用語集 技能実習関連

保証金徴収禁止ほしょうきんちょうしゅうきんし

保証金徴収禁止とは?

保証金徴収禁止とは、外国人技能実習制度・特定技能制度において、送出機関・監理団体・実習実施者・受入機関などが、外国人本人またはその親族から保証金や違約金を徴収することを禁じる法令上の規定です。

技能実習法・入管法等で明確に違法とされており、違反した場合は認定取消・受入停止・刑事罰の対象となります。本規定は技能実習生・特定技能外国人の人身売買的な拘束を防止することが目的です。

過去には送出機関や監理団体による保証金徴収・違約金設定が問題化しており、二国間取決め(協力覚書)にも保証金禁止が明記されるなど、国際的な人権保護の観点からも厳格な遵守が求められています。

具体的な意味・内容

禁止される行為

外国人本人または親族からの保証金徴収(金銭・有価証券・不動産担保等の徴収)、違約金設定(実習途中で帰国した場合等の損害賠償の事前合意)、身柄拘束契約(自由意思に反する拘束を内容とする契約)などが該当します。

対象となる組織

送出機関(母国側)、監理団体(日本側)、実習実施者(受入企業)、登録支援機関、受入機関(特定技能)など、外国人材受入れに関わるすべての組織が対象です。一次組織だけでなく、それらを介在する二次・三次の関係者にも適用されます。

違反時の処分

違反が発覚した場合、組織は認定取消・許可取消・受入停止処分の対象となります。さらに刑事罰(業として行った場合は技能実習法違反として懲役・罰金)の対象にもなります。送出機関の場合は送出国政府による認定取消処分も適用されます。

受入機関の確認義務

受入機関・監理団体は、提携する送出機関が保証金徴収を行っていないことを確認する義務があります。実習生面談・契約書類確認・送出機関の実績調査などを通じて、確認体制を整備する必要があります。

関連する法律・制度

項目内容
主な根拠法令技能実習法、出入国管理及び難民認定法、特定技能省令
禁止される行為保証金徴収、違約金設定、身柄拘束契約
対象組織送出機関・監理団体・実習実施者・登録支援機関・受入機関
確認義務受入機関・監理団体は提携先の遵守状況を確認
違反時の処分認定取消、許可取消、受入停止、刑事罰
二国間取決め各国との協力覚書(MOC)にも保証金禁止が明記
育成就労制度との関係2027年4月施行の育成就労制度でも同様の規定が継承

実務上の注意点

送出機関の選定時の確認

送出機関選定時に、保証金徴収・違約金設定の有無を必ず確認します。OTIT認定送出機関リストに記載されていることが基本要件で、認定基準には保証金禁止の遵守が含まれます。

入国後講習での周知

入国後講習の法的保護講習で、保証金徴収禁止の権利と相談窓口について実習生に明示することが必須です。実習生本人が違反を認識した際の通報体制が機能する前提となります。

手数料との混同注意

送出機関への正規の手数料(事前教育費・送出事務費等)は禁止対象ではありませんが、手数料の透明性公表が要求されます。手数料額を不当に高額にして実質的な保証金とする行為は脱法行為として処分対象です。

違反発覚時の対応

受入機関・監理団体が違反を発覚した場合、即座にOTIT・出入国在留管理庁への通報が必要です。隠蔽は組織自体の処分対象となります。

関連用語との違い

項目保証金正規手数料労働者の負担金
性格身柄拘束目的の金銭徴収事前教育・送出事務の対価受入機関が労働者に負担させる費用
合法性違法・禁止合法(透明性が条件)原則違法(外国人本人転嫁禁止)
対象組織送出機関・監理団体等送出機関受入機関・JAC等

よくある質問

Q. 送出機関の手数料は禁止対象ですか?

A. 正規の事前教育費・送出事務費等の手数料は禁止対象ではありません。ただし、手数料の算出基準を公表し、本人が十分理解した上で徴収することが要件です。

Q. 受入機関は送出機関の保証金徴収を確認できますか?

A. 完全な確認は困難ですが、認定送出機関リストの活用、実習生本人への面談、契約書類の精査、送出機関の実績調査などで一定の確認は可能です。OTITによる送出国政府との情報共有も活用されます。

Q. 違約金条項は本当に違法ですか?

A. はい、明確に違法です。実習途中の帰国で損害賠償を事前合意する条項は技能実習法違反となり、契約自体が無効となります。

Q. 違反を発見した実習生はどこに相談すれば?

A. OTIT母国語相談センター(多言語対応)、監理団体、出入国在留管理庁の相談窓口に通報できます。法的保護講習で連絡先が周知されます。

参考資料

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