用語集 育成就労関連

育成就労外国人いくせいしゅうろうがいこくじん

育成就労外国人とは?

育成就労外国人とは、2027年4月1日施行予定の育成就労制度において、新たに創設される在留資格「育成就労」を取得して日本で就労する外国人材を指します。

技能実習制度の「国際貢献・人づくり」目的から転換し、「特定技能1号水準の技能を有する人材の育成と確保」を明確な目的とした制度設計です。

原則として最長3年間日本で就労し、3年経過時点で特定技能1号への移行を目指します。

受入対象国は二国間取決め(MOC)作成国に限定され、日本語能力A1相当(JLPT N5等)の事前合格または認定日本語教育機関での100時間以上の講習受講が就労開始前の必須要件です。

1年経過時には技能検定基礎級・A1試験、3年終了時にはA2相当(N4)と技能検定3級または特定技能1号評価試験の合格が段階的に求められます。家族帯同は不可で、特定技能2号取得後に認められる仕組みです。

制度の背景

技能実習制度で問題視されてきた人権侵害・転籍不可・高額仲介費用などを構造的に改善し、外国人本人の権利保護を強化した制度設計となっています。

2026年1月23日の閣議決定で育成就労17分野が確定し、5年間(令和9〜10年度末)の受入見込数は426,200人と設定されました。特定技能19分野の受入見込数805,700人と合わせると約123万人の外国人材確保枠が想定されています。

基本方針は2025年3月11日閣議決定、運用要領は2026年2月20日に公表されており、施行に向けた準備が整いつつあります。

主な要件と段階的目標

① 入国時要件

項目内容
国籍要件原則として二国間取決め(MOC)作成国の出身者
日本語要件A1相当(JLPT N5等)合格、またはJFT-Basic A1合格、または認定日本語教育機関での100時間以上の講習受講
技能水準入国時の明示的な技能要件なし(OJTで育成)
送出機関送出国政府が認定した機関のみ

JFT-Basicは2026年8月からA1・A2.1も判定可能となり、育成就労制度の日本語要件に対応します。日本語学習を就労前から計画的に進めることが必須です。

② 1年経過時の到達目標

項目内容
技能水準技能検定基礎級または育成就労評価試験 合格
日本語水準A1相当(JLPT N5等)の試験を受入機関の責任で受験
主な意味転籍要件の充足/2年制限分野では昇給対象

1年経過時の合格は本人意向の転籍を行う際の必須要件の一つです。2年制限分野では1年経過時点で分野別協議会が公表する昇給率に基づく昇給義務が発生します。

③ 3年終了時の到達目標

項目内容
技能水準技能検定3級または特定技能1号評価試験 合格
日本語水準A2相当(JLPT N4等)合格
主な意味特定技能1号への移行可能(家族帯同は不可、2号取得まで)
不合格時最長1年の在留継続が再受験のため認められる

3年終了時の合格により特定技能1号へシームレスに移行できます。試験不合格時も最長1年の在留継続が認められ、再受験のチャンスが確保されています。

立場別の実務ポイント

受入機関の対応

育成就労外国人の受入は、特定技能1号への移行を見据えた長期的な人材育成プロセスとして計画する必要があります。日本語教育・OJT・段階的試験への対応・1年/2年経過時の昇給対応等、技能実習よりも体系的な育成体制が求められます。

監理支援機関の関与

団体監理型の場合、監理支援機関が育成就労外国人のマッチング・育成就労計画作成支援・相談対応・転籍支援を担います。本人意向の転籍が認められる新制度では、監理支援機関の支援役割が拡大しています。

育成就労外国人本人の権利

本人意向の転籍が制度として認められた点が技能実習との最大の違いです。労働条件・人権侵害等に問題がある場合、転籍要件を満たせば同一業務区分内での転籍が可能です。やむを得ない事情(暴力・契約違反等)による転籍は要件を問わず認められます。

日本語学習の継続

就労開始前のA1から3年終了時のA2まで、計画的な日本語学習が不可欠です。受入機関は社内での日本語研修・eラーニング・地域日本語教室への参加支援等の体制整備が定着率向上の鍵となります。

類似制度との比較

項目育成就労外国人技能実習生(廃止予定)特定技能1号外国人
主目的人材育成・特定技能1号移行国際貢献・人づくり人材確保
就労期間最長3年最長5年(1〜3号)最長5年
転籍本人意向で可(要件あり)原則不可転職可
日本語要件(入国前)A1相当(N5)介護以外なしA2相当(N4)
日本語要件(終了時)A2相当(N4)明示的な要件なしA2維持
家族帯同不可不可不可
受入対象国MOC作成国制限なし(実態MOC)制限なし

育成就労外国人は技能実習生の後継的位置づけながら、明確に特定技能との接続を意識した制度設計です。日本語能力・転籍の自由・段階的試験等で技能実習よりも実質的な権利保護が強化されています。

よくある質問

Q. 既存の技能実習生は育成就労外国人になれますか?

A. 経過措置期間中は技能実習生として在留継続できますが、育成就労への移行を希望する場合は新たに育成就労計画の認定を受ける必要があります。

監理支援機関と相談しながら個別の状況に応じた手続きを進めます。技能実習修了後は特定技能1号への直接移行も選択肢となります。

Q. 入国時の年齢制限はありますか?

A. 入国時点での明示的な年齢要件は2026年4月時点で公開されていません。技能実習に準じた18歳以上の運用が想定されます。

運用要領で個別規定の見込みです。最終的な要件は外国人育成就労機構の発表を確認する必要があります。

Q. 育成就労の3年が終わったら必ず帰国するのですか?

A. 3年終了時の試験に合格すれば、特定技能1号へ移行して日本での就労を継続できます。

特定技能1号は最長5年、その後特定技能2号を取得すれば在留期間更新無制限・家族帯同可能となります。育成就労→特定技能1号→特定技能2号というキャリアパスが制度設計上想定されています。

Q. 配偶者・子を呼び寄せられますか?

A. 育成就労(最長3年)の在留資格では家族帯同は認められません。家族帯同は特定技能2号取得後となります。

育成就労中は単身での就労となり、長期的な家族設計を希望する人材は特定技能2号取得を目標としたキャリア形成が必要です。

参考資料

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