方都市での外国人防災リーダー育成の好事例として、東海地方での取り組みが進んでいます。
2025年総社市新規13人と小松市交流
2025年には総社市で新たに13人が外国人防災リーダーに加わり、小松市国際交流協会との交流も実施済です。自治体間連携による外国人防災リーダーのネットワーク構築が進んでいます。
2025年9月神戸市留学生14名認定
2025年9月には神戸市で留学生14名が「多文化防災リーダー」に選出済です。留学生を活用した多言語防災リーダー育成の新しいモデルとして注目されています。
受入企業との関係と育成就労施行への対応
社員の地域コミュニティ参画支援
受入企業は労働者の地域コミュニティ参画・防災リーダー研修受講を支援することが期待されます。社員のリーダーシップ向上と地域貢献の両面で、長期定着型の人材戦略に寄与します。
監理支援機関の生活オリエンテーション
監理支援機関は生活オリエンテーションの一環として防災教育を組み込む必要があります。育成就労施行(2027年4月1日施行予定)に向け、防災リーダー候補の発掘・育成も視野に入れた包括的な生活支援体制の構築が求められます。
研修プログラムの体系化
自治体・国際交流協会は研修プログラムの体系化、リーダー同士のネットワーク化、災害時派遣体制の整備を進めています。岐阜県の「3講座以上受講で登録」モデル、新潟県国際交流協会の年10回研修など、体系的な養成体制が整備されています。
育成就労施行による役割拡大
育成就労制度(2027年4月1日施行予定)施行では、地域に定着する外国人労働者が増加することが想定され、外国人防災リーダーの役割は一層重要になります。受入企業・自治体・国際交流協会の連携で、リーダー育成と地域防災体制構築が同時に進む見込みです。
よくある質問(FAQ)
Q. 外国人防災リーダーになるには?
A. 自治体・国際交流協会が実施する研修プログラムを修了する必要があります。岐阜県の「3講座以上受講で登録」モデル、新潟県国際交流協会の年10回研修、岡山県総社市の養成プログラムなど、自治体ごとに異なる体系で実施されています。
地域コミュニティへの貢献意欲、母語・日本語の両方の能力、防災への関心が求められます。
Q. どんな活動をしますか?
A. 災害時の情報提供・通訳、避難誘導・避難所運営支援、行政との橋渡し役、平時の防災啓発などが主な活動です。「支援される側」から「共に支える側」への転換を実現する多文化共生の防災モデルです。
地域コミュニティの自助・共助の担い手として、また行政との橋渡し役として機能します。
Q. 全国どこにありますか?
A. 岡山県総社市(平成25年度から先駆的養成開始)、岐阜県、新潟県、神奈川県、東京都中野区、福井県越前市、三重県亀山市、神戸市など全国で取り組みが拡大しています。地域特性に応じた多様な養成プログラムが整備されています。
受入企業の所在地自治体での実施状況を確認し、社員のリーダー研修参加機会を検討することが推奨されます。
Q. 受入企業はどう関わるべきですか?
A. 社員の地域コミュニティ参画・防災リーダー研修受講の支援、業務時間との調整、研修参加への評価制度組み込みなどが効果的です。社員のリーダーシップ向上と地域貢献の両面で、長期定着型の人材戦略に寄与します。
育成就労施行(2027年4月1日施行予定)に向けて、地域定着する外国人労働者の増加が見込まれ、リーダー候補の発掘・育成が経営戦略の重要な要素となります。
Q. 育成就労施行で防災リーダーの役割は?
A. 育成就労制度(2027年4月1日施行予定)施行で、地域に定着する外国人労働者が増加することが想定され、外国人防災リーダーの役割は一層重要になります。
監理支援機関は生活オリエンテーションの一環として防災教育を組み込み、自治体・国際交流協会は研修プログラムの体系化・リーダー同士のネットワーク化・災害時派遣体制の整備を進めています。
参考資料
- [1] 総社市「外国人防災リーダー」
- [2] 岐阜県「外国人防災リーダー育成研修」
- [3] 越前市「外国人市民防災リーダーの活動」
- [4] CLAIR「多文化共生ポータルサイト 災害事例」
- [5] CLAIR「災害時の多言語支援」