用語集 在留資格・ビザ関連

特定活動ビザとくていかつどうびざ

特定活動ビザとは?

特定活動ビザとは、ほかの就労系在留資格が職種・業種を類型化して許可しているのに対し、特定活動は「法務大臣が個々の外国人についてその活動を指定する」という柔軟な仕組みをとっている点が最大の特徴です。

ワーキング・ホリデー、EPA看護師・介護福祉士、外交官の家事使用人など、他の在留資格に分類しにくい多様な活動が一括して「特定活動」に位置づけられています。

特定活動は大きく「告示特定活動」と「非告示特定活動」の2つに分かれます。

告示特定活動は、あらかじめ法務省告示で活動内容が定められており、誰でも要件を満たせば申請できます。非告示特定活動は、告示に定めのない活動について個別に法務大臣が許可するもので、特別な事情がある外国人に限られます。

就労の可否・在留期間は許可された活動の種類によって異なり、一律ではありません。

制度の背景

制度の趣旨は、既存の在留資格の類型に当てはまらないが、日本に在留させることが妥当と判断される外国人を柔軟に受け入れることにあります。

近年では、2024年3月に「デジタルノマドビザ(特定活動)」が新設され、リモートワーク就労者が観光目的で最長6ヶ月滞在できる制度が整備されました。また、本邦大学等卒業者への就職活動支援(いわゆる「就活ビザ」)や、日系四世向けの文化・就労活動など、時代の変化に合わせた活動類型が継続的に追加されています。

主な種類と要件

① ワーキング・ホリデー

対象者日本とワーキング・ホリデー協定を締結している国・地域の18〜30歳(一部35歳以下)の若者
在留期間1年以内
就労可(ただし就労はあくまで滞在資金補充目的。特定業種のみ期間制限あり)
主な協定国オーストラリア・カナダ・英国・ドイツ・フランス・韓国・台湾・アイルランドなど26ヶ国・地域(2025年時点)

ワーキング・ホリデーは二国間協定に基づく制度で、休暇を主目的としつつ就労・就学も認められます。

滞在中の就労期間に制限がある場合や、同一事業所での就労が一定期間に限られる場合があるため、実習実施者や受入企業は協定内容を事前に確認する必要があります。

② EPA看護師・介護福祉士候補者

対象者インドネシア・フィリピン・ベトナムからの看護師・介護福祉士候補者
在留期間看護師候補者:最長3年、介護福祉士候補者:最長4年(国家試験合格後は更新制限なし)
就労可(受入機関での候補者業務に限定)

経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシア・フィリピン・ベトナムから看護師・介護福祉士の候補者を受け入れる制度です。

候補者は在留中に日本の国家試験合格を目指して研修・実務に従事し、合格後は継続的な就労が認められます。

③ 高度専門職外国人の就労する配偶者

対象者在留資格「高度専門職1号」保持者の配偶者
在留期間高度専門職保持者の在留期間に準ずる
就労可(通常の就労系在留資格に相当する活動が可能)

高度専門職外国人の配偶者は、通常必要とされる学歴・職歴要件を満たさない場合でも、特定活動として就労系在留資格に相当する活動が認められます。

これは高度専門職ビザの優遇措置のひとつであり、外国人高度人材の招致を後押しする制度です。

④ デジタルノマド(2024年3月新設)

対象者海外の企業・団体との契約に基づいてリモートで就労する外国人
在留期間6ヶ月以内(更新なし)
就労可(海外の雇用主との契約に基づく業務に限定。日本国内の事業者との新たな就労契約は不可)
年収要件1,000万円以上(外貨換算による)

2024年3月に新設されたデジタルノマド向けの特定活動です。

リモートワーカーが観光目的で日本に滞在しながら、海外の雇用主のもとで就労することを可能にします。日本国内の企業との新たな雇用契約は認められませんが、外国人観光者の長期滞在による経済波及効果を狙った制度です。

⑤ 日系四世向け特定活動

対象者日本にルーツを持つ四世(18〜30歳)
在留期間最長1年(更新1回まで、最長2年)
就労可(ただし就労はあくまで生活費補充の範囲)

日本語・日本文化の習得を目的に来日する日系四世を受け入れるための制度です。在留中はサポーターとなる受入機関が必要であり、就労は生活費補充の範囲内に限定されています。

立場別の実務ポイント

受入企業向けのポイント

  • 就労可否の確認
    特定活動は許可の内容によって就労できる場合とできない場合があります。採用前に必ず在留カードの「就労制限の有無」欄と指定書(パスポートに貼付)を確認してください。指定された活動以外の就労は資格外活動となり、不法就労助長罪に問われるリスクがあります。
  • 在留期間の管理
    特定活動の在留期間は活動の種類によって3ヶ月〜5年と幅があります。雇用継続を望む場合は在留期間の更新手続きが必要かどうかを確認し、更新期限前に対応できるよう社内管理体制を整えてください。
  • 変更・切り替えの検討
    ワーキング・ホリデーや就活ビザで在留中の外国人を採用する場合、雇用後は他の就労系在留資格(技術・人文知識・国際業務など)への変更が必要になるケースがほとんどです。採用決定後すみやかに在留資格変更申請を行うよう、対象者に案内することが重要です。

類似制度との比較

特定活動は「その他の在留資格に分類しにくい活動のための受け皿」です。

特定技能・技術・人文知識・国際業務など他の就労系在留資格との主な違いは、活動の柔軟性と、就労可否が個別許可の内容に依存する点にあります。

比較項目特定活動特定技能1号技術・人文・国際業務
活動の決め方法務大臣が個別に指定特定産業分野の業務専門知識を要する業務
就労可否許可内容による(可・不可が混在)
在留期間活動により3ヶ月〜5年通算5年上限最長5年(更新可)
家族帯同活動の種類による不可(1号)
転職指定活動の範囲内に限定同一分野内で可

特定活動はその内容の多様さゆえに、受入企業が在留資格の内容を正確に把握するためには個別の確認が欠かせません。

一方で、高度専門職配偶者の就労許可やデジタルノマドなど、他の在留資格では対応できないニーズを柔軟にカバーできる点が強みです。

よくある質問

Q. 特定活動ビザの外国人を雇用する際に注意すべき点は何ですか?

A. 最も重要なのは「指定書」の確認です。特定活動の外国人には、パスポートに指定書が貼付されており、許可された活動内容が記載されています。

在留カードの表面だけでなく、必ず指定書の内容を確認し、採用しようとしている業務が指定された活動の範囲内に含まれているかを判断してください。範囲外の業務に従事させると不法就労助長罪の対象になり得ます。

Q. ワーキング・ホリデービザの外国人を採用することはできますか?

A. 採用自体は可能ですが、在留期間が最長1年のため長期雇用には向きません。また、同一事業所での就労期間が一定期間に限られる協定もあります。

採用後に継続して雇用する場合は、技術・人文知識・国際業務など他の就労系在留資格への変更が必要です。在留期限が迫っている場合は変更申請を優先して進めてください。

Q. 就活ビザ(本邦大学等卒業者の特定活動)とはどのような制度ですか?

A. 日本の大学・大学院を卒業した留学生が、卒業後も引き続き就職活動を行うために在留を継続できる制度です。

在留期間は最大1年で、就職先が決まった後は速やかに就労系在留資格への変更申請を行う必要があります。受入企業としては、内定を出した際に在留資格変更の手続きを一緒にサポートすることが重要です。

Q. 非告示の特定活動とはどのような場合に認められますか?

A. 告示で定められた活動類型に当てはまらないが、個別の事情から日本に在留させることが妥当と法務大臣が判断した場合に認められます。

代表例として、日本人・永住者の配偶者と離婚・死別した後に引き続き在留を希望するケースや、難病治療のために滞在する場合などがあります。

参考資料

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