用語集 多文化共生・社会統合

外国人児童生徒への日本語指導がいこくじんじどうせいとへのにほんごしどう

外国人児童生徒への日本語指導とは?

外国人児童生徒への日本語指導とは、日本語能力が不足し、学校生活や教科学習で支援が必要な児童生徒に対し、公立小中高校で行われる体系的な日本語教育です。

「特別の教育課程」(2014年4月施行済)に基づき、在籍学級の教育課程の一部の時間に替えて、在籍学級以外の教室(取り出し授業)で実施することが制度化されています。授業時数は年間10〜280単位時間を標準とし、日本語指導担当教員(教員免許保有者)が中心となり、日本語指導補助者・母語支援員が支援します。

2014年1月14日に学校教育法施行規則第56条の2が公布され、2014年4月1日に「特別の教育課程」が施行済となりました。2024年8月8日公表の令和5年度調査で、日本語指導が必要な児童生徒は69,123人(2014年比約1.9倍)に達しています。

育成就労制度(2027年4月1日施行予定)施行で家族帯同児童の増加が見込まれる中、日本語指導の質量両面の充実が急務です。

「特別の教育課程」での日本語指導

取り出し授業の実施

「特別の教育課程」では、在籍学級の教育課程の一部の時間に替えて、在籍学級以外の教室(取り出し授業)で日本語指導を実施できます。日本語能力不足の児童生徒が個別・少人数で集中的に日本語を学ぶことが可能となります。

年間10〜280単位時間の指導

授業時数は年間10〜280単位時間を標準とします。児童生徒の日本語能力レベルに応じて柔軟に設定され、個別ニーズに対応した指導計画が組まれます。

3層の指導体制

指導体制は3層で構成され、3者の連携で包括的な支援を実現します。

①日本語指導担当教員(教員免許保有者)が中心
②日本語指導補助者が日本語による指導補助
③母語支援員が児童生徒の母語による生活・学習支援

DLA評価ツール

評価ツールとして、文部科学省委託で東京外国語大学が開発した「DLA(外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメント)」が活用されています。令和7年4月(2025年4月)に改訂版が公開済で、より精緻な個別ニーズ把握が可能となっています。

日本語指導の基本情報と最新統計

項目内容
制度的根拠学校教育法施行規則第56条の2「特別の教育課程」(2014年4月施行済)
所管文部科学省
授業時数年間10〜280単位時間(標準)
実施形態取り出し授業(在籍学級以外の教室で個別・少人数指導)
3層の指導体制日本語指導担当教員/日本語指導補助者/母語支援員
評価ツールDLA(外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメント)
DLA改訂版公開令和7年4月(2025年4月)(施行済)
令和5年度日本語指導必要者数69,123人(2014年比約1.9倍)
日本語指導補助者約7,800人(令和5年度)
母語支援員約6,300人(令和5年度)
2026年度予定学校教育法施行規則改正で日本語指導補助者・母語支援員を学校職員として法令上位置づけ

令和5年度調査で日本語指導が必要な児童生徒は69,123人(2014年比約1.9倍)に達した一方、日本語指導補助者は約7,800人、母語支援員は約6,300人にとどまり、3分の1以上がボランティアという課題があります。専門人材確保が政策的重要課題となっています。

最新動向(2024-2026年)

2024年8月令和5年度調査公表

2024年8月8日公表の令和5年度調査(施行済)で、日本語指導が必要な児童生徒は69,123人(2014年比約1.9倍)に達しました。一方、日本語指導補助者は約7,800人、母語支援員は約6,300人にとどまり、3分の1以上がボランティアという課題が浮き彫りになりました。

2025年4月DLA改訂版公開

2025年4月にDLA(外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメント)改訂版が公開済です。文部科学省委託で東京外国語大学が開発したもので、より精緻な個別ニーズ把握による「特別の教育課程」編成が可能となっています。

2025年9月改定基本方針

2025年9月5日改定の基本方針(施行済)で、「特別の教育課程」の活用拡大が明記されました。日本語指導必要児童生徒の急増を受け、政府の重点施策として強化されています。

2026年度学校教育法施行規則改正予定

文部科学省は2026年度中に学校教育法施行規則を改正し、日本語指導補助者・母語支援員を学校職員として法令上位置づける方針を固めました(2026年2月報道、規則改正は2026年度予定)。専門人材の処遇向上と確保強化につながる重要な制度改正です。

受入企業との関係と育成就労施行

社員家族子女の編入後支援

受入企業の社員家族子女が公立学校に編入する際、「特別の教育課程」による日本語指導が活用できます。所在地自治体・教育委員会の支援体制を確認し、社員家族へ案内することが重要です。

加配教員配置と専門人材確保

自治体・教育委員会は加配教員配置と母語支援員の確保が課題です。受入企業として地域連携を通じて、これら専門人材の確保支援に貢献できます。

DLAによる個別ニーズ把握

DLA(外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメント)による個別ニーズ把握から「特別の教育課程」編成までの一連の運用が、共生社会の基盤となります。2025年4月の改訂版公開で、より精緻な対応が可能となっています。

育成就労施行への対応

2027年4月施行予定の育成就労制度で家族帯同児童の増加が見込まれる中、日本語指導の質量両面の充実が急務です。受入企業の社員子女が編入する公立学校では取り出し授業の充実が必要となり、自治体・教育委員会は加配教員配置と母語支援員の確保が課題です。

よくある質問(FAQ)

Q. 「特別の教育課程」とは何ですか?

A. 2014年4月施行の学校教育法施行規則第56条の2に基づく制度で、日本語能力が不足する児童生徒が在籍学級の教育課程の一部の時間に替えて、在籍学級以外の教室で日本語指導を受けられる枠組みです。

授業時数は年間10〜280単位時間が標準で、児童生徒の日本語能力レベルに応じて柔軟に設定されます。

Q. 指導体制はどうなっていますか?

A. 3層で構成されます:①日本語指導担当教員(教員免許保有者)が中心、②日本語指導補助者が日本語による指導補助、③母語支援員が児童生徒の母語による生活・学習支援。

令和5年度時点で日本語指導補助者約7,800人、母語支援員約6,300人が配置されていますが、3分の1以上がボランティアという課題があります。

Q. DLAとは何ですか?

A. DLA(外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメント)は、文部科学省委託で東京外国語大学が開発した日本語能力評価ツールです。2025年4月に改訂版が公開され、より精緻な個別ニーズ把握による「特別の教育課程」編成が可能となっています。

対話形式で日本語能力を評価する手法で、児童生徒の実際の運用能力を測ることができます。

Q. 受入企業はどう関わるべきですか?

A. 社員家族子女の編入後支援、所在地自治体・教育委員会の支援体制の確認、専門人材確保への地域連携貢献などが効果的です。育成就労施行(2027年4月予定)に向けて、家族帯同児童の教育支援は企業の重要な責任となります。

特定技能2号取得者の家族支援を視野に入れた、長期的な地域連携体制の構築が推奨されます。

Q. 2026年度の制度改正は?

A. 文部科学省は2026年度中に学校教育法施行規則を改正し、日本語指導補助者・母語支援員を学校職員として法令上位置づける方針を固めました。専門人材の処遇向上と確保強化につながる重要な制度改正です。

育成就労施行(2027年4月予定)に向けた制度的準備の一環として、教育現場の体制強化が進められています。

参考資料

用語集
お問い合わせ 03-5772-7338平日(10:00~19:00)
LINE