用語集 日本語教育・資格試験

日本語学習サイト「つながるひろがる」つながるひろがるにほんごでのくらし

日本語学習サイト「つながるひろがる」(つなひろ)とは?

「つながるひろがる にほんごでのくらし」(通称:つなひろ)は、文化庁が2020年(令和2年)6月1日に公開した、生活者としての外国人を対象とする無料のオンライン日本語学習サイトです。

動画を中心とした構成で、買い物・役所手続き・医療等の生活場面に特化した日本語を学べます。2024年4月の日本語教育所管移管により、現在は文部科学省が運営しています(https://tsunagarujp.mext.go.jp/)。

開発の目的は、日本語教室が設置されていない「空白地域」に住む外国人(公開時点で約45万人と推計)に対し、時間的・距離的制約を超えてICTで学習機会を提供することにあります。

日本語教育の参照枠」のA1相当(生活で最低限必要な日本語)からスタートする設計で、教室通学が難しい就労者・地方在住者・避難民等の自学自習に活用されています。育成就労制度(2027年4月1日施行予定)施行に向けて、送出国での事前学習および来日初期の補完学習にも期待されています。

つなひろの主な特徴

18言語対応の多言語サポート

公開時の6言語から段階的に拡張され、現在は18言語に対応しています:日本語、英語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語、ベトナム語、インドネシア語、フィリピン語、タイ語、ミャンマー語、クメール語(カンボジア)、ネパール語、モンゴル語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、ウクライナ語、フランス語が利用可能です。

3段階レベル構成

レベルは3段階で構成され(A1相当の「目指そうA1レベル」、A2相当の「目指そうA2レベル」等)、各レベルで生活場面ごとの動画教材・聞き取り問題・読み書き教材・日本語の特徴解説等が提供されます。学習者の到達度に応じた段階的な学習が可能です。

生活Can doとの対応

2021年10月に文化審議会国語分科会が策定した「日本語教育の参照枠」の「生活Can do」に基づくコンテンツとして整備されています。A1〜A2レベルを中心とした生活日本語Can do(「役所で住所変更を伝える」「病院で症状を説明する」等)に対応する動画教材を提供します。

無料・登録不要

無料・登録不要で動画視聴が可能、スマートフォン・PC両対応、字幕の言語切替機能を備えています。経済的負担・手続き負担なくアクセスでき、空白地域の外国人住民・送出国の学習者に広く活用されています。

つなひろの基本情報

項目内容
正式名称つながるひろがる にほんごでのくらし
通称つなひろ
公開日2020年6月1日
運営文化庁→文部科学省(2024年4月移管済)
公式URLhttps://tsunagarujp.mext.go.jp/
対応言語18言語
レベル構成3段階(A1〜A2相当中心)
料金無料・登録不要
対応端末スマートフォン・PC両対応
2022〜2023年度アクセス年間約147万件規模
根拠枠組「日本語教育の参照枠」の「生活Can do」

つなひろは、文化庁の「『生活者としての外国人』のための日本語教室空白地域解消推進事業」の一環として開発されました。空白地域の外国人住民・教室通学が難しい就労者・避難民等が、ICTを通じて学習機会を確保できる重要な公的リソースです。

最新動向と多言語拡張

2022〜2023年度年間147万アクセス

2022〜2023年度に年間アクセス数約147万件規模を記録し、公開3年で全国的に認知が拡大しました。空白地域・送出国・地域日本語教室などで広く活用されており、日本語ICT教材の代表的な存在となっています。

2022年ウクライナ語・ロシア語追加

2022年のウクライナ侵攻を受け、ウクライナ語・ロシア語版を緊急追加しました。避難民支援の一環として活用され、緊急時の言語支援インフラとしての価値も示されました。

2023年12月フランス語追加

2023年12月22日、18言語目としてフランス語版を公開済です。アフリカ等の在留外国人多様化を見据えた追加で、フランス語圏の留学生・労働者にも対応できるようになりました。

2024年4月文部科学省移管

2024年4月、日本語教育所管が文化庁から文部科学省に移管済で、運営継続性を保ちつつ、文部科学省主体の体制で運用されています。

2024-2025年度活用オンラインセミナー

文部科学省主催の「つなひろ活用オンラインセミナー」が継続開催されており、地域日本語教育の現場での活用事例が共有されています。受入企業・地域日本語教室・登録支援機関などが参加し、実践的な活用ノウハウを蓄積しています。

受入企業・育成就労との関係

来日直後の自学自習教材

つなひろは生活者向け(A1〜A2)であり、業務日本語そのものを扱うものではありませんが、特定技能・育成就労外国人が来日直後に生活基盤を整える段階で活用できます。受入企業・登録支援機関が新規入国者の自学自習教材として配布・案内するケースが増加しています。

空白地域での学習機会確保

日本語教室の通えない地方就労者にとって、母語サポートでA1日本語を独習できる唯一の公的無料リソースとして機能しています。空白地域(2023年11月時点で全国737市区町村)の外国人住民の重要な学習インフラとなっています。

育成就労施行への対応

育成就労制度(2027年4月1日施行予定)では入国時にJLPT N5相当(A1〜A2相当)が要件化されるため、送出国での事前学習および来日初期の補完学習にもつなひろの活用が期待されています。文部科学省は2024年以降、つなひろのコンテンツを参照枠のCan doに紐付けて整理し直す作業を進めています。

家族支援への活用

特定技能2号・高度専門職の家族帯同者向けの日本語学習機会としても、つなひろは重要です。配偶者・子の日本語能力向上を、受入企業の社内研修と地域日本語教室・つなひろの3本柱で支える体制構築が推奨されます。

主な生活場面別コンテンツ

場面主な内容
住む住居・引越・近所付き合い
働く求人応募・職場の挨拶
学ぶ子どもの学校・自分の学習
健康病院・薬局・健康診断
買い物スーパー・薬局・通販
役所住民票・在留手続き・税金
移動交通機関・道案内

これらは「生活Can do」の各場面と1対1対応するよう設計されており、生活場面に即した実用的な日本語学習が可能です。動画教材・聞き取り問題・読み書き教材・日本語の特徴解説などが、各場面ごとに体系的に整備されています。

よくある質問(FAQ)

Q. つなひろは誰でも利用できますか?

A. はい、無料・登録不要で誰でも利用できます。18言語対応で、スマートフォン・PC両対応のため、空白地域の外国人住民・送出国の学習者・受入企業の従業員家族など、幅広く活用されています。

受入企業も新規入国者の自学自習教材として配布・案内できます。母語サポート付きでA1日本語を学べる公的無料リソースとして、特に空白地域・地方就労者の学習インフラとして重要です。

Q. つなひろのレベル設計は?

A. 3段階レベル構成で、A1相当(生活で最低限必要な日本語)からスタートし、A2相当(簡単な生活会話ができる)まで段階的に学習できます。「日本語教育の参照枠」の「生活Can do」に対応した設計です。

育成就労制度(2027年4月施行予定)の入国時要件(A1相当)の事前学習や、来日後の継続学習に適したレベル設計となっています。

Q. 受入企業はどうつなひろを活用できますか?

A. 新規入国者の自学自習教材として配布・案内する、社内研修の補助教材として組み合わせる、地域日本語教室との連携で活用するなどの方法が効果的です。無料で利用できるため、研修コスト軽減にも貢献します。

特に空白地域に配属する外国人材にとって、地域での学習機会が限られる中、つなひろは重要な学習インフラとなります。家族帯同者向けの学習機会としても活用できます。

Q. 業務日本語も学べますか?

A. つなひろは生活者向け(A1〜A2)の生活日本語が中心で、業務日本語そのものは扱いません。業務日本語は専門分野日本語(介護・建設・外食等)や社内研修で別途学習する必要があります。

ただし「働く」場面のコンテンツ(求人応募・職場の挨拶など)は含まれており、業務に関連する基礎的な日本語の習得には有効です。生活日本語と専門分野日本語を組み合わせた学習が標準的なパターンです。

Q. 育成就労ではつなひろがどう活用されますか?

A. 育成就労制度(2027年4月1日施行予定)の入国時要件(JLPT N5相当・A1相当)の事前学習に活用される見込みです。送出国の日本語学校・送出機関附属日本語学校でも併用教材として広く活用が想定されます。

来日後も生活基盤の整備・継続学習に有用で、受入企業の社内研修・地域日本語教室と組み合わせた包括的な学習体制を構築できます。文部科学省は参照枠のCan doに紐付けたコンテンツ整理を進めています。

参考資料

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