用語集 在留資格・ビザ関連

定住者ビザていじゅうしゃびざ

定住者ビザとは?

定住者ビザとは、在留資格「定住者」を取得するためのビザです。

在留資格「定住者」は、法務大臣が特別な理由を考慮して一定の在留期間を指定して居住を認める在留資格であり、日系人・難民・中国残留邦人の関係者などが主な対象です。

就労に関する活動制限がなく、日本人と同様にあらゆる職種で働くことができる点が大きな特徴です。

永住者と異なり、定住者は在留期間が有限(5年・3年・1年・6ヶ月のいずれか)であるため、期限前に在留期間の更新申請が必要です。ただし要件を満たし続けていれば更新は認められます。

一定期間(5年以上)を定住者として在留した後に永住申請を行い、永住者へ移行するというキャリアパスをたどる外国人も多くいます。

制度の背景

在留資格「定住者」は入管法別表第二に規定されており、法務大臣が「特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める」とされています。具体的な対象者は「定住者告示」(法務省告示)で定められており、日系人・難民・中国残留邦人の配偶者等が主要な類型として列挙されています。

日系人については1990年の入管法改正を機に、日系2世・3世とその配偶者が受け入れられるようになりました。ブラジル・ペルーなど中南米出身の日系人の来日が急増し、製造業を中心に多くの日系人が就労するようになりました。

現在も愛知県・静岡県・群馬県などの製造業集積地を中心に多数の日系人が定住者として生活・就労しています。また、インドシナ難民(ベトナム・カンボジア・ラオス出身者)や中国残留邦人とその家族も、告示に基づいて定住者の在留資格が付与されてきました。

主な種類と要件

① 日系2世の配偶者

対象者日本人を直接の親として持つ外国人(日系2世)の配偶者
在留期間5年・3年・1年・6ヶ月(審査による)
就労制限なし

日本人を親に持つ外国人(日系2世)の配偶者に付与される定住者資格です。

日系2世本人は「日本人の配偶者等」または「永住者」として在留するケースが多いですが、その配偶者(日系とは関係のない外国人)は定住者として受け入れられます。

② 日系3世

対象者日本人を直接の祖父母として持つ外国人(日系3世)本人
在留期間5年・3年・1年・6ヶ月(審査による)
就労制限なし

日本人の孫にあたる日系3世は、定住者として来日できます。

ブラジル・ペルー・アルゼンチンなど中南米出身の日系3世が製造業を中心に多く就労しており、特定技能外国人と並んで重要な労働力として位置づけられています。

③ 日系3世の配偶者

対象者日系3世の配偶者(夫または妻)
在留期間日系3世本人の在留期間の範囲内
就労制限なし

日系3世と婚姻関係にある外国人(日系ではない場合も含む)が対象です。日系3世本人が定住者として在留していることが前提条件となります。

④ 永住者等の扶養を受ける未成年未婚の実子

対象者永住者・定住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・特別永住者の扶養を受ける18歳未満の未婚の実子
在留期間扶養者の在留状況による
就労制限なし(ただし未成年のため実務上は限定的)

2022年4月1日の成年年齢引き下げに伴い、「未成年」の定義が20歳未満から18歳未満に変更されました。18歳以上の実子は原則としてこの類型での新規入国ができないため、注意が必要です。

⑤ インドシナ難民・中国残留邦人関係者

対象者インドシナ難民(ベトナム・カンボジア・ラオス)として定住許可を受けた者、中国残留邦人とその配偶者・子・孫
在留期間5年・3年・1年・6ヶ月(審査による)
就労制限なし

インドシナ難民は1970年代以降に日本が受け入れた難民で、主にベトナム・カンボジア・ラオス出身者とその家族が定住者として在留しています。

中国残留邦人は第二次世界大戦後に中国に残った日本人とその家族が対象であり、日本への帰国・定住支援が行われてきました。

立場別の実務ポイント

受入企業向けのポイント

  • 就労制限なし・職種の自由度が高い
    定住者は就労に関する活動制限がなく、単純労働を含むあらゆる職種に就くことができます。製造ラインへの配属や現場作業員としての雇用が可能であり、受入企業にとって採用・配置の自由度が非常に高い在留資格です。
  • 在留期間の管理が必要
    定住者は在留期間が有限のため、採用時に在留カードの在留期限を確認し、社内での更新管理体制を整えることが重要です。更新申請は在留期限の3ヶ月前から可能です。更新が遅れると不法滞在になるリスクがあります。
  • 在留期間更新のサポート
    定住者の在留期間更新には、継続的な安定した生活(正規の就労・納税・社会保険加入など)が求められます。受入企業が雇用継続・適正な給与支払い・社会保険加入を行っていることが、外国人従業員の更新審査にも直接影響します。
  • 永住申請への移行支援
    5年以上定住者として在留した外国人は、永住許可申請の要件を満たす可能性があります。長期勤続している日系人従業員などに対して、永住申請のサポートを行うことで、定着率向上と採用コスト削減につながります。

類似制度との比較

定住者・永住者・日本人の配偶者等・特定技能1号は、いずれも外国人の在留に関わる資格ですが、対象者・就労制限・在留期間・永住移行の可否などが大きく異なります。

受入企業は在留資格の種類を正確に把握し、採用・管理に活かしてください。

比較項目定住者永住者日本人の配偶者等特定技能1号
主な対象者日系人・難民等長期在留外国人全般日本人と婚姻した外国人特定産業分野の技能者
就労制限なしなしなし特定分野・業務に限定
在留期間有限(更新要)無期限有限(更新要)通算5年上限
家族帯同可(条件による)不可(1号)
永住申請5年以上で可(永住者本人)婚姻3年以上で可困難(1号は不算入)

定住者と日本人の配偶者等は、どちらも就労制限がなく在留期間が有限という共通点を持ちますが、対象者の要件が根本的に異なります。

定住者は日系人・難民など特定の人道的・歴史的背景を持つ外国人を対象としており、日本人との婚姻関係は必須ではありません。

よくある質問

Q. 定住者ビザはどのような人が取得できますか?

A. 主に日系2世の配偶者、日系3世とその配偶者、永住者等の扶養を受ける18歳未満の未婚の実子、インドシナ難民、中国残留邦人とその家族などが対象です。

いずれも法務省告示で定められた要件に該当する必要があります。告示に定めのない場合でも、個別事情によって法務大臣の裁量で定住者資格が付与されることがあります(非告示定住者)。

Q. 定住者は単純労働に従事することができますか?

A. はい、定住者は就労に関する活動制限がないため、製造ラインでの組み立て作業・農業・建設・介護補助など、いわゆる単純労働も含めてあらゆる職種で就労することができます。

特定技能や技術・人文知識・国際業務などの就労系在留資格とは異なる大きな特徴です。受入企業としては、在留カードの在留資格が「定住者」であることを確認すれば、職種の制限なく雇用できます。

Q. 定住者の在留期間が切れそうな場合はどうすればよいですか?

A. 在留期限の3ヶ月前から在留期間更新許可申請を行うことができます。

申請には在留カード・パスポート・申請書のほか、雇用証明書や住民税の課税証明書などが必要になる場合があります。申請中は「在留期間更新許可申請中」のスタンプが押され、在留期限後も一定期間在留が認められます。

期限切れになってからの申請は不法滞在になるため、余裕をもって手続きを進めてください。

Q. 定住者から永住者に変更するにはどうすれば良いですか?

A. 定住者として引き続き5年以上日本に在留し、素行善良・独立生計・国益適合の3要件を満たすことで永住許可申請が可能です。

申請には地方出入国在留管理局への申請書提出のほか、在職証明・課税証明・納税証明・年金記録などの書類が必要です。申請後の審査期間は概ね4ヶ月〜1年程度で、許可時には収入印紙1万円が必要です。

参考資料

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