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二国間協定締結国(19か国)にこくかんきょうていていけつこく

二国間協定締結国(19か国)とは?

二国間協定締結国とは、特定技能制度における二国間取決め(MOC:Memorandum of Cooperation、協力覚書)を日本政府と締結している外国人材送出国を指します。

currentDate時点(2026年5月)で19か国と締結済で、悪質な仲介事業者の排除と特定技能外国人の円滑かつ適正な送出受入の確保を目的としています。法的拘束力のある条約ではなく、両国の主管庁間で交わされる行政間協力枠組みです。

2019年4月の特定技能制度施行時には12か国体制でスタートし、その後インド、マレーシア、キルギス、タジキスタンなどが順次追加されて19か国に拡大しました。

育成就労制度(2027年4月1日施行予定)では、「原則としてMOC作成国からのみ受入れる」運用に切り替わる予定であり、未締結国は受入対象から外れる可能性があるため、各国政府との交渉が継続中です。

19か国の締結状況

国名MOC締結(・更新)時期
ベトナム2019年7月1日
フィリピン2019年3月19日
カンボジア2019年3月25日
ネパール2019年3月25日
ミャンマー2024年3月29日更新(5年間有効)
モンゴル2019年4月17日
スリランカ2019年6月19日
インドネシア2024年6月25日更新
バングラデシュ2019年8月27日
ウズベキスタン2019年12月17日
パキスタン2019年以降
タイ2019年2月
インド2021年1月18日
マレーシア2021年5月
ラオス2022年7月28日
キルギス2024年7月6日
タジキスタン2024年8月8日
ペルー締結済(ラテンアメリカ唯一)
その他合計19か国

19か国の中で最大送出国はベトナムで、2025年6月末時点の特定技能在留者336,196人のうち148,486人(44.2%)を占めます。次いでインドネシア・フィリピン・ミャンマーなどが主要供給国となっています。MOC締結は各国別個に交渉されるため、締結年や更新状況は国により大きく異なります。

MOCに含まれる主な内容

悪質な送出機関・受入機関の排除

両国政府間で悪質な送出機関・受入機関の情報共有を行い、ブラックリスト化や認定取消などの協調的な対応を可能としています。これにより、労働者保護と適正な人材送出が制度的に担保されます。

送出機関の認定・監督に関する協力

送出機関の認定基準・監督体制について両国が情報を共有し、品質確保のための協力枠組みを定めています。送出国側の認定状況は日本側でも確認可能となっています。

帰国旅費等の費用負担

労働者の帰国旅費等の費用負担に関する両国の取り決めや責任分担を明確化しています。労働者の経済的負担軽減と保護を目的としています。

二国間協議の枠組み

定期的な二国間協議の枠組みを設置し、運用上の問題点・改善事項について継続的に協議する場を確保しています。これにより、MOC締結後も両国関係が安定的に発展する基盤を提供します。

中国・MOC未締結国からの受入について

中国はMOC未締結でも受入可能

中国は特定技能MOCを締結していませんが、特定技能制度はMOC締結を受入要件としていないため、中国籍の特定技能在留者も2024年12月末時点で17,645人と一定規模存在しています。ただしMOC未締結のため、悪質仲介排除の制度的枠組みは弱く、自己責任での信頼できるリクルートチャネル選定が重要となります。

育成就労制度では原則MOC作成国から

育成就労制度(2027年4月1日施行予定)では、「原則としてMOC作成国からのみ受入れる」運用に切り替わる予定です。中国を含むMOC未締結国は育成就労での受入対象から外れる可能性があり、現在も各国政府との交渉が継続しています。

技能実習MOCとは別の覚書

特定技能MOCと技能実習MOCは別個に締結されており、同じ国でも締結時期や内容が異なります。技能実習MOCは17か国程度と締結済で、育成就労MOCはcurrentDate時点で全国とも未締結ですが、暫定送出機関リストで準備が進行中です。

最新の締結状況確認

MOC締結国の最新一覧は、出入国在留管理庁の公式サイトで継続的に更新されています。受入企業は採用予定国のMOC状況を必ず最新情報で確認し、リスク管理を行うことが推奨されます。

受入実務上の意義

項目MOC締結国MOC未締結国
悪質仲介排除制度的に担保自己責任
送出機関認定政府間で情報共有個別確認が必要
査証発給の円滑化運用協力あり標準審査
育成就労参加原則可能原則不可(予定)
主要例ベトナム・インドネシア等19か国中国など

受入企業はMOC締結国からの採用を優先することで、悪質仲介排除のリスクを低減し、安定的な人材確保が可能となります。育成就労制度への対応も視野に入れ、MOC締結国を軸とした送出国ポートフォリオの構築が推奨されます。

よくある質問(FAQ)

Q. MOC未締結国から特定技能で採用できますか?

A. はい、可能です。特定技能制度はMOC締結を受入要件としていないため、中国などMOC未締結国からも採用できます。実際、中国籍の特定技能在留者は2024年12月末で17,645人と一定規模存在しています。

ただし、悪質仲介排除の制度的枠組みが弱いため、信頼できるリクルートチャネル選定の自己責任が大きくなります。リスク管理の観点から、MOC締結国を優先するのが実務上のスタンダードです。

Q. 育成就労ではMOC未締結国は採用できなくなりますか?

A. 育成就労制度(2027年4月1日施行予定)では「原則としてMOC作成国からのみ受入れる」運用に切り替わる予定です。MOC未締結国は育成就労での受入対象から外れる可能性があります。

現在も各国政府との交渉が継続中で、育成就労MOCの締結状況は順次変動する見込みです。中国などの主要MOC未締結国の動向も含め、最新の出入国在留管理庁公表情報を継続的にウォッチすることが推奨されます。

Q. 19か国の最新リストはどこで確認できますか?

A. 出入国在留管理庁公式サイト(特定技能に関する二国間の協力覚書)で最新一覧が公開されています。MOC本文(英文・和訳)も同サイトで確認可能です。

新規締結や更新があると順次更新されるため、採用計画の段階で最新版を必ず確認することが推奨されます。各国の送出機関認定状況や認定取消情報も同サイトで確認できます。

Q. 特定技能MOCと技能実習MOCは別ですか?

A. はい、別個の覚書です。技能実習・特定技能・育成就労の3制度それぞれで個別にMOC締結が必要となります。同じ国でも、技能実習MOCは2017〜2018年頃、特定技能MOCは2019年以降に締結されたケースが多く見られます。

育成就労MOCはcurrentDate時点(2026年5月)で全国とも未締結ですが、暫定送出機関リスト(2026年3月下旬以降OTIT公表)で準備が進行中です。3制度それぞれの締結状況を別途確認する必要があります。

Q. MOC締結国でも採用時の注意点はありますか?

A. MOC締結はあくまで政府間の協力枠組みであり、個別の送出機関の品質を保証するものではありません。送出機関の認定状況・過去の違反歴・手数料水準などは個別に確認する必要があります。

また、ミャンマーOWIC運用変更(2024-2025年複数回)など、MOC締結後も送出国側の運用変更があるため、最新情報の継続的なウォッチが重要です。登録支援機関や監理団体と密に連携することが推奨されます。

参考資料

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