用語集 日本語教育・資格試験

日本語能力試験N3にほんごのうりょくしけんN3

日本語能力試験N3とは?

日本語能力試験N3(JLPT N3)は、JLPTの中級レベルで、N4とN2の橋渡し役として2010年の試験改定で新設されました。「日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる」と定義され、CEFRではB1相当に位置付けられます。

日常的な話題について書かれた具体的な内容を表す文章を理解でき、新聞の見出しから情報の概要をつかめる読解力と、やや自然に近いスピードのまとまりのある会話を具体的な内容を踏まえてほぼ理解できる聴解力が求められます。

N3は特定技能「自動車運送業(バス・タクシー)」の日本語要件であり、接客で必要な水準のため他分野のN4より厳しく設定されています。介護分野の特定技能ではN4が要件ですが、N3合格者は介護現場での実務的なやり取りに余裕が出るため、受入施設からの評価が高い水準となっています。

留学生・技能実習からのステップアップ目標として広く活用されています。

JLPT N3の試験構成

項目内容
認定の目安日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる(中級)
CEFR対応B1相当
試験科目言語知識(文字・語彙)/言語知識(文法)・読解/聴解の3科目
試験時間合計140分(文字語彙30分+文法読解70分+聴解40分)
合格基準総合得点180点満点中95点、3区分すべて19点以上
運営機関(国内)公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)
運営機関(海外)独立行政法人国際交流基金(JF)
試験日(2026年)第1回2026年7月5日(予定)、第2回2026年12月6日(予定)
受験料(国内)7,500円(消費税込、2026年第1回)

N3は2010年の試験改定で新設された区分で、N1・N2と異なる3科目構成(文字・語彙/文法・読解/聴解)を採用しています。中級レベルの実用的な日本語運用能力を測る試験として、留学生・特定技能・技能実習生など幅広い層が目指す水準となっています。

日本での活用と実務的意義

特定技能自動車運送業(バス・タクシー)の要件

特定技能「自動車運送業(バス・タクシー)」の日本語要件はJLPT N3以上と設定されています。接客で必要な水準のため、他分野のN4より厳しく設定されており、運転業務に加えて乗客対応のコミュニケーション能力が求められる分野特有の要件です。

介護分野での評価の高さ

介護分野の特定技能1号は通常「JLPT N4以上+介護日本語評価試験」が要件ですが、N3合格者は介護現場での実務的なやり取りに余裕が出るため、受入施設からの評価が高い傾向にあります。利用者・家族とのコミュニケーション、医療従事者との連携など、より複雑な業務に対応できます。

留学生・専門学校進学の目安

N3は留学生・専門学校進学・アルバイト就労の最低限の目安として扱われます。日本語学校卒業時の到達目標として広く設定されており、専門学校・大学への進学を目指す留学生の重要な中間目標です。

技能実習からの特定技能移行の中間目標

技能実習生のステップアップ目標として、N4合格後にN3を目指す層が多くいます。技能実習修了後の特定技能1号移行において、N3取得は受入企業からの評価向上に直結する重要な資格です。

JFT-Basicとの位置関係

JFT-Basic A2.2を上回る到達点

JFT-Basicとの関係では、JFT-Basic A2.2合格は技能実習満了水準に近く、N3はそれより上の到達点とされます。2026年8月からのJFT-Basic A1・A2.1判定対応開始により、より細かなレベル把握が可能になりますが、上位レベルの能力証明としてはJLPT N3が中心です。

育成就労制度での位置づけ

育成就労制度(2027年4月1日施行予定)では、入国時A1相当、就労1年経過時A1〜A2相当(介護はN4相当)、特定技能1号移行時A2相当(N4相当)が段階的に求められます。N3はこれらの要件を上回る上位の到達点として、長期キャリア形成に直結します。

読解力・聴解力の実用化

N3レベルでは新聞の見出しから情報の概要をつかめる読解力と、やや自然に近いスピードのまとまりのある会話を理解できる聴解力が求められます。これは職場での業務指示・会議参加・顧客対応など実用的なシーンで活用できる水準です。

N2への学習パス

N3合格者はその後N2を目指す学習パスが一般的です。技人国の日本語要件(N2相当)達成を視野に入れ、長期キャリア形成を志向する人材のステップアップ目標として重要な役割を担っています。

他のJLPTレベルとの比較

項目N2N3N4
レベル上から2番目中級基礎
CEFRB2相当B1相当A2相当
合格点90点95点90点
主要要件技人国日本語要件自動車運送業特定技能特定技能1号一般要件
学習時間目安1,000-1,200時間700-900時間300-400時間
新設年1984年2010年1984年

N3は2010年の試験改定で新設された中級レベルで、N4とN2の中間に位置する重要な区分です。特定技能・介護・留学・技能実習など幅広い層のステップアップ目標として、JLPT全体の中で重要な役割を果たしています。

よくある質問(FAQ)

Q. N3合格にはどのくらいの学習時間が必要ですか?

A. 一般的に700〜900時間の学習が必要とされます。N4合格後さらに300〜500時間程度の継続学習を要し、中級レベルの語彙・文法・読解力の向上に集中的な学習期間が必要です。

留学生は日本語学校卒業時にN3取得を標準目標とするケースが多く、特定技能・介護人材も技能実習修了時の目標として広く設定しています。

Q. なぜ自動車運送業特定技能はN3が要件なのですか?

A. 自動車運送業(バス・タクシー)では運転業務に加えて乗客対応の接客コミュニケーションが必須となるため、他分野のN4より厳しいN3が設定されています。安全運転と顧客サービスの両立のために必要な水準です。

道案内・運賃説明・苦情対応など、複雑な日本語対応が求められる分野特有の要件であり、業界の安全性・サービス品質確保のための制度設計です。

Q. N3合格者を採用するメリットは何ですか?

A. 特定技能1号の日本語要件(N4以上)を上回る能力を持ち、職場での業務指示・会議参加・顧客対応などで実用的な日本語コミュニケーションが可能です。介護分野では利用者・家族とのコミュニケーションで余裕が出ます。

長期キャリア形成を志向する人材として評価でき、N2取得への学習意欲も高い傾向にあります。技能実習からのステップアップ層として安定的な戦力化が期待できます。

Q. N3はビジネスで使えるレベルですか?

A. ビジネス専門用語や複雑な業務文書の理解には不足する場合があります。ビジネス実用レベルとしてはN2が標準的な水準で、N3は日常業務・顧客対応・現場コミュニケーションで活用できるレベルです。

サービス業・介護・現場業務など、対人コミュニケーションが中心の分野ではN3で十分な戦力化が可能です。専門業務へのキャリアアップにはN2以上の取得が推奨されます。

Q. 育成就労からN3取得を目指すのは可能ですか?

A. はい、可能です。育成就労制度(2027年4月1日施行予定)では入国時A1、特定技能移行時A2相当(N4相当)が段階要件ですが、3年間の就労期間中にN3を目指す学習も推奨されます。

受入企業は日本語学習サポート(社内研修・地域日本語教室との連携など)を提供することで、育成就労外国人のN3取得を支援できます。長期定着型の人材育成戦略として有効です。

参考資料

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