特定技能制度

「人手不足の業務で、外国人材に即戦力として働いてほしい」。そうした企業が使える在留資格が「特定技能」です。2019年4月に始まり、2026年には対象が19分野に広がりました。

このページでは、特定技能制度の全体像を、出入国在留管理庁(以下、入管庁)の公表資料をもとにまとめました。1号と2号の違い、対象となる19分野、受け入れる企業の要件、外国人に求められる試験、採用の流れ、費用の考え方、登録支援機関、技能実習・育成就労との違いを順に説明します。

※2026年9月19日時点の情報です。制度は随時更新されるため、最新情報は末尾の参考資料で確認してください。

1. 特定技能制度とは(要点)

特定技能は、人手不足が深刻な分野で、一定の技能と日本語能力を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。技能実習が「技能を学ぶ」ための制度だったのに対し、特定技能は「働くこと」そのものを目的としています。

要点は次の4つです。

  • 区分:「特定技能1号」と、より熟練した人向けの「特定技能2号」があります
  • 対象分野:19分野。2号は、このうち11分野で受け入れられます
  • 在留者数:特定技能1号で在留する外国人は42万5,961人(2026年6月末、速報値)
  • 受入れの見込数:2029年(令和11年)3月末までに80万5,700人とされています

2. 特定技能1号と2号の違い

項目 特定技能1号 特定技能2号
対象となる人 分野の業務に必要な、相当程度の知識・経験を持つ人 熟練した技能を持つ人
在留期間 原則として通算5年まで 更新の上限なし
家族の帯同 原則として認められない 配偶者と子の帯同が認められる
企業などによる支援 必要(義務的支援) 不要
技能の確認 分野ごとの試験(技能実習2号の良好な修了者は免除) 2号の評価試験など
日本語の確認 JFT-Basic または 日本語能力試験N4以上(分野により追加あり) B1相当以上(2027年4月1日から省令で定める予定)
対象分野 19分野 11分野

1号で経験を積み、2号の試験に合格すれば、期間の上限なく働き続けられます。企業にとっては、育てた人材に長く活躍してもらえる道筋です。

3. 対象となる19分野と2号の可否

2026年1月23日の閣議決定で、リネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野が加わり、19分野になりました。

分野 所管 2号 見込数 在留者数
介護 厚生労働省 × 126,900 79,884
ビルクリーニング 厚生労働省 32,200 10,171
リネンサプライ(2026年追加) 厚生労働省 × 4,300
工業製品製造業 経済産業省 ○(一部の業務区分) 199,500 62,033
建設 国土交通省 76,000 52,132
造船・舶用工業 国土交通省 23,400 11,641
自動車整備 国土交通省 9,400 5,235
航空 国土交通省 4,900 2,803
宿泊 国土交通省 14,800 2,556
自動車運送業 国土交通省 × 22,100 558
鉄道 国土交通省 × 2,900 64
物流倉庫(2026年追加) 国土交通省 × 11,400
農業 農林水産省 73,300 44,050
漁業 農林水産省 14,800 4,912
飲食料品製造業 農林水産省 133,500 100,769
外食業 農林水産省 50,000 49,060
林業 農林水産省 × 900 19
木材産業 農林水産省 × 4,500 74
資源循環(2026年追加) 環境省 × 900
合計 805,700 425,961
  • 見込数は2029年3月末までの受入れ見込数、在留者数は特定技能1号の2026年6月末時点の速報値です(入管庁、2026年9月4日更新の資料)
  • 工業製品製造業の2号は、機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理の3つの業務区分に限られます
  • 農業と漁業では、派遣の形での受入れも認められています

新しく加わった3分野の状況

分野 状況(2026年9月時点)
リネンサプライ 2026年6月1日から、特定技能1号の在留資格の申請が可能。協議会の加入受付も7月31日から開始(厚生労働省)
物流倉庫 分野の基準(告示)は適用済み。技能試験の開始時期と協議会の受付開始は未定(国土交通省)
資源循環 分野の基準(告示)は適用済み。受入れ開始は2027年4月頃の予定。要領・試験・協議会の詳細は決まり次第公表(環境省)

物流倉庫と資源循環は、受入れ開始の時期がまだ示されていません。検討中の企業は、所管省庁の発表を確認してください。

4. 技能実習・育成就労との違い

項目 技能実習(2027年3月まで) 育成就労(2027年4月から) 特定技能1号
目的 技能移転による国際貢献 人材の育成と確保 人手不足分野での即戦力の確保
期間 最長5年 原則3年 通算5年まで
転職 原則できない 一定の条件で本人の希望による転籍が可能 同じ業務区分の中などで転職できる
支援の担い手 監理団体 監理支援機関 受入れ企業、または登録支援機関

2027年4月1日、技能実習制度は育成就労制度に置き換わります。特定技能への移り方も変わります。

  • 技能実習2号を良好に修了した人:当分の間、業務に関連性があれば、試験を受けずに特定技能1号へ移れます
  • 育成就労を修了した人:特定技能1号へ移るには、技能と日本語の試験の合格が必要です
  • 2027年4月1日以降、2017年の技能実習法の施行より前の「技能実習」を修了した人は、技能と日本語の両方の試験に合格する必要があります

育成就労制度の詳しい内容は育成就労制度とはをご覧ください。

5. 受け入れる企業に求められる要件と義務

特定技能外国人を受け入れる企業(法律上は「特定技能所属機関」)には、主に次のことが求められます。

  1. 1.日本人と同等以上の報酬を支払う
    同じ業務に従事する日本人と同等以上の報酬を支払う雇用契約を結びます
  2. 2.分野別の協議会に加入する
    在留資格の申請をする前に、分野ごとの協議会の構成員になっている必要があります
  3. 3.1号の外国人を支援する
    1号の外国人には、次の10項目の支援(義務的支援)を行います
  4. 4.入管庁へ届出をする
    受入れ状況などを定期的に届け出ます。2025年4月から、定期届出は年1回(毎年4月1日〜5月31日に前年度分を提出)になりました

義務的支援の10項目

  • 入国前の事前ガイダンス
  • 出入国する際の送迎
  • 住居の確保と、生活に必要な契約の支援
  • 生活オリエンテーション
  • 役所などでの公的手続きへの同行
  • 日本語を学ぶ機会の提供
  • 相談・苦情への対応
  • 日本人との交流の促進
  • 会社都合で契約が終わる場合の転職支援
  • 3か月に1回以上の定期面談と、行政機関への通報

これらの支援は、すべてを登録支援機関に委託することができます。全部を委託すれば、支援体制の基準を満たしているとみなされます(9節)。

6. 外国人に求められる試験(技能と日本語)

1号の在留資格を得るには、原則として、分野ごとの技能試験と日本語の試験に合格する必要があります。

  • 技能試験:分野ごとに行われる評価試験です。試験の会場や日程は分野によって異なります。→ 特定技能試験はどこで、どのように行われる?
  • 日本語試験:国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)、または日本語能力試験(JLPT)N4以上が基本です
  • 介護分野:上記に加え、介護日本語評価試験の合格が必要です
  • 自動車運送業のタクシー・バス、鉄道の運輸係員:N3以上(B1相当)が必要です

試験が免除される場合
技能実習2号を良好に修了した人は、実習した職種・作業と、これから就く業務に関連があれば、技能試験と日本語試験の両方が免除されます。関連がない場合は技能試験の合格が必要ですが、日本語試験は免除されます。「良好に修了」とは、技能実習を計画どおり2年10か月以上修了していることをいいます。

7. 採用ルートと受入れの流れ

特定技能の外国人を採用するルートは、大きく3つあります。

ルート どんな人か 特徴
技能実習からの移行 自社や他社で技能実習2号を修了した人 試験が免除される場合がある。日本の職場に慣れている
国内にいる人の採用 留学生や、他社で特定技能として働く人 日本での生活経験がある。在留資格の変更で採用できる
海外からの採用 母国で試験に合格した人 人数を確保しやすい。入国までの手続きに時間がかかる

採用から就労開始までは、雇用契約の締結、支援計画の作成、在留資格の申請、入国または在留資格の変更、就労開始という順に進みます。

8. 費用の考え方

受入れにかかる費用は、採用ルートや支援を委託するかどうかで大きく変わります。ここでは、法令上のルールとして押さえておくべき点をまとめます。

  • 本人に負担させてはいけない費用:義務的支援にかかる費用は、受入れ企業が負担します。登録支援機関への委託費、通訳費、出入国時の送迎の交通費なども含まれます
  • 本人に負担してもらえる費用:家賃などの実費は、必要な範囲で本人の負担にできます
  • 禁止されていること:保証金を取ること、違約金を定める契約を結ぶことは禁止です
  • 帰国の旅費:本人が払えない場合は、受入れ企業が負担します。給与から積み立てさせることは認められません
  • 登録支援機関の委託費:法令上の上限はありません。契約のときに金額と内訳を示す必要があります

登録支援機関や人材紹介会社に依頼するときは、見積もりの内訳を必ず確認しましょう。費用の目安は特定技能外国人を受け入れるためにどのような費用がかかりますか?でも紹介しています。

9. 登録支援機関の役割と、2027年4月からの見直し

登録支援機関は、受入れ企業から委託を受けて、1号の外国人への支援を行う機関です。自社で支援体制を整えられない企業は、登録支援機関への委託が現実的な選択肢になります。

2027年4月1日から、支援の体制に関するルールが変わります(2025年9月30日公布の法務省令)。

  • 支援の責任者と担当者を、事業所ごとに、常勤の役員または職員から1名以上選ぶ
  • 支援の業務は、責任者と担当者だけが行う
  • 支援の担当者の数は、委託元の企業の数を10で割った数と、支援する外国人の数を50で割った数の、どちらも超えている必要がある
  • 支援の責任者には、国が定める養成講習の修了が求められる(当分の間は適用されない経過措置あり)

このルールは、自社で支援する企業にも、登録支援機関にも適用されます。委託先を選ぶときは、2027年4月以降も体制を満たせるかを確認しておくと安心です。詳しくは用語集の登録支援機関をご覧ください。

10. 転職・在留期間・家族帯同のルール

  • 転職:同じ業務区分の中、または試験で技能の共通性が確認されている業務区分の間で、転職できます。勤め先を変える場合は在留資格の変更許可が必要で、許可が出るまでは新しい勤め先で働けません
  • 在留期間:1号は原則として通算5年までです。2号には更新の上限がありません
  • 家族の帯同:1号は原則として認められません。2号は配偶者と子の帯同が認められます

11. よくある質問

Q. 特定技能の対象はどんな業種ですか?
A. 介護、建設、農業、飲食料品製造業、外食業など19分野です(3節)。→ 特定技能の対象となる特定産業分野は何ですか?

Q. 1号から2号へ移るには何が必要ですか?
A. 2号の対象となる11分野で、2号の評価試験などに合格する必要があります。→ 特定技能1号から2号へ移行する条件は?

Q. 年齢の制限はありますか?
A. 日本に入国する時点で18歳以上であることが必要です。年齢の上限はありません。→ 特定技能外国人に年齢制限はありますか?

Q. 個人事業主でも雇用できますか?
A. 法人と同じ受入れの基準を満たせば雇用できます。住民票や、税・社会保険料の納付を示す証明書などを提出します。→ 個人事業主でも特定技能外国人を雇用できますか?

Q. 受け入れられる人数に上限はありますか?
A. 原則として、企業ごとの人数の上限はありません。ただし介護と建設には分野独自の上限があります。制度全体では、分野ごとの受入れ見込数が上限として運用されています。→ 特定技能外国人の人数枠はありますか?

Q. 登録支援機関に委託する場合と、自社で支援する場合の違いは?
A. → 登録支援機関に委託する場合と自社で支援を行う場合の違いは何ですか?

Q. 特定技能の外国人が妊娠・出産した場合はどうなりますか?
A. 日本人と同じく産前産後休業や育児休業の対象で、妊娠を理由に解雇することは法令違反に当たります。1号でも休業期間は通算5年に含めず、日本で生まれた子どもは在留が認められる場合があります。→ 特定技能外国人が妊娠・出産した場合はどうなりますか?

Q. 受入れ後にどのような届出が必要ですか?
A. 定期届出は年1回です。雇用契約の変更などがあった場合は、そのつど届け出ます。→ 特定技能外国人の受入れ後にどのような届出が必要ですか?

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12. 無料相談のご案内

「自社の業務が19分野のどれに当たるか分からない」「登録支援機関の選び方を知りたい」「技能実習から特定技能への移行を考えている」など、外国人材採用ツナガル24の無料相談センターでご相談いただけます。
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13. 関連ページ

参考資料

資料 発行 公開・更新 確認日
特定技能制度 出入国在留管理庁 2026-09-14 2026-09-19
特定技能制度に関するQ&A 出入国在留管理庁 2026-09-10 2026-09-19
特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和8年8月) 出入国在留管理庁 2026年8月 2026-09-19
分野別運用方針の主要記載事項 出入国在留管理庁 2026年1月閣議決定分 2026-09-19
受入れ見込数と在留者数 出入国在留管理庁 2026-09-04 2026-09-19
特定技能在留外国人数のポイント(令和8年3月) 出入国在留管理庁 2026年3月 2026-09-19
外国人労働者に関する制度概要 出入国在留管理庁 2026-07-01 2026-09-19
2025年4月の改正のポイント(届出の見直し) 出入国在留管理庁 2025年3月 2026-09-19
支援体制の見直し(2027年4月1日施行) 出入国在留管理庁 2026-07-28 2026-09-19
技能実習修了者の試験免除の取扱い 出入国在留管理庁 2026-07-28 2026-09-19
リネンサプライ分野の特定技能 厚生労働省 2026-09-19
物流倉庫分野の特定技能 国土交通省 2026年9月 2026-09-19
資源循環分野の外国人材受入れ 環境省 2026-09-19

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