地域における多文化共生推進プランとは?
「地域における多文化共生推進プラン」は、総務省が2006年3月27日に策定済の、自治体の多文化共生施策の指針(総行国第79号通知)です。
「国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的ちがいを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていく地域づくり」を理念とし、都道府県・市区町村が多文化共生推進計画を策定する基本枠組みを示しています。
2020年9月に14年ぶりに改訂済で、社会経済情勢(在留外国人増・特定技能創設・デジタル化・気象災害激甚化)を踏まえ、4つ目の柱「地域活性化の推進やグローバル化への対応」が新設されました。
育成就労制度(2027年4月1日施行予定)施行を控え、転籍可能化により地域定着・コミュニティ統合の重要性が増し、本プランの実装力が一段と問われる時代となっています。
改訂後(2020年9月)の4つの柱
①コミュニケーション支援
多言語化・やさしい日本語・日本語教育を中核とするコミュニケーション支援です。地域日本語教室の整備、自治体広報・行政手続きの多言語化、やさしい日本語の活用などが含まれます。育成就労施行に向けた日本語教育機会確保とも連動しています。
②生活支援
教育・労働・医療・住居・防災・社会保障などの多面的な生活支援です。子の教育保障、医療通訳、住宅入居支援、防災情報の多言語化、社会保険加入支援などを総合的に推進します。
③意識啓発と社会参画支援
旧「多文化共生の地域づくり」を発展させた柱で、不当な差別的言動の解消・図書館を交流の場と位置づけなどが盛り込まれています。ヘイトスピーチ解消法(2016年6月施行済)との連携も含めた幅広い意識啓発が進められています。
④地域活性化の推進やグローバル化への対応
2020年9月改訂で新設された4つ目の柱です。留学生の地域定着、外国人住民の能動的参画を通じた地域活性化を促進します。多文化共生を地域の活力源として位置づける現代的な視点が組み込まれています。
プランの基本情報と歴史
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 地域における多文化共生推進プラン |
| 所管 | 総務省自治行政局国際室 |
| 初版策定 | 2006年3月27日(総行国第79号通知)(施行済) |
| 改訂 | 2020年9月(14年ぶり)(施行済) |
| 理念 | 文化的ちがいを認め合い、対等な関係で地域社会の構成員として共に生きる地域づくり |
| 初版の3つの柱 | コミュニケーション支援/生活支援/多文化共生の地域づくり |
| 改訂後の4つの柱 | コミュニケーション支援/生活支援/意識啓発と社会参画支援/地域活性化の推進やグローバル化への対応 |
| 実施主体 | 都道府県・市区町村・国際交流協会 |
| 支援機関 | CLAIR(自治体国際化協会) |
2020年9月の改訂は、特定技能制度創設(2018年)・在留外国人急増・コロナ禍・気象災害激甚化・デジタル化など、社会経済情勢の大きな変化を踏まえたものです。4つ目の柱「地域活性化」が新設され、多文化共生を地域の活力源として捉える現代的視点が組み込まれました。
最新動向(2024-2026年)
2024年度多文化共生地域会議
令和6年度(2024年度)は全国6ブロックで多文化共生地域会議が開催済です。市町村開催経費に特別交付税措置が講じられ、地方自治体での実装力強化が政策的に支援されています。
2025年2月総務省国際室発表
2025年2月13日、総務省自治行政局国際室が「多文化共生社会に向けた自治体連携への国の支援」を関係省庁会議で発表しました。自治体間連携の強化・国の支援体制整備が今後の政策方向性として示されています。
2025年度地域会議の開催予定
令和7年度(2025年度)は6ブロックで多文化共生地域会議を開催予定(一部実施済)です。地域横断的な実践事例の共有・課題協議の場として継続実施されています。
自治体の第2次・第3次プラン策定
各自治体が改訂版に対応した第2次・第3次プランを策定中です。名古屋市第3次プランなど、先進的な自治体では具体的な実装計画が次々と公表されています。
受入企業との関係
自治体の生活オリエンテーションとの連携
受入企業は自治体の生活オリエンテーション・日本語教室との連携を活用できます。社内研修だけでは補えない地域固有の生活情報・防災・行政手続きなどを、自治体の支援体制と組み合わせて提供できます。
地域貢献活動への参画
地域日本語教室への寄付・会場提供、社員ボランティア派遣、地域行事への参加など、地域貢献活動への参画がCSR活動として企業ブランディングにも寄与します。多文化共生政策の実装に企業として貢献できます。
CLAIRの支援活用
自治体国際化協会(CLAIR)が多文化共生支援機関として機能しています。多文化共生ポータルサイト、事例集、研修プログラムなどのリソースを、受入企業も活用できます。
育成就労施行への対応
育成就労制度(2027年4月1日施行予定)では転籍可能化により地域定着・コミュニティ統合の重要性が増します。本プランの4つの柱に沿った地域支援体制を、企業と自治体・地域コミュニティが連携して構築することが鍵となります。
よくある質問(FAQ)
Q. プランの4つの柱とは?
A. ①コミュニケーション支援(多言語化・やさしい日本語・日本語教育)、②生活支援(教育・労働・医療・住居・防災・社会保障)、③意識啓発と社会参画支援、④地域活性化の推進やグローバル化への対応、の4つです。
2020年9月改訂で4つ目の柱「地域活性化」が新設され、多文化共生を地域の活力源として位置づける現代的視点が組み込まれました。
Q. 2020年改訂のポイントは?
A. 14年ぶりの改訂で、社会経済情勢(在留外国人増・特定技能創設・デジタル化・気象災害激甚化)を踏まえ、4つ目の柱「地域活性化の推進やグローバル化への対応」を新設した点が画期的です。
③の柱では「意識啓発と社会参画支援」として、ヘイトスピーチ解消法(2016年施行)との連携、図書館を交流の場と位置づけるなど現代的内容が強化されました。
Q. 受入企業はプランをどう活用できますか?
A. 4つの柱を参考に、自社の外国人材支援戦略と自治体・地域コミュニティとの連携を設計できます。コミュニケーション支援は地域日本語教室との連携、生活支援は自治体の生活オリエンテーション、社会参画は地域行事への参加奨励などが具体的な活用方法です。
育成就労施行(2027年4月1日施行予定)に向けて、本プランに沿った地域連携を経営戦略に組み込むことが、長期定着型の人材戦略として効果的です。
Q. CLAIRとは何ですか?
A. 自治体国際化協会(Council of Local Authorities for International Relations)の略で、自治体の国際化施策を支援する機関です。多文化共生ポータルサイト、事例集、研修プログラムなどのリソースを提供しています。
受入企業も自治体・国際交流協会と連携する際の参考情報源として活用できます。
Q. 育成就労施行で本プランの重要性は?
A. 育成就労制度(2027年4月1日施行予定)では転籍可能化により、地域定着・コミュニティ統合の重要性が増します。本プランの実装力が一段と問われる時代となります。
受入企業・自治体・国際交流協会・地域日本語教室の連携が、外国人材のキャリア形成と地域定着の両立を支える基盤となります。本プランは地域レベルでの統合的支援の指針として機能します。