外国人技能測定試験とは?
外国人技能測定試験とは、特定技能1号・2号の在留資格取得にあたり、分野別の技能水準を測定するための試験のうち、特に「技能測定試験」の名称が用いられる試験の総称です。
特定技能制度では分野によって試験の正式名称が異なり、農業・漁業・外食業・飲食料品製造業では「技能測定試験」、介護・建設・宿泊・造船舶用工業などでは「評価試験」と呼ばれていますが、本質的機能(分野ごとの即戦力水準の測定)は同じです。
外国人技能測定試験はCBT(コンピュータベーステスト)方式で国内外の主要都市で実施され、日本語試験(JFT-Basic A2相当またはJLPT N4以上)と合わせて両方に合格することで、特定技能1号の在留資格取得が可能となります。
2026年度からはOTAFF(外国人食品産業技能評価機構)が実施する外食業・飲食料品製造業の技能測定試験がCBT方式に完全移行し、試験実施頻度と会場数が大幅に拡大されます。
試験名称と分野の対応
「技能測定試験」と「評価試験」は呼称が異なるだけで、いずれも特定技能の在留資格取得に必要な技能水準を客観的に測定する試験です。
分野ごとに試験の正式名称を把握しておくことが、採用実務で混乱を避けるポイントになります。
① 「技能測定試験」と呼ばれる分野
| 農業 | 1号農業技能測定試験(耕種農業全般・畜産農業全般の2区分)、2号農業技能測定試験 |
|---|---|
| 漁業 | 1号漁業技能測定試験(漁業・養殖業の2区分)、2号漁業技能測定試験 |
| 外食業 | 外食業特定技能1号技能測定試験、外食業特定技能2号技能測定試験 |
| 飲食料品製造業 | 飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験 |
「技能測定試験」の呼称は主に農林水産省所管の分野で採用されています。
OTAFF(外国人食品産業技能評価機構)が外食業・飲食料品製造業を、全国農業会議所が農業を、大日本水産会が漁業の試験を実施しており、それぞれ独自の試験体系で運営されています。
② 「評価試験」と呼ばれる分野
| 介護 | 介護技能評価試験、介護日本語評価試験(追加要件) |
|---|---|
| ビルクリーニング | ビルクリーニング分野特定技能1号・2号評価試験 |
| 工業製品製造業 | 製造分野特定技能1号・2号評価試験 |
| 建設 | 建設分野特定技能1号評価試験、建設分野特定技能2号評価試験 |
| 造船・舶用工業 | 造船・舶用工業分野特定技能1号・2号評価試験 |
| 自動車整備 | 自動車整備分野特定技能1号・2号評価試験 |
| 航空 | 航空分野特定技能1号・2号評価試験 |
| 宿泊 | 宿泊分野特定技能1号・2号評価試験 |
| 新規4分野(自動車運送業・鉄道・林業・木材産業) | それぞれ「分野特定技能1号評価試験」として整備中 |
「評価試験」は主に厚生労働省・経済産業省・国土交通省所管の分野で採用されています。
両呼称の違いは各分野所管省庁・業界団体の命名経緯によるもので、制度的に異なるわけではありません。受験者にとっては、いずれも特定技能の資格取得に必要な試験として同等の効力を持ちます。
③ 試験の構成(例:1号技能測定試験)
| 試験時間 | 分野により30〜90分程度 |
|---|---|
| 出題形式 | マークシート/CBT方式の多肢選択式(2〜4択、○×問題) |
| 学科試験 | 分野固有の専門知識、安全衛生、法令等 |
| 実技試験 | CBT上での作業手順・判断問題。実物を用いる場合もあり |
| 合格基準 | 分野により異なるが、多くは正答率65%以上 |
| 試験問題例 | 外食業1号:学科40問+実技5問、宿泊業1号:学科30問+実技6問、農業1号:約70問(リスニング含む) |
関連する制度・最新動向
外国人技能測定試験は特定技能制度の運用状況に応じて継続的に整備・改定されており、2025〜2027年にかけて複数の重要な制度変更が進行しています。
OTAFF試験のCBT完全移行(2026年度〜)
外食業・飲食料品製造業の技能測定試験を実施するOTAFFは、2026年度から国内試験をCBT方式に完全移行します。これまでの年3回・全国約13会場・オンライン抽選制から、原則通年実施・全国数十会場に大幅拡大され、受験機会が劇的に増加します。試験内容・合格基準・受験料は変更されません。
2024年追加4分野の試験整備
2024年3月閣議決定で追加された自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野では、2025年から試験実施が本格化しました。これらの分野は「評価試験」として整備されています。
2026年追加3分野(リネンサプライ・物流倉庫・資源循環)
2026年1月23日の閣議決定で追加された3分野は、試験制度の整備中で、2027年頃の試験実施開始が見込まれます。名称も今後確定していく予定です。
2027年4月育成就労制度との関係
2027年4月施行予定の育成就労制度では、育成就労期間の修了時に特定技能1号評価試験または技能検定3級の合格が必須となります。技能測定試験は育成就労から特定技能1号への移行ルートでも活用される予定です。
技能実習2号修了者の試験免除
技能実習2号を良好に修了した外国人で、関連業務への移行の場合は技能測定試験・日本語試験の両方が免除されます。業務関連性がない場合は日本語試験のみ免除となり、移行先分野の技能測定試験は受験が必要です。
実務上の注意点
外国人技能測定試験は分野ごとに実施団体・日程・申込方法が異なるため、自社の採用対象分野の試験情報を正確に把握することが重要です。試験合格は特定技能資格取得の必須要件となるため、計画的な受験サポートが採用成功の鍵となります。
分野固有の試験情報を正確に把握
「技能測定試験」と「評価試験」の呼称の違いを認識した上で、自社分野の正式名称・実施団体・試験日程・受験料・会場を確認します。OTAFF(外食業・飲食料品製造業)、農業会議所(農業)、大日本水産会(漁業)、Prometric(多くの分野)など実施団体が多岐にわたります。
受験機会の拡大への対応
2026年度からOTAFF試験がCBT方式に移行し、外食業・飲食料品製造業の受験機会が大幅拡大します。従来のオンライン抽選制では試験枠が不足し採用時期を逃すケースがありましたが、通年実施により採用計画の柔軟性が高まります。
合格証明書の管理
試験合格後は実施団体から合格証明書が発行されます(有効期間は合格日から10年間)。在留資格申請時に必須の添付書類となるため、合格後すぐにPDF保管とクラウドバックアップを実施することが推奨されます。
受験料の負担
受験料は分野により異なり、外食業1号で7,000円(税込)、他分野も数千円〜1万円程度が相場です。法令上の規定はありませんが、実務上は受入企業が採用関連費用として負担するケースが増えています。雇用契約書・重要事項説明書で費用負担を明記することが推奨されます。
2号試験の難易度への備え
2号技能測定試験は1号より高度な熟練技能水準を測定します。外食業2号の2025年9-10月実施分は合格率57.8%でしたが、分野により合格率は大きく異なります。2号試験には免除ルートがないため、計画的な学習支援体制の整備が重要です。
関連用語との違い
外国人技能測定試験に関連する類似概念として、評価試験・技能検定・技能実習評価試験などがあります。それぞれの制度的位置付けを整理することで、採用実務や候補者サポートが的確に行えます。
| 試験名 | 対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| 外国人技能測定試験 | 特定技能志望者(農業・漁業・外食業・飲食料品製造業) | 分野別の即戦力水準を測定、「技能測定試験」の名称を採用 |
| 特定技能評価試験 | 特定技能志望者(介護・建設・宿泊等多数の分野) | 「技能測定試験」と機能は同じ、「評価試験」の名称を採用 |
| 技能検定 | 日本人労働者・技能実習生等 | 職業能力開発促進法に基づく国家検定 |
| 技能実習評価試験 | 技能実習生 | 実習の進級・修了判定(技能検定と同等水準) |
| JFT-Basic | 特定技能志望者中心 | 日本語基礎能力の測定、技能測定試験と併せて必要 |
| JLPT | 日本語学習者全般 | 日本語能力の国際標準試験、技能測定試験の代替として利用可能 |
「技能測定試験」と「評価試験」は呼称が異なるだけで実質的には同じ制度ですが、実施団体・試験日程・受験料・会場は分野ごとに独立しています。
求人分野に応じて適切な試験名を案内することが、候補者の混乱を防ぎ採用プロセスを円滑化する鍵となります。
よくある質問
Q. 「技能測定試験」と「評価試験」は何が違いますか?
A. 両者とも特定技能の在留資格取得に必要な分野別技能試験で、機能・目的は同じです。
呼称の違いは分野所管省庁・業界団体の命名経緯によるもので、農業・漁業・外食業・飲食料品製造業では「技能測定試験」、介護・建設・宿泊・製造業など多数の分野では「評価試験」が用いられます。
受験者から見れば、いずれも特定技能の資格取得に必要な試験として同等の効力を持ちます。
Q. 外食業・飲食料品製造業の試験が2026年度から変わるとは?
A. OTAFFが実施する外食業・飲食料品製造業の特定技能1号技能測定試験が、2026年度からCBT方式(Prometricを活用)に完全移行します。
これまでは年3回・全国約13会場でのオンライン抽選制でしたが、2026年度からは原則通年実施・全国数十会場で受験可能になり、受験機会が大幅に拡大します。
試験内容・合格基準・受験料は変更されません。
Q. 技能測定試験にはどのような受験資格が必要ですか?
A. 国内で受験する場合、17歳以上(インドネシア国籍の方は18歳以上)で、在留資格を有している外国人であることが基本要件です。短期滞在の在留資格でも受験可能です。
ただし、退学・除籍留学生、失踪した技能実習生、「特定活動(難民申請)」の在留資格保有者、技能実習等の計画作成が求められる在留資格で現に在留中の方などは受験資格が制限されます。
海外試験は国・地域により独自の受験資格要件があります。
Q. 合格率はどのくらいですか?
A. 分野・試験回により大きく異なります。直近のデータでは、外食業2号技能測定試験(2025年9-10月)が57.8%(1,469名受験、849名合格)でした。
1号試験は全般的に2号より合格率が高く、農業・外食業等では60〜80%程度、建設分野の2号は9%台と分野により差が大きい傾向です。
出入国在留管理庁や各実施団体の公式サイトで分野別・回別の実施状況が公表されています。
Q. 合格証明書は何年有効ですか?
A. 技能測定試験・評価試験の合格証明書は、合格日から10年間有効です。在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請の際の必須添付書類となります。
合格後すぐに証明書をPDF保管し、クラウドバックアップを取ることが推奨されます。
紛失時の再発行には実施団体ごとに手続きが用意されていますが、数週間を要する場合があるため原本管理が重要です。