用語集 技能実習関連

技能実習1号ぎのうじっしゅういちごう

技能実習1号とは?

技能実習1号とは、外国人技能実習制度における最初の段階の在留資格で、入国1年目(最長1年間)の実習期間に該当します。

技能実習制度は1993年の制度創設以来、開発途上国への技能移転による国際貢献を建前として運用されてきましたが、2027年4月1日の育成就労法施行により段階的に廃止され、新制度「育成就労」へ移行する流れにあります。

技能実習1号には「技能実習1号イ(企業単独型)」「技能実習1号ロ(団体監理型)」の2区分があり、団体監理型(1号ロ)が全体の約97%を占めます。

1号期間中に技能検定基礎級等に合格すると技能実習2号への移行が可能です。

制度の背景

技能実習制度の所管は、出入国在留管理庁・厚生労働省で、運用は外国人技能実習機構(OTIT)が担います。技能実習1号は同制度の入口であり、入国後講習・実習・基礎技能の習得を主目的としています。

2024年6月14日に育成就労法(改正入管法)が成立し、技能実習制度は2027年4月1日施行の育成就労制度へ段階的に移行することが確定しました。施行後は新規の技能実習受入は原則廃止となります。

主な種類と要件

① 技能実習1号イ(企業単独型)

項目内容
受入主体日本の企業が海外現地法人・取引先企業から直接受け入れる形態
在留期間最長1年
主な要件送出機関との関係、企業の実習実施能力、実習計画の認定
割合全体の約3%

大手企業が海外子会社・関連企業から技能実習生を直接受け入れる形態です。グループ内人材育成を目的とすることが多く、独自に送出機関と関係を構築する必要があります。

② 技能実習1号ロ(団体監理型)

項目内容
受入主体監理団体(事業協同組合・商工会議所等)を通じた受入れ
在留期間最長1年
主な要件監理団体の許可、実習実施者の認定、実習計画の認定
割合全体の約97%

中小企業が監理団体を通じて技能実習生を受け入れる形態で、現状の技能実習制度の主流です。監理団体が送出機関との連携・実習実施者への監査・技能実習生の保護を担います。

立場別の実務ポイント

入国後講習(160時間以上)

入国後最初の1〜2か月間に実施される講習で、日本語・日本での生活一般・労働関係法令・技能実習生の保護等を学びます。講習中は実習実施者で雇用契約に基づく労働は不可で、講習費用も実習実施者の負担です。

技能検定基礎級等の受験

1号修了前に技能検定基礎級または相当する技能評価試験に合格すると、技能実習2号への移行が可能です。試験不合格の場合は2号に移行できず、帰国となります。

実習計画の認定

技能実習1号の受入には、外国人技能実習機構(OTIT)による実習計画認定が必須です。実習目標・実習内容・実習方法・労働条件などを具体的に記載した計画書を提出します。

2027年4月以降の運用

2027年4月以降は新規の技能実習1号受入は原則廃止され、育成就労制度へ移行します。施行時点で在留中の技能実習生は経過措置により従来どおり実習を継続できる予定です。

類似制度との比較

技能実習1号と類似の入口制度(特定技能1号、育成就労)を比較すると、目的・期間・転籍可否などに違いがあります。

項目技能実習1号特定技能1号育成就労(2027年〜)
制度の目的技能移転による国際貢献労働力確保人材育成と労働力確保
在留期間最長1年最長5年(通算)最長3年
転籍原則不可同一区分内で可制限期間(1〜2年)後に可
家族帯同不可不可不可
新規受入2027年廃止予定継続2027年4月開始

技能実習制度は「技能移転」を建前としていたため転籍が原則不可でしたが、育成就労制度では「人材確保」を目的に明確化され、転籍制限期間経過後は本人意向の転籍が認められる設計になっています。

よくある質問

Q. 技能実習1号修了後、必ず2号へ移行できますか?

A. 技能検定基礎級等の合格と本人の継続意思、実習実施者の継続受入が揃えば移行可能です。試験不合格や継続意思の欠如があれば帰国となります。

2号への移行率は職種により異なりますが、合格率の低い職種では1号修了で帰国となるケースもあります。

Q. 入国後講習中も給与は支払われますか?

A. 講習中は雇用契約上の労働ではないため、賃金(給料)は支給されません。代わりに講習手当(生活費相当)が実習実施者から支給されます。

講習手当の金額は実習実施者ごとに異なりますが、生活困窮を防ぐ水準が求められます。

Q. 2027年以降、新たに技能実習1号を取得できますか?

A. 2027年4月以降は新規の技能実習1号受入は原則廃止されます。新規受入は育成就労制度に移行します。

施行時点で在留中の技能実習生は経過措置により従来どおり実習を継続できる予定です。

Q. 技能実習1号で家族を呼べますか?

A. 不可能です。技能実習制度では1号〜3号いずれの段階でも家族帯同は認められていません

家族帯同を希望する場合は、特定技能2号や在留資格「介護」など他の在留資格への移行が必要です。

参考資料

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