用語集 日本語教育・資格試験

日本語能力試験N5にほんごのうりょくN5

日本語能力試験N5とは?

日本語能力試験N5(JLPT N5)は、JLPTの最も基礎レベルで、「基本的な日本語をある程度理解することができる」と定義されます。

ひらがな・カタカナや日常生活で用いられる基本的な漢字で書かれた定型的な語句・文・文章を読んで理解でき、教室や身の回りなど日常生活で頻繁に出会う場面で、ゆっくり話される短い会話から必要な情報を聞き取ることができる水準です。CEFRではA1相当に位置付けられます。

N5の最重要な位置づけは、育成就労制度(2027年4月1日施行予定)の入国時要件(JLPT N5相当合格 または JFT-Basic A1相当合格 もしくはこれと同等以上と認められる日本語講習を受講)であることです。

2026年8月からJFT-BasicがA1判定対応開始予定で、育成就労の入国時要件をJFT-Basicでも判定できるようになります。送出国の日本語教育機関では3〜6か月で到達するカリキュラムが一般的で、初心者の最初の目標として広く活用されています。

JLPT N5の試験構成

項目内容
認定の目安基本的な日本語をある程度理解できる(最も基礎)
CEFR対応A1相当
試験科目言語知識(文字・語彙)/言語知識(文法)・読解/聴解の3科目
試験時間合計90分(文字語彙20分+文法読解40分+聴解30分)
合格基準総合得点180点満点中80点、言語知識・読解38点・聴解19点
運営機関(国内)公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)
運営機関(海外)独立行政法人国際交流基金(JF)
試験日(2026年)第1回2026年7月5日(予定)、第2回2026年12月6日(予定)
受験料(国内)7,500円(消費税込、2026年第1回)

N5は試験時間90分とJLPT全レベルで最短で、初心者向けの基礎的な日本語運用能力を測ります。学習時間目安は100〜200時間で、送出国の日本語教育機関の入門カリキュラムの到達点として位置づけられています。

育成就労制度入国時要件としてのN5

育成就労の入国時要件(2027年4月施行予定)

育成就労制度(2027年4月1日施行予定)では、就労開始までに「JLPT N5相当合格 または JFT-Basic A1相当合格 もしくはこれと同等以上と認められる日本語講習を受講」が必要となる予定です。技能実習と異なり、明確な日本語要件が制度的に設定される点が大きな違いです。

JFT-Basic A1判定対応(2026年8月予定)

従来JFT-BasicはA2判定のみでしたが、2026年8月からA1・A2.1・A2.2の3段階判定に対応開始予定です。A1判定の得点帯は145〜174点、A2.1は175〜199点、A2.2(A2)は200〜250点となり、育成就労の入国時要件(A1相当)がJFT-Basicでも判定できるようになります。

日本語講習との代替

JLPT N5合格 または JFT-Basic A1合格に代わる選択肢として、これと同等以上と認められる日本語講習の受講も認められる予定です。試験合格が難しい人材でも、所定の日本語講習を修了することで育成就労での就労機会を得られる柔軟な制度設計となっています。

入国時要件は学習の第一目標

育成就労外国人にとってN5は「学習の第一目標」として位置づけられます。3年間の就労期間中に段階的に日本語能力を高め、最終的に特定技能1号移行時のA2相当(N4相当)を目指す学習設計の出発点です。

主要送出国でのN5の位置づけ

学習時間目安は100〜200時間

N5合格に必要な学習時間目安は約100〜200時間です。送出国の日本語教育機関では3〜6か月で到達するカリキュラムが一般的で、入門学習者の最初のマイルストーンとして広く活用されています。

JFT-Basicへの切替学習

送出国(ベトナム・インドネシア・ミャンマー・カンボジア・ネパールなど)の現地日本語教育機関では、N5取得をベースにJFT-Basic A1への切り替え学習も並行して進められています。育成就労施行に向け、両試験対応のカリキュラム整備が加速しています。

技能実習からの移行

育成就労制度は技能実習に代わる新制度で、技能実習に比べて日本語要件が制度的に明確化されます。これにより、来日後の業務適応・コミュニケーション・労務トラブル予防など、外国人材の質的向上が期待されています。

監理支援機関許可申請の開始

監理支援機関の許可申請受付は2026年4月15日開始済で、制度施行に向けた準備期に入っています。受入企業は監理支援機関との連携を通じて、N5達成のための日本語教育サポート体制を整備することが推奨されます。

他のJLPTレベルとの比較

項目N4N5JFT-Basic A1(2026年8月〜)
レベル基礎最も基礎初心者(A1相当)
CEFRA2相当A1相当A1相当
合格点90点80点145〜174点(A1判定)
試験時間115分90分CBT方式
育成就労要件特定技能1号移行時入国時相当入国時相当(A1判定)
学習時間目安300-400時間100-200時間100-200時間

N5は学習者の最初の達成目標として、JLPTの入口的なレベルです。育成就労制度施行に向けて、JFT-Basic A1判定との関係で改めて注目される水準となっています。送出国の日本語教育インフラ整備とともに、N5取得者数は今後さらに増加する見込みです。

よくある質問(FAQ)

Q. N5合格にはどのくらいの学習時間が必要ですか?

A. 一般的に100〜200時間の学習が必要とされます。送出国の日本語教育機関では3〜6か月で到達するカリキュラムが一般的です。

ひらがな・カタカナ・基礎漢字、基本語彙、簡単な文法と日常会話の理解が中心となります。初心者の最初の達成目標として、学習意欲の維持にも有効なステップです。

Q. N5は育成就労以外にも使えますか?

A. 特定技能の日本語要件はN4以上のため、N5単独では特定技能で就労できません。育成就労制度(2027年4月施行予定)の入国時要件として、または日本語学習の最初のマイルストーンとして主に活用されます。

N5取得後は、N4・特定技能要件取得を目指す学習を継続することで、特定技能1号・育成就労からの特定技能1号移行などのキャリアパスが開けます。

Q. N5とJFT-Basic A1のどちらが有利ですか?

A. 育成就労の入国時要件はJLPT N5相当またはJFT-Basic A1相当のどちらでも満たせます。JFT-BasicはCBT方式で年複数回・当日結果判明、JLPTは年2回・紙ベース試験と特性が異なります。

2026年8月からJFT-BasicがA1判定対応を開始予定で、より精緻なレベル判定が可能となります。採用スケジュールや本人の学習進捗に応じて使い分けることが推奨されます。

Q. 日本語講習100時間との代替とは?

A. 育成就労の入国時要件として、JLPT N5合格 または JFT-Basic A1合格に加えて、これと同等以上と認められる日本語講習の受講も認められる予定です。試験合格が難しい人材でも、所定の日本語講習修了で就労機会を得られる柔軟な制度設計です。

具体的な講習時間(一般的に100時間程度)や認定機関の詳細は今後の運用方針で確定する予定です。受入企業は監理支援機関や送出機関と連携して、最新の運用ガイドラインを確認することが重要です。

Q. 育成就労でN5から3年後にN4へ到達できますか?

A. はい、3年間の育成期間で段階的にN5→N4へ到達することが想定されています。育成就労制度では、入国時A1相当(N5相当)、就労1年経過時A1〜A2相当、特定技能1号移行時A2相当(N4相当)と段階要件が設定されます。

受入企業の日本語学習サポート(社内研修・地域日本語教室との連携・JFT-Basic受験機会提供など)が、外国人材のキャリアアップを左右する重要な投資となります。

参考資料

用語集
お問い合わせ 03-5772-7338平日(10:00~19:00)
LINE