用語集 在留資格・ビザ関連

特別永住者ビザとくべつえいじゅうしゃびざ

特別永住者ビザとは?

特別永住者ビザとは、「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」(入管特例法)に基づく在留資格「特別永住者」を取得するためのビザです。

1952年のサンフランシスコ平和条約発効前から日本に在住し、条約締結により日本国籍を離脱することになった朝鮮・台湾出身者とその子孫が対象となります。

通常の在留資格とは異なる特別な法的根拠をもつ在留資格であり、就労制限がなく在留期間も無期限である点が特徴です。

在留管理においても、通常の外国人が携帯する「在留カード」ではなく「特別永住者証明書」が交付されます。また、ハローワーク(公共職業安定所)への外国人雇用状況届出義務も、特別永住者については免除されています。

日本社会に長く根付いた在日コリアン・在日中国人(台湾系)の方々が中心となっており、日本語が堪能で日本の文化・習慣を深く理解している方が多いことも特徴のひとつです。

制度の背景

特別永住者制度の歴史的背景は、第二次世界大戦前後の日本の植民地政策に遡ります。

戦前・戦中に旧日本植民地(朝鮮・台湾)から日本に渡ってきた人々は、当時日本国籍を持っていましたが、1952年4月28日のサンフランシスコ平和条約発効により日本国籍を失い、外国人の身分となりました。

こうした歴史的経緯を踏まえ、これらの人々の生活の安定を図るため、1991年に入管特例法が制定され、「特別永住者」という特別な法的地位が設けられました。

通常の永住者が入管法(出入国管理及び難民認定法)に基づくのに対し、特別永住者は入管特例法という別の法律に基づいており、適用される制度・手続きが一部異なります。

特別永住者証明書の様式変更も継続的に行われており、2026年6月14日からはマイナンバーカードとの連携機能が付加された新様式が導入されます。

主な種類と要件

① 特別永住者(本人)

対象者1952年4月28日以前から引き続き日本に在住し、サンフランシスコ平和条約により日本国籍を離脱した朝鮮・台湾出身者本人
在留期間無期限(特別永住者証明書の有効期間は別途設定)
就労制限なし

平和条約発効時に日本在住であった朝鮮・台湾出身の旧植民地出身者本人が対象です。現在では第一世代の生存者は極めて少なく、在日コリアン・在日中国人(台湾系)の方々の大多数は子孫の世代となっています。

② 特別永住者の子孫

対象者特別永住者の子・孫・ひ孫…(世代制限なし)であって、出生等により日本に在留することとなった者
在留期間無期限(特別永住者証明書の有効期間は別途設定)
就労制限なし

特別永住者は世代を超えて引き継がれる在留資格です。特別永住者の子として日本で出生した場合、60日以内に特別永住許可申請を行うことで特別永住者として認定されます。

現在の特別永住者の大半はこの子孫に該当し、日本生まれで日本育ちの方が多くを占めます。

③ 特別永住者証明書の有効期間

16歳以上7年(申請から7年間)
16歳未満16歳の誕生日まで
更新申請有効期間満了の2ヶ月前から満了日まで

特別永住者は在留資格自体の更新は不要ですが、特別永住者証明書には有効期間が設けられており、有効期間満了前に更新申請が必要です。

更新申請は市区町村窓口で行います(出入国在留管理局ではなく市区町村が窓口となる点に注意)。

立場別の実務ポイント

受入企業向けのポイント

  • 就労制限なし・あらゆる職種に就労可能
    特別永住者は就労に関する活動制限がなく、日本人と同様にあらゆる職種・業種で働くことができます。採用時の確認書類は在留カードではなく「特別永住者証明書」であることに注意してください。
  • ハローワークへの届出義務が不要
    通常の外国人を採用する場合はハローワークへの「外国人雇用状況の届出」が義務付けられていますが、特別永住者については届出義務が免除されています。この点は他の外国人在留資格保持者と異なる取り扱いです。
  • 特別永住者証明書の確認
    採用時には特別永住者証明書の有効期限・記載事項を確認してください。証明書の有効期限が切れている場合でも更新申請中であれば合法的に在留・就労が認められますが、更新申請の有無を確認することが重要です。
  • 社会保険等の手続きは日本人と同様
    健康保険・厚生年金・雇用保険など社会保険関連の手続きは日本人従業員と同様に行います。在留資格に関する特別な対応は基本的に不要です。

類似制度との比較

特別永住者と通常の永住者・定住者はいずれも就労制限がありませんが、法的根拠・対象者・証明書の種類・ハローワーク届出義務の有無などで大きく異なります。

受入企業は書類確認の場面で混同しないよう、違いを正確に理解しておくことが重要です。

比較項目特別永住者永住者定住者
根拠法入管特例法入管法入管法
主な対象者旧植民地出身者とその子孫長期在留外国人全般日系人・難民等
就労制限なしなしなし
在留期間無期限無期限有限(更新要)
証明書の種類特別永住者証明書在留カード在留カード
ハローワーク届出不要(免除)必要必要
取得の経緯歴史的経緯による特別付与申請・審査による申請・審査による

最も重要な実務上の違いは「証明書の種類」と「ハローワーク届出の要否」です。特別永住者は在留カードではなく特別永住者証明書を携帯しており、外国人雇用状況の届出も不要です。

採用時の書類確認の際にこの違いを把握しておくことで、適切な手続きを行うことができます。

よくある質問

Q. 特別永住者を採用する場合、ハローワークへの届出は必要ですか?

A. 不要です。外国人雇用状況の届出(雇用対策法に基づく義務)は、特別永住者については適用が除外されています。

通常の外国人(永住者・定住者・就労系在留資格の保持者など)は雇入れ・離職の際にハローワークへの届出が義務付けられていますが、特別永住者はこの届出義務が免除されています。ただし、社会保険・労働保険の加入手続きは日本人と同様に必要です。

Q. 特別永住者と永住者は何が違いますか?

A. 最大の違いは法的根拠と対象者です。

永住者は入管法に基づいて申請・審査により取得する在留資格であり、様々な国籍・背景を持つ外国人が対象です。一方、特別永住者は入管特例法に基づく特別な地位であり、旧植民地出身者とその子孫に限定されます。

実務上は証明書の種類(在留カードと特別永住者証明書の違い)やハローワーク届出義務の有無が異なります。

Q. 特別永住者の子が日本で生まれた場合、どのような手続きが必要ですか?

A. 特別永住者の子として日本で出生した場合、出生後60日以内に市区町村窓口で特別永住許可申請を行う必要があります。

申請が認められれば子も特別永住者として認定されます。申請には出生届の受理証明書・特別永住者である親の証明書などが必要です。

申請期限(60日)を過ぎると通常の在留資格申請扱いとなる場合があるため、早めに手続きを行ってください。

Q. 特別永住者は日本国籍を取得できますか?

A. はい、通常の帰化申請を経て日本国籍を取得することが可能です。

帰化申請は法務局に対して行い、素行・生計・継続在留などの要件を満たす必要があります。ただし、帰化申請は任意であり、特別永住者のまま日本で生活することも何ら問題ありません。

帰化を選択するかどうかは本人の意思によります。

参考資料

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