用語集 在留資格・ビザ関連

就労ビザしゅうろうびざ

就労VISAとは?

就労VISAとは、外国人が日本で働くために必要な在留資格の総称です。日本の法律上「就労ビザ」「就労VISA」という名称の資格は存在せず、出入国管理及び難民認定法(入管法)に定められた複数の在留資格をまとめてこう呼びます。

外国人が日本国内で報酬を得て働くためには、その業務に対応した在留資格を取得することが原則として必要です。

就労VISAは職種・業務内容・経歴・雇用形態によって種類が異なり、それぞれに要件・在留期間・活動制限が定められています。入管庁の統計によると、2024年10月末時点の専門的・技術的分野の外国人労働者数は718,812人(前年比20.6%増)で、届出義務化以降初めて最多の在留資格区分となりました。

少子高齢化による労働力不足を背景に、就労目的の外国人材は今後も増加が見込まれます。

制度の背景

就労VISAの根拠法は「出入国管理及び難民認定法(入管法)」です。同法の別表第一には就労が認められる在留資格が列挙されており、資格ごとに従事できる活動の範囲が定められています。法務省・出入国在留管理庁(入管庁)がこの制度を所管しており、申請から許可までの審査を行います。

日本の在留外国人数は2024年末時点で376万8,977人(前年比10.5%増)と過去最高を更新しており、就労目的の在留外国人はそのうち大きな割合を占めます。

政府は2019年に特定技能制度を新設し、2024年には対象分野を拡大するなど、外国人材の受入拡大を継続的に推進しています。また2024年6月には育成就労制度の創設を定めた改正法が成立し、2027年4月1日から技能実習制度に代わって施行される予定です。

就労VISAの取得には、海外から招へいする場合は在留資格認定証明書の交付申請が必要です。申請先は受入機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理局で、標準処理期間は1〜3ヶ月程度です。

日本国内で転職・資格変更を行う場合は在留資格変更許可申請が必要となります。

主な種類と要件

① 技術・人文知識・国際業務

対象となる職種ITエンジニア・通訳・翻訳・デザイナー・マーケター・営業(外国語使用)など
在留期間5年・3年・1年・3ヶ月
主な取得要件大学卒業以上、または専門学校卒業(専門士・高度専門士)、または10年以上の実務経験。業務と専攻・職歴の関連性が必要
家族帯同可(家族滞在ビザ)

日本で最も多く利用されている就労VISAのひとつです。

「技術」「人文知識」「国際業務」の3分野をカバーしており、ITエンジニアから通訳・デザイナーまで幅広い職種に対応しています。

給与は日本人と同等以上が条件で、単純労働には従事できません。2024年12月に改定されたガイドラインで、対象業務の範囲がさらに明確化されています。

② 高度専門職

対象となる活動高度学術研究活動・高度専門・技術活動・高度経営・管理活動の3類型
在留期間高度専門職1号:5年/高度専門職2号:無期限(更新可)
主な取得要件学歴・職歴・年収・日本語能力等をポイント制で評価し、70点以上が必要
家族帯同可(優遇措置あり)

「高度人材ポイント制」により評価された高度外国人材向けの在留資格です。

複数の活動を同時に行える、家族の就労範囲が広がるなど、通常の就労VISAにはない優遇措置が多数あります。

2号では在留期間の更新制限がなく、永住申請の要件期間も短縮されます。

③ 特定技能(1号・2号)

対象となる分野介護・建設・製造・外食業・農業・宿泊など特定産業分野(16分野)
在留期間1号:通算5年(更新可)/2号:更新制・上限なし
主な取得要件1号:各分野の技能試験+日本語試験合格、または育成就労(2027年〜)修了。2号:所定の技能試験合格
家族帯同1号:不可/2号:可

2019年に創設された在留資格で、人手不足が深刻な特定産業分野の即戦力となる外国人材を受け入れる制度です。

1号は同分野内での転職が可能で、2号は熟練技能者として長期就労・定住への道が開かれています。2027年からは育成就労制度との連携が強化され、育成就労修了者の特定技能1号への移行がスムーズに行われます。

④ 企業内転勤

対象となるケース外国の事業所から日本の関連事業所への転勤
在留期間5年・3年・1年・3ヶ月
主な取得要件転勤前の同一企業グループでの勤務が1年以上。技術・人文知識・国際業務に相当する業務に従事
家族帯同可(家族滞在ビザ)

外資系企業が海外のスタッフを日本法人へ転勤させる際に使われる在留資格です。

大学卒業の要件がなく、同一企業グループでの勤務実績で代替できる点が特徴です。ただし同一グループ内の転勤に限定されるため、転職には対応できません。

立場別の実務ポイント

受入企業の注意点

  • 在留資格と業務内容の一致確認
    雇用時に在留カード(表裏)を確認し、在留資格・在留期限・就労制限の有無を必ず確認してください。在留資格の範囲外の業務に従事させた場合、不法就労助長罪に問われるリスクがあります。
  • 在留期限の管理
    在留期限が切れると就労継続が不可能になります。有効期限の3〜4ヶ月前を目安に更新申請を開始できるよう、社内管理体制を整えることが重要です。
  • 業務内容変更時の確認
    人事異動や組織変更により業務内容が変わる場合、現在の在留資格の範囲を超えないか事前に確認してください。範囲外となる場合は在留資格変更許可申請が必要です。
  • 外国人雇用状況届出の提出
    外国人を採用・離職させた場合、ハローワークへの「外国人雇用状況届出」が義務付けられています。雇用保険被保険者の場合は雇用保険の手続きで代替可能です。

外国人本人の注意点

  • 資格外活動の禁止
    就労VISAで認められた範囲外の業務に従事することは「資格外活動」に当たり、退去強制や刑事罰の対象となります。副業・アルバイトを行う場合は「資格外活動許可」が必要です(許可取得後も原則週28時間以内)。
  • 転職時の手続き
    転職後14日以内に「契約機関に関する届出」を入管庁へ提出する義務があります。転職先の業務が現在の在留資格の範囲外の場合は、在留資格変更許可申請が必要です。
  • 在留期限内の更新申請
    在留期限の2〜3ヶ月前に更新申請を開始することが推奨されます。申請中は在留期限を超えても適法に在留できますが、申請を忘れると不法残留(オーバーステイ)になります。

類似制度との比較

就労VISAにはさまざまな種類があり、対象者・就労制限・転職の可否・家族帯同の可否などが異なります。

在留資格技術・人文知識・国際業務特定技能1号特定技能2号企業内転勤
主な対象大卒以上の専門・技術職特定産業分野の即戦力特定産業分野の熟練技能者グループ内転勤者
在留期間最長5年(更新可)通算5年更新上限なし最長5年(更新可)
転職同業務内なら可同分野内なら可同分野内なら可原則不可
家族帯同不可

身分に基づく在留資格(永住者・日本人の配偶者等・定住者など)は就労制限がなく、どの職種でも自由に働けます。

就労VISAは取得した在留資格の範囲内でしか就労できない点が身分系在留資格との最大の違いです。

特定技能2号は就労VISAの中では最も長期的な就労・定住が可能な資格であり、実質的に身分系在留資格に近い安定性を持っています。

よくある質問

Q. 就労VISAの申請にはどのくらいの時間がかかりますか?

A. 海外から呼び寄せる場合の在留資格認定証明書の交付申請は、標準処理期間が1〜3ヶ月です。

繁忙期や書類に不備がある場合はさらに長くかかることがあります。採用予定日の3〜4ヶ月前には申請を開始することが推奨されます。

証明書交付後、本人が現地の日本大使館・領事館でビザ申請を行う時間も必要なため、余裕を持ったスケジュールが重要です。

Q. 就労VISAの種類を間違えて申請してしまった場合はどうなりますか?

A. 就労VISAの種類と実際の業務内容が一致しない場合、在留資格外の活動として「資格外活動」となり、外国人本人は退去強制の対象になるリスクがあります。

受入企業も不法就労を知りながら雇用した場合は「不法就労助長罪」に問われる可能性があります。

採用前に業務内容と在留資格の対応を確認し、不明な場合は入管庁や専門家に相談することが重要です。

Q. 就労VISAを持つ外国人が転職した場合、手続きは必要ですか?

A. 転職後14日以内に「契約機関に関する届出」を入管庁へ提出する義務があります。

転職先の業務が現在の在留資格の範囲内であれば在留資格の変更は不要ですが、範囲外の場合は在留資格変更許可申請が必要です。

変更許可が下りる前に就労を開始すると資格外活動となるため、先に申請・許可取得を行うことが重要です。

Q. 就労VISAで副業やアルバイトはできますか?

A. 就労VISAで認められた活動以外の就労は、原則として「資格外活動」として禁止されています。

副業・アルバイトを行う場合は、入管庁から「資格外活動許可」を取得する必要があります。許可を得た場合でも、就労時間は原則として週28時間以内に制限されます。

無許可で就労した場合は在留資格の取消や退去強制の対象となるため、必ず事前に許可を取得してください。

Q. 就労VISAを持つ外国人の家族は日本に住めますか?

A. 技術・人文知識・国際業務や企業内転勤など多くの就労VISAは、配偶者や子どもを「家族滞在」ビザで日本に呼び寄せることが可能です。

ただし特定技能1号は原則として家族帯同が認められていません。

家族滞在ビザでは原則として就労できませんが、「資格外活動許可」を取得することで週28時間以内の就労が認められます。

参考資料

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