二国間取決めとは?
二国間取決めとは、外国人技能実習制度を適正かつ円滑に運用するために、日本国政府と送出国政府との間で結ばれる協力覚書(MOC:Memorandum of Cooperation)です。
送出機関の認定・悪質な送出機関の排除・実習生の保護・情報共有などを目的とし、両国政府の責任分担を明確にします。出入国在留管理庁・厚生労働省・外務省が共同で締結を担っています。
2026年現在、ベトナム・カンボジア・インド・フィリピン・ラオス・モンゴル・バングラデシュ・スリランカ・ミャンマー・ブータンなどの主要送出国との間で取決めが結ばれています。
特定技能制度においても同様の二国間協力覚書(MOC)が別途締結されています。
具体的な意味・内容
認定送出機関の指定
各送出国政府が認定送出機関のリストを作成し、外国人技能実習機構(OTIT)に提供します。技能実習生は認定送出機関を経由してのみ送出されることが原則となり、悪質ブローカーの介在を防ぎます。
保証金・違約金の禁止
送出機関が技能実習生から保証金を徴収したり、違約金を設定する行為は明確に禁止されています。二国間取決めにより両国政府がこの禁止を確認し、違反送出機関は認定取消の対象となります。
送出機関の選定・監督
送出国政府が送出機関の認定・監督を担い、認定基準を満たさない機関や違反事例の発覚した機関を認定リストから除外します。日本側は認定リスト記載の送出機関のみとの提携を推奨されます。
情報共有・苦情処理
両国政府の窓口同士が情報共有・苦情処理を実施します。技能実習生からの苦情・トラブルが両国政府に共有され、適切な是正措置がとられる仕組みです。
関連する法律・締結状況
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠 | 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)等 |
| 所管省庁 | 出入国在留管理庁・厚生労働省・外務省 |
| 主な締結国(技能実習) | ベトナム、カンボジア、インド、フィリピン、ラオス、モンゴル、バングラデシュ、スリランカ、ミャンマー、ブータン等 |
| 形式 | 協力覚書(MOC:Memorandum of Cooperation) |
| 主な内容 | 認定送出機関の指定、保証金・違約金の禁止、情報共有・苦情処理、両国政府窓口の設置 |
| 特定技能との関係 | 特定技能制度でも同様の二国間協力覚書が別途締結 |
| 育成就労との連動 | 2027年4月施行の育成就労制度でも二国間取決めの仕組みが継承される予定 |
実務上の注意点
認定送出機関リストの確認
OTIT公式サイトで各国の認定送出機関リストが公開されています。監理団体・受入企業は、提携予定の送出機関がリストに記載されていることを必ず確認する必要があります。
国により取決め内容に差異
取決め内容は国ごとに若干の差異があります。送出機関手数料の上限・送出プロセス・苦情処理窓口などが国により異なるため、対象国の取決め内容を個別に確認する必要があります。
未締結国からの受入
二国間取決め未締結国からの技能実習生受入は不可能ではありませんが、実質的に困難です。OTITによる送出機関認定の適切性確認が困難なため、新規受入は推奨されません。
2027年以降の運用
2027年4月の育成就労制度施行後も、二国間取決めの枠組みは継承される見込みです。送出機関認定の仕組みも引き続き活用される予定で、悪質ブローカー排除の制度的基盤として機能します。
関連用語との違い
| 項目 | 二国間取決め(技能実習) | 二国間協力覚書(特定技能) | EPA(経済連携協定) |
|---|---|---|---|
| 対象 | 技能実習生の送出・受入 | 特定技能外国人の送出・受入 | EPA介護福祉士候補者等 |
| 形式 | 協力覚書(MOC) | 協力覚書(MOC) | 政府間条約 |
| 主な機能 | 送出機関認定・実習生保護 | 送出手続標準化・実習生保護 | 個別受入枠の設定 |
よくある質問
Q. 認定送出機関リストはどこで確認できますか?
A. 外国人技能実習機構(OTIT)公式サイトで各国の認定送出機関リストが公開されています。提携前に必ず確認してください。
Q. 二国間取決めはどんな国と結ばれていますか?
A. ベトナム、フィリピン、カンボジア、インドネシア、タイ、ミャンマー、ラオス、マレーシア
、ネパール、スリランカ、インド、バングラデシュ、ブータン、パキスタン、中国、モンゴル
ウズベキスタンと結ばれています。
技能実習では中国との間にMOCが存在しますが、特定技能では2026年現在も締結されていません。
Q. 特定技能の二国間協力覚書とは別ですか?
A. 別の制度です。技能実習用の二国間取決めと特定技能用の二国間協力覚書は別個に締結されています。両方とも目的は類似ですが、対象在留資格が異なります。
Q. 2027年以降の運用は?
A. 育成就労制度施行後も二国間取決めの枠組みは継承される見込みです。送出機関認定の仕組みは引き続き活用されます。