用語集 在留資格・ビザ関連

短期滞在ビザたんきたいざいびざ

短期滞在ビザとは?

短期滞在ビザとは、出入国在留管理庁が定める在留資格「短期滞在」の通称で、日本に一時的に滞在して観光・保養・スポーツ・親族訪問・見学・講習や会合への参加・業務連絡などを行う外国人に付与される資格です。

就労系ビザとは異なり、報酬を得る活動や事業運営はできない点が最大の特徴となります。

在留期間は90日・30日・15日のいずれかで、日本に最も多く発給されているビザ種別です。2025年9月時点で日本は74の国・地域とビザ免除協定を締結しており、該当国の国民は事前にビザを取得せずに入国できる点も重要なポイントです。

制度の背景

短期滞在ビザは、国際的な人的交流・観光・ビジネス活動を円滑にするために設けられた在留資格です。

他の就労系・身分系ビザと異なり、短期滞在ビザには在留資格認定証明書の制度がありません。このため申請は在外公館(大使館・総領事館)で直接行い、審査を経て発給される形となります。

報酬を得る活動は原則禁止されているため、短期ビジネスでの来日でも給与の支払いは日本側から行うことができません。ただし、臨時の講演料・原稿料などは例外的に「報酬」から除外されます。

主な種類と要件

短期滞在ビザは目的別に大きく「観光目的」「商用目的」「親族・知人訪問目的」の3つに分類されます。目的ごとに必要書類や審査のポイントが異なるため、来日の趣旨を明確にした上で申請することが重要です。

① 観光目的

対象となる活動観光旅行・保養・スポーツ観戦・文化体験・乗り継ぎ滞在など
在留期間90日・30日・15日
主な取得要件滞在費を賄える資力の証明、往復航空券または出国用航空券、滞在予定表

最も一般的な利用目的で、観光・レジャー目的の短期渡航が該当します。

ビザ免除国・地域の国民であればビザ不要で入国できますが、中国・ロシア・フィリピン・ベトナムなど免除対象外の国民は事前に短期滞在ビザの取得が必要です。日程の合理性や資力証明が審査のポイントとなります。

② 商用・業務目的

対象となる活動業務連絡・打ち合わせ・市場調査・展示会参加・商談・契約調印・アフターサービスなど
在留期間90日・30日・15日
主な取得要件招へい企業からの招へい理由書・滞在予定表、日本滞在中の報酬を受けないこと

出張・会議参加・商談など、報酬を伴わないビジネス活動が対象です。報酬は本国の会社から支払われ、日本側からの給与支給は認められません。

日本国内での営業活動・契約に基づく実際の業務遂行は短期滞在の範囲を超えるため、その場合は就労ビザの取得が必要になります。

③ 親族・知人訪問目的

対象となる活動日本に居住する親族・知人の訪問、冠婚葬祭への参列、短期の滞在
在留期間90日・30日・15日
主な取得要件招へい人からの招へい理由書・身元保証書、親族関係または知人関係を示す資料

日本に住む親族や知人を訪問するケースで、招へい人(日本側)の役割が重要となります。招へい人は招へい理由書で訪問目的と関係性を詳述し、身元保証人として滞在中の生活費・帰国担保を負担することを誓約します。

親族訪問は審査で比較的通りやすい一方、知人訪問は関係性の立証がより厳しく求められます。

立場別の実務ポイント

短期滞在ビザの申請は在外公館で行われますが、日本側の招へい人・身元保証人の役割も大きく影響します。申請人本人・招へい人(日本側)のそれぞれに押さえるべきポイントがあります。

申請人本人

資力・帰国意思の立証

預金残高証明書・在職証明書・家族関係を示す書類など、日本での滞在費用を賄える資力と、滞在終了後に本国へ帰国する意思を示す資料を用意します。審査では不法残留のリスクがないことが重視されるため、本国での安定した生活基盤を示すことが重要です。

来日履歴の整理

過去の来日経験がある場合は、パスポートの出入国スタンプで滞在歴を確認できるよう整理します。適切に帰国している履歴はポジティブに評価され、リピーターとして数次査証(マルチ査証)の取得につながる場合もあります。

招へい人(日本側)

招へい理由書の充実

招へい理由書には、招へいの経緯・目的・申請人との関係・滞在中のスケジュールを具体的に記載します。抽象的な「観光のため」「会いたいから」では不十分で、訪問の具体性と必然性を示すことが審査通過のカギとなります。

身元保証人の選定

身元保証人は、申請人の滞在費・帰国費用・法令遵守について保証する立場です。日本人または永住者など安定した身分の者が選ばれるのが一般的で、一定の年収・資産を示す課税証明書・預金残高証明書などの提出が求められます。

類似制度との比較

短期滞在ビザは他の就労系ビザとは性格が異なり、特に就労ビザや家族滞在ビザとの境界を理解することが重要です。また、ビザ免除制度と通常の短期滞在ビザの違いも押さえておく必要があります。

比較項目短期滞在就労ビザ家族滞在
主な目的観光・商用・訪問等日本企業での就労就労ビザ保有者の家族帯同
在留期間90日・30日・15日5年・3年・1年・3月5年・3年・1年・3月
就労可否不可(臨時報酬除く)可(資格の範囲内)資格外活動許可で週28時間まで
認定証明書なしありあり

短期滞在ビザは一時的な滞在のための資格で、就労ビザや家族滞在とは在留資格認定証明書の有無・申請ルート・就労可否で大きく異なります。

就労や長期滞在を想定する場合は、短期滞在ではなく該当する在留資格を最初から取得するのが原則です。

よくある質問

Q. ビザ免除国の国民はビザ申請が一切不要ですか?

A. 観光・短期商用等の短期滞在目的であれば、事前のビザ取得は不要です。パスポートだけで入国でき、上陸審査で短期滞在の在留資格が付与されます。

ただし、就労・長期滞在・報酬を得る活動を目的とする場合は免除対象外となり、該当する在留資格の事前取得が必要です。入国目的が短期滞在の範囲を超えると判断された場合、上陸拒否となる可能性もあるため注意してください。

Q. 短期滞在ビザは延長できますか?

A. 原則として延長はできません。ただし、病気・事故・災害など真にやむを得ない人道的事情がある場合に限り、例外的に延長が認められるケースがあります。

延長が認められた場合でも最長180日(90日+90日)が上限とされており、それを超える滞在には別の在留資格への変更が必要です。一度出国して再入国する「ビザラン」的な運用は不法滞在とみなされる可能性があるため厳禁です。

Q. 短期滞在から就労ビザへ変更できますか?

A. 原則として短期滞在から他の在留資格への変更は認められません。就労を希望する場合は、いったん出国して在留資格認定証明書を取得し、在外公館で新たに就労ビザを取得する流れになります。

ただし、日本人との結婚や親族の緊急事態など特別な事情がある場合は、在留資格変更が認められるケースもあります。通常は出国が必要と理解しておき、例外的な申請は行政書士や入管に事前相談することが推奨されます。

Q. 短期滞在中にアルバイトはできますか?

A. アルバイトを含む報酬を得る活動は一切認められていません。資格外活動許可も短期滞在では原則として取得できないため、短期滞在中の就労は完全に禁止と考えてください。

ただし、臨時の講演料・原稿料・コンサルティング料など、業務として継続的でない臨時的な報酬は「報酬」から除外される扱いです。判断が難しいケースでは、事前に入管に確認することが推奨されます。違反した場合は資格外活動違反で退去強制の対象となります。

参考資料

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