法的保護講習とは?
法的保護講習とは、外国人技能実習制度における入国後講習の必須科目のひとつで、技能実習生が日本での労働・生活で受ける法的保護について学ぶ合計8時間以上の講習です。
技能実習法・入管法・労働関係法令・その他法的保護に関する情報を体系的に教育し、実習生の権利保護と労働トラブル防止を目的とします。
講師は社会保険労務士・行政書士・弁護士など法律の専門家が担当することが要件で、外国人技能実習機構(OTIT)の運用要領で実施基準が定められています。
入国後講習全体(合計176時間程度)の中で重要な位置を占める科目です。
必要になる場面
技能実習1号入国直後
技能実習1号として入国した直後に実施される入国後講習の中で、必修科目として実施されます。実習開始前の最初の1〜2か月の間に集中して受講します。
監理団体・受入企業による実施
団体監理型では監理団体が主催・実施します。企業単独型では受入企業(実習実施者)が主催・実施しますが、外部委託(JITCO等の専門機関への依頼)も可能です。
講習の手順・実施基準
- 監理団体(または受入企業)が法的保護講習の実施計画を作成し、講師(社会保険労務士・行政書士等)を確保する。
- 本人が十分理解できる言語(母国語または英語)で講習を実施する。通訳者を介する場合は通訳の質も重要。
- 4分野(技能実習法令、入管法令、労働関係法令、その他法的保護)について各2時間以上を目安に合計8時間以上を実施する。
- 講習終了後、出席簿・講習記録を作成し、OTITへの報告に備えて保管する。
- 講習修了後、技能実習生が現場での実習を開始する。実習中の相談窓口の連絡先も周知する。
注意点・よくある失敗
講師の資格要件
講師は社会保険労務士・行政書士・弁護士などの法律専門家でなければなりません。法律知識のない監理団体職員や実習実施者社員が講習することは認められません。
本人理解可能な言語での実施
講習は本人が十分理解できる言語で実施することが要件です。日本語のみで実施し本人の理解が伴わない場合、技能実習法違反となります。多言語の通訳・翻訳資料の準備が不可欠です。
8時間の確保
合計8時間以上の実施が必須です。短縮実施は認められず、4分野×2時間以上を確実に実施する必要があります。実習計画認定でも実施時間の記載が確認されます。
記録の保管
講習の出席簿・講習内容の記録は1年以上保管する必要があります。OTITによる定期検査・臨時検査で確認される対象です。
類似書類との違い
| 項目 | 法的保護講習 | 入国後講習(全体) | 事前ガイダンス(特定技能) |
|---|---|---|---|
| 対象制度 | 技能実習 | 技能実習 | 特定技能 |
| 時間 | 8時間以上 | 合計160時間以上(22日相当) | 3時間以上 |
| 講師 | 社労士・行政書士等の専門家 | 監理団体職員等 | 受入企業・登録支援機関 |
| 主な内容 | 法令・法的保護 | 日本語・生活・専門知識・法的保護 | 労働条件・在留資格・保護 |
よくある質問
Q. 講師は誰が務めますか?
A. 社会保険労務士・行政書士・弁護士などの法律専門家が務めます。監理団体や受入企業の職員(法律専門家でない者)は講師になれません。
Q. 講習の費用は誰が負担しますか?
A. 入国後講習全体の費用は監理団体または実習実施者の負担です。実習生本人に負担させることはできません。
Q. オンライン形式での実施は可能ですか?
A. 一定の条件下でオンライン実施が認められる場合がありますが、本人の理解確認・出席記録の管理など要件があります。OTITの最新運用要領で確認してください。
Q. 4分野の内容を変更できますか?
A. 技能実習法令・入管法令・労働関係法令・その他法的保護の4分野は必須です。各2時間以上を目安に合計8時間以上を実施することが要件です。