外国につながる子どもとは?
外国につながる子ども(「外国にルーツを持つ子ども」とも呼称)とは、国籍を問わず、本人または両親のいずれかが外国出身である属性を持つ子どもの総称です。
具体的には①外国籍の子ども、②日本国籍だが外国生まれの子ども、③両親のいずれかが外国出身の日本生まれの子ども(第二世代)、④難民2世など無国籍の子どもを含む包括的な概念です。
文部科学省の公的統計では「外国人児童生徒」(外国籍)と「日本語指導が必要な児童生徒(日本国籍含む)」が併用され、自治体・支援団体では「外国につながる子ども」が定着しつつあります。2024年8月8日公表の令和5年度調査で、日本語指導が必要な児童生徒は69,123人(前回令和3年度比+10,816人、2014年比約1.9倍)に達しました。
育成就労制度(2027年4月1日施行予定)施行を見据え、生涯にわたる支援を視野に入れた多文化共生政策が強化されています。
「外国につながる子ども」の多様な属性
外国籍の子ども
日本に居住する外国籍の子どもです。両親も外国籍で、来日後に学齢期を迎えるケースが代表的です。日本語指導が必要な児童生徒の多数を占めます。
日本国籍だが外国生まれの子ども
両親のいずれかが日本人で、外国で生まれた日本国籍の子どもです。日本に帰国・移住後、日本語能力不足から学校生活適応に課題を抱えるケースがあります。
第二世代(日本生まれ)
両親のいずれかが外国出身で、日本で生まれた子どもです。日本国籍の場合と外国籍の場合の両方があり、日本語が母語となるケースが多いものの、家庭言語・文化背景による学習課題を抱えることがあります。
難民2世・無国籍の子ども
難民認定者・申請中の子ども、無国籍の子どもなど、特殊な状況の子どもも「外国につながる子ども」に含まれます。これら子どもには特別な配慮が必要となります。
基本情報と最新統計
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 本人または両親のいずれかが外国出身である属性を持つ子どもの総称 |
| 類似呼称 | 「外国にルーツを持つ子ども」 |
| 所管 | 文部科学省 |
| 公的統計の用語 | 外国人児童生徒(外国籍)/日本語指導が必要な児童生徒(日本国籍含む) |
| 令和5年度日本語指導必要者数 | 69,123人(2014年比約1.9倍、令和3年度比+18.6%) |
| うち外国籍 | 57,718人 |
| うち日本国籍 | 11,405人 |
| 外国籍母語別上位 | ポルトガル語20.8%・中国語20.6% |
| 日本国籍母語別上位 | 日本語30.5%・フィリピノ語19.4% |
| 2025年9月改定基本方針 | 「日本人と外国にルーツを持つ子どもが共に学ぶ環境」の創出が明記 |
1990年の入管法改正による日系人受入れ拡大以降、ブラジル・ペルー系を中心に学齢期児童が急増しました。文部科学省は1991年度から「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」を実施し、属性の多様化を反映するため2008年度調査から日本国籍の児童生徒も統計対象に含めました。これにより「外国籍だけが対象ではない」という認識が政策上も確立しました。
最新動向(2024-2026年)
2024年8月令和5年度調査公表
2024年8月8日公表の令和5年度調査で、日本語指導が必要な児童生徒は69,123人に達し、2014年比約1.9倍となりました。前回令和3年度比でも+10,816人(+18.6%)と急増しており、外国につながる子どもへの教育支援が急務となっています。
母語別の多様性
外国籍児童生徒の母語別ではポルトガル語20.8%・中国語20.6%が上位ですが、日本国籍では日本語30.5%・フィリピノ語19.4%が多くなっています。家庭言語と国籍の組み合わせの多様性が、教育現場での個別対応の必要性を高めています。
2025年9月改定基本方針
2025年9月5日改定の基本方針(施行済)では「日本人と外国にルーツを持つ子どもが共に学ぶ環境」の創出が明記されました。包摂的な学校づくりが政府の重点施策として強化されています。
育成就労施行への対応
2027年4月施行予定の育成就労制度を見据え、自治体(特に集住都市会議参加自治体)は「外国につながる子ども」の生涯に渡る支援を視野に入れた多文化共生政策を強化しています。受入企業も社員家族(将来的な特定技能2号移行後)の就学準備、地域日本語教室との連携が求められます。
受入企業との関係
社員家族の子どもへの配慮
受入企業は社員の家族構成・子どもの教育状況を把握し、就学支援・日本語学習支援の必要性を確認することが重要です。第二世代の子どもにも、家庭言語・文化背景による学習課題があるケースがあります。
地域日本語教室との連携
地域日本語教室は外国につながる子ども向けの学習支援も行っているケースが多く、受入企業はこれら地域リソースとの連携で、社員家族の子の教育支援を充実できます。
多文化共生のキャリア人材として
第二世代の外国につながる子どもは将来、多言語人材・多文化人材として日本のグローバル化を支える存在です。受入企業は長期的視点で、これら人材の育成・採用を視野に入れた地域連携が推奨されます。
育成就労施行への対応
育成就労(2027年4月1日施行予定)の特定技能2号移行後は家族帯同が可能となり、外国につながる子どもの増加が見込まれます。受入企業の所在地自治体での教育環境整備の進展状況確認が、人材戦略の重要な要素となります。
よくある質問(FAQ)
Q. 「外国につながる子ども」と「外国人児童生徒」の違いは?
A. 「外国人児童生徒」は外国籍の子どもに限定した狭義の用語、「外国につながる子ども」は国籍を問わず本人または両親のいずれかが外国出身である包括的な総称です。日本国籍だが外国生まれ、第二世代、難民2世なども含みます。
自治体・支援団体では「外国につながる子ども」が定着しつつあり、より包括的な支援を可能にする用語として使用されます。
Q. 日本国籍だが日本語指導が必要なケースとは?
A. 両親のいずれかが外国出身で、家庭言語が日本語以外のケース、外国で生まれて日本に来た日本国籍の子ども、日本国籍取得時に日本語能力が不足しているケースなどです。令和5年度調査で11,405人が該当しています。
母語別では日本語30.5%・フィリピノ語19.4%が多く、家庭環境による日本語能力の個人差が背景にあります。
Q. 第二世代の支援はなぜ重要ですか?
A. 第二世代は日本生まれですが、家庭言語・文化背景による学習課題を抱えることがあります。「ダブルリミテッド」(日本語も母語も中途半端)となるリスクを防ぐため、適切な支援が必要です。
2025年9月改定基本方針では「日本人と外国にルーツを持つ子どもが共に学ぶ環境」の創出が明記され、第二世代を含めた包摂的支援が政府方針として位置づけられています。
Q. 統計上の用語が複数あるのはなぜですか?
A. 国籍別の正確な統計把握のため「外国人児童生徒」(外国籍)、教育上のニーズ把握のため「日本語指導が必要な児童生徒」(日本国籍含む)、包括的な支援対象として「外国につながる子ども」と、目的別に複数の用語が併用されています。
2008年度調査から日本国籍の児童生徒も統計対象に含められ、属性の多様化が反映されるようになりました。
Q. 育成就労施行で支援対象は増えますか?
A. 育成就労制度(2027年4月1日施行予定)では原則家族帯同不可ですが、特定技能2号移行後は配偶者・子の帯同が可能となり、中長期的に外国につながる子どもの増加が見込まれます。
自治体・受入企業は生涯にわたる支援を視野に入れた多文化共生政策の強化が求められます。長期定着型の人材戦略の重要な要素です。