用語集 育成就労関連

適正な送出してきせいなおくりだし

適正な送出しとは?

適正な送出しとは、2027年4月1日施行予定の育成就労制度において、送出国・送出機関による不適切な費用徴収・人権侵害を排除し、外国人本人が過度な債務を負わずに来日できる仕組みの総称です。

技能実習制度で問題視されてきた「保証金徴収」「違約金契約」「高額仲介費用」を構造的に防ぐための制度設計として、育成就労制度の根幹をなす概念となっています。

具体的には、二国間取決め(MOC:協力覚書)を作成した国からのみ受入を行う原則、送出機関の認定制度、保証金・違約金の徹底排除、送出費用の上限規制(月給2か月分)、費用算出基準のインターネット公表義務などが組み合わされた制度群です。

認定送出機関のリストは2026年3月下旬以降、外国人技能実習機構(旧OTIT、育成就労機構へ改組)が公表しています。

具体的な意味・内容

二国間取決め(MOC)の必須化

育成就労外国人は、原則として日本と二国間取決め(MOC:Memorandum of Cooperation)を作成した国からのみ受け入れます。

MOC作成国の政府が認定する送出機関を通じてのみ斡旋を受けられる仕組みで、ベトナム・カンボジア・フィリピン・インドネシア・ミャンマー・ネパール・タイ・バングラデシュ・ウズベキスタン等が含まれます。

保証金徴収・違約金契約の禁止

送出機関は外国人本人および親族から保証金を徴収することが禁止されています。労働契約不履行に係る違約金契約・損害賠償予定契約も禁止です。名目を問わず、本人・家族の金銭・財産を管理することも禁止されており、技能実習時代の「逃亡防止」を目的とした拘束的契約は完全に排除されます。

送出費用の上限規制

送出機関が外国人から徴収できる費用は日本で受け取る月給(基本給)の2か月分が上限と明確化されました。上限を超える費用は受入機関または監理支援機関の負担となります。送出機関は徴収費用の算出基準をインターネット等で公表することが義務付けられ、不透明な費用設定を防止します。

認定送出機関一覧の公表

外国人育成就労機構(旧OTIT)のホームページに、各送出国政府が認定した送出機関の一覧が公表されます。2026年3月下旬以降、暫定送出機関リストが順次公表されており、受入機関・監理支援機関は認定送出機関のみと取引することが求められます。

関連する法律・規制

項目内容
根拠法令外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護等に関する法律
所管省庁法務省(出入国在留管理庁)・厚生労働省 共管
運営機関外国人育成就労機構(旧OTIT)
協力機関JITCO(公益財団法人国際人材協力機構)
送出費用上限日本で受け取る月給(基本給)の2か月分
保証金徴収禁止
違約金契約禁止
費用算出基準インターネット等で公表義務
受入対象国二国間取決め(MOC)作成国のみ
主要送出国ベトナム・カンボジア・フィリピン・インドネシア・ミャンマー・ネパール・タイ・バングラデシュ・ウズベキスタン等
認定送出機関リスト公表2026年3月下旬以降(OTIT/育成就労機構サイト)
制度施行日2027年4月1日

実務上の注意点

受入機関の費用負担への備え

送出費用が上限(月給2か月分)を超える場合、超過分は受入機関または監理支援機関が負担します。実質的な人材獲得コストが従来より上昇する可能性があり、予算計画への反映が必要です。送出費用明細の事前確認が不可欠です。

認定送出機関の選定

取引予定の送出機関が育成就労機構(旧OTIT)の公表リストに登録されているか、必ず確認します。未認定の送出機関との取引は育成就労計画の認定却下理由となります。技能実習時代から取引のある送出機関でも、再認定を受けていない場合は新規取引が制限される可能性があります。

外国人本人への事前説明

送出費用の内訳・上限規制・保証金禁止等を、外国人本人に対して送出段階で十分に説明することが重要です。送出機関による不透明な費用徴収を防ぐため、本人に事前理解を促す取組が定着の鍵となります。

違反時の影響

適正な送出しに反する事実が判明した場合、育成就労計画の認定取消・受入機関への許可取消・送出機関の認定取消等の処分が行われる可能性があります。受入機関・監理支援機関は送出機関との契約段階で適正性を確認することが必須です。

関連用語との違い

項目適正な送出し(育成就労)送出し国(技能実習)
対象制度育成就労技能実習(廃止予定)
送出費用上限月給2か月分(明示的)明確な上限規制なし
保証金徴収明示的に禁止明示的に禁止(但し実態は問題化)
費用公表インターネット公表義務義務なし
受入対象国MOC作成国のみ(原則)制限なし(実態はMOC国)
認定送出機関機構サイトで公表OTITが公表(旧)

技能実習時代も保証金徴収は禁止されていましたが、実態としては送出機関による高額な仲介費用・保証金徴収が問題化していました。

育成就労制度ではこれらの問題を構造的に解決するため、送出費用の明確な上限規制・公表義務・MOC必須化等の仕組みが追加されました。

よくある質問

Q. 認定送出機関の一覧はどこで確認できますか?

A. 外国人技能実習機構(OTIT、育成就労機構へ改組予定)の公式サイトで公表されています。

2026年3月下旬以降、暫定送出機関リストが順次公表されており、最終的な認定送出機関一覧は2027年4月の制度施行に向けて整備されます。受入機関・監理支援機関は取引前に必ずリストで認定状況を確認する必要があります。

Q. 送出費用の上限「月給2か月分」とは具体的にいくらですか?

A. 育成就労外国人の日本での基本給を基準とします。月給20万円であれば上限は40万円となります。

これを超える費用が送出機関で発生する場合、受入機関または監理支援機関が負担します。送出機関は費用算出基準をインターネット公表することが義務付けられているため、事前に確認が可能です。

Q. MOCを作成していない国からは受入できませんか?

A. 原則として受入できません。育成就労はMOC作成国からの受入が基本となります。

例外的なケースは個別判断となりますが、適正な送出しの担保が困難な国からの受入は事実上制限されます。技能実習時代にMOCを作成していた主要送出国はおおむね育成就労にも引き継がれます。

Q. JITCOは何を担当しますか?

A. JITCO(公益財団法人国際人材協力機構)は送出機関との連携・情報提供・送出機関に対する研修等の支援を継続します。

認定権限は各送出国政府にあり、日本側は外国人育成就労機構(旧OTIT)が認定送出機関一覧を公表します。JITCOは官民協力の橋渡し役として、適正な送出しの実効性確保に貢献します。

参考資料

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