外国人技能実習制度

「技能実習はいつ終わるのか」「いま受け入れている実習生はどうなるのか」「これから始めても間に合うのか」。技能実習制度は2027年(令和9年)4月1日に育成就労制度へ切り替わります。ただし、その日に全てが止まるわけではありません。新規の受入れが止まる日、いまの実習生が続けられる期限、制度が完全に終わる日は、それぞれ別です。

このページでは、技能実習で受け入れている企業、これから受け入れを検討している企業に向けて、出入国在留管理庁(以下、入管庁)と外国人技能実習機構(以下、OTIT)の公表資料をもとに、何がいつ変わり、自社の状況ではいつまでに何をすべきかをまとめました。制度の基本(1号・2号・3号の区分、受入れの手順)は、このページの後半と個別ページで説明しています。

※2026年9月22日時点の情報です。制度は随時更新されるため、最新情報は末尾の参考資料で確認してください。

1. 結論:技能実習は「3段階」で終わります

多くの解説記事は「2027年に廃止」「2030年までに終了」と書いていますが、企業の実務で効くのは次の3つの日付です。

日付 何が起きるか 企業への意味
2027年(令和9年)4月1日 育成就労法の施行日。この日以降、技能実習計画の認定申請はできません 新規の受入れが止まる日。ただし、すでにいる実習生は続けられます
2027年(令和9年)6月30日 施行日より前に計画の認定と在留資格認定証明書の交付を受けた人は、この日までに入国する必要があります 「駆け込み」で始める場合の入国の締切
2030年(令和12年)3月31日ごろ 施行から3年を目途に最後の技能実習3号が修了し、以降は育成就労制度のみになります 技能実習が完全に終わる日

つまり、「技能実習の廃止」は2027年4月1日に新規受付が終わることを指し、実習生本人は最長で2030年3月ごろまで技能実習を続けられます。この違いを押さえておかないと、「4月になったら実習生を帰さなければならない」という誤解や、逆に「まだ2年ある」という油断につながります。

2. いま技能実習で受け入れている企業は、どうなるか

入管庁の経過措置は、実習生が2027年4月1日の時点でどの段階にいるかで結果が変わります。自社の実習生を当てはめてください。

2027年4月1日時点の状況 その後どうなるか 最長でいつまで
1号の実習中 1号を修了すれば、施行後も2号へ進めます。ただし3号へは進めません(下の条件を満たさないため) 2号修了まで(入国から3年)
2号の実習中で、2号を1年未満 2号は修了できますが、3号へは進めません 2号修了まで
2号の実習中で、2号を1年以上行っている 3号へ進めます(優良認定・一時帰国など、従来どおりの3号の要件は必要です) 3号修了まで(2030年3月ごろが上限)
3号の実習中 そのまま3号を修了できます 3号修了まで

入管庁の資料の原文はこうです。

  • ●「施行日以降に技能実習1号を修了した者は、引き続き技能実習2号に進むことができます」
  • ●「施行日以降に技能実習3号に進むためには、施行日時点において技能実習2号を1年以上を行っていることが必要です」

重要な注意が2つあります。

  • ●技能実習生を「育成就労」へ在留資格変更することはできません。いまの実習生を新制度に乗せ換える、という選択肢はありません
  • ●施行日以降に「技能実習」以外の在留資格へ変更した場合、「技能実習」へ戻ることはできません。実習の中断中に在留資格を変えると、技能実習に復帰できなくなります

在留期間の更新(2号・3号の2年目に入るときの更新)は、施行後も引き続き受けられます。

3. これから技能実習で受け入れようとしている企業へ:間に合う条件

結論から言うと、まだ可能ですが、時間はほとんど残っていません。条件は次のとおりです。

  • ●技能実習計画の認定申請:2027年3月31日までに申請が必要です(4月1日以降は申請できません)。OTITは「1号技能実習計画の認定申請は、令和9年2月までに行うようお願いします」と案内しています
  • ●実習開始日:施行日より前に申請した計画が施行日以降に認定される場合、実習開始日が2027年6月30日以前であることが必要です
  • ●入国:原則として2027年6月30日までに入国する必要があります。施行日前に申請した在留資格認定証明書が施行日後に交付された場合は、交付日から3か月以内に入国します

この時期に技能実習で始める意味があるか、冷静に考える必要があります。

  • ●2027年4月以降に1号を始めた実習生は、2号修了(3年)で技能実習が終わります。3号(4〜5年目)には進めません
  • ●その後の選択肢は、特定技能1号への移行(6節)です。技能実習2号を良好に修了していれば、試験が免除される場合があります
  • ●一方、育成就労計画の認定申請は2026年9月1日から施行日前申請を受け付けています。いまから準備するなら、最初から育成就労で組むほうが、制度をまたがずに済みます

技能実習の申請手順そのものは技能実習生受入完全ガイドと技能実習生受入前後の申請・準備で段階ごとに説明しています。育成就労で始める場合は育成就労制度のページをご覧ください。

4. 見落とされがちな点:あなたの監理団体はどうなるか

技能実習生の98.4%は団体監理型、つまり監理団体を通じて受け入れられています(2025年末時点・入管庁)。制度が切り替わると、企業のパートナーである監理団体の側にも手続きが発生します。ここは解説記事で触れられることが少ないのですが、企業の受入れ計画に直結します。

  • ●育成就労では、監理団体に代わって「監理支援機関」が受入れを支援します。いま監理団体の許可を持っていても、監理支援機関になるには新たに許可が必要です(OTIT「よくあるご質問」2-1)
  • ●監理支援機関の許可申請は2026年(令和8年)4月15日から施行日前申請を受け付けています。施行日(2027年4月1日)から監理支援事業を行いたい場合は、2026年9月30日までに申請するようOTITが求めています。許可証は2027年4月以降の郵送が予定されています
  • ●監理支援機関の許可を受けた法人は、技能実習の一般監理事業の許可を受けたものとみなされ、技能実習生の監理も続けられます。逆に、監理支援機関の許可を受けない監理団体は、技能実習生を受け入れている限り、監理団体の許可の有効期間更新が必要です

企業がいま確認すべきことは1つです。「うちの監理団体は、監理支援機関の許可を申請したのか(する予定なのか)」。申請していない監理団体と組んだままだと、2027年4月以降に育成就労で受け入れる相手がいなくなります。監理団体の役割は監理団体(用語集)で説明しています。

5. 技能実習と育成就労で、企業にとって何が変わるか

制度の目的や理念の違いは他の記事に譲り、ここでは受入れ企業の実務に効く差だけを並べます。

項目 技能実習 育成就労(2027年4月1日〜)
在留期間 1号1年+2号2年+3号2年=最長5年 原則3年。特定技能1号へ進むことを前提にした育成期間
本人の希望による転籍 原則不可(やむを得ない事情がある場合のみ) 可能。同じ企業で1〜2年(分野ごとに定める。1年を目指しつつ当分の間1〜2年)働き、分野別運用方針で定める技能と日本語の水準を満たした場合
就労開始時の日本語 要件なし(介護など一部分野を除く) A1相当以上の試験合格、または認定日本語教育機関でA1相当の講習100時間以上の受講
対象となる仕事 1号は職種不問。2号・3号は移行対象職種(96職種174作業/2026年7月29日時点) 17の育成就労産業分野と業務区分(2026年1月23日閣議決定の分野別運用方針で定める)。特定技能の分野に対応
対象外になる仕事 — 技能実習2号移行対象職種のうち、クリーニング、空港グランドハンドリング、ボイラーメンテナンスの3職種は育成就労の対象外
支援する機関 監理団体(許可制) 監理支援機関(新たな許可制。4節)
送出しにかかる費用 本人が送出機関に支払う費用が問題になってきた 送出しにかかる費用は育成就労実施者(企業)または監理支援機関が負担
受入れ企業の要件(追加) — 過去1年以内に育成就労外国人の行方不明者を発生させていないこと、労働・社会保険・租税の法令を遵守していること
受入れ人数枠 常勤職員数に応じた枠。優良なら拡大 常勤職員数に応じた枠。優良な育成就労実施者なら拡大
次の段階へ進む条件 技能検定(基礎級→3級→2級) 特定技能1号へ:技能検定3級等または特定技能1号評価試験+日本語A2相当以上の試験合格

企業にとって最も大きい変化は「転籍」と「費用負担」です。1〜2年で本人の希望により転籍できるため、賃金や職場環境で選ばれなければ人材が動きます。送出し費用の企業負担は、初期コストの見積りを変えます。育成就労の受入れ要件、転籍のルール、企業が今から準備すべきことは育成就労制度のページで詳しく説明しています。

6. 実習生の「出口」:特定技能1号への移行

技能実習を修了した実習生を引き続き雇い続ける道は、特定技能1号への移行です。技能実習2号を良好に修了している場合、試験が免除されます。

  • ●「良好に修了」とは:技能実習を計画に従って2年10か月以上修了していること
  • ●従事する業務と技能実習2号の職種・作業に関連性がある場合:技能と日本語能力の証明が両方とも免除されます
  • ●関連性がない場合:技能試験の合格は必要ですが、日本語能力の証明は技能実習2号を良好に修了している事実などから証明されたものとして扱われます

つまり、2027年4月以降に始めた技能実習生でも、2号を良好に修了すれば特定技能1号へ移り、同じ企業で働き続けることは可能です。3号に進めないことは、必ずしも「3年で帰国」を意味しません。特定技能の受入れ要件、19分野、費用の考え方は特定技能制度のページにまとめています。

7. カレンダー:2026年9月から2030年3月まで

時期 出来事 誰に関係するか
2026年4月15日 監理支援機関の許可の施行日前申請の受付開始 監理団体
2026年9月1日 育成就労計画の認定の施行日前申請の受付開始 育成就労で受け入れる企業
2026年9月30日 施行日から監理支援事業を行う場合の、監理支援機関の許可申請の目安(OTITの案内) 監理団体(企業は自社の監理団体に確認)
2027年2月 1号技能実習計画の認定申請の目安(OTITの案内「令和9年2月までに」) 技能実習で新規受入れをする企業
2027年3月31日 技能実習計画の認定申請ができる最終日 同上
2027年4月1日 育成就労制度の施行。技能実習の新規認定申請は終了。3号へ進めるのは、この日に2号を1年以上行っている人のみ 全員
2027年6月30日 施行前に認定・認定証明書交付を受けた実習生の入国期限。実習開始日もこの日以前であること 駆け込みで受け入れる企業
2030年3月31日ごろ 施行から3年を目途に最後の技能実習3号が修了。以降は育成就労制度のみ 3号実習生を受け入れている企業

8. よくある誤解

  • ●「2027年4月に技能実習生は帰国させなければならない」→ 誤りです。施行日時点で実習中の人は、認定計画に基づいて技能実習を続けられます
  • ●「いまの実習生を育成就労に切り替えればよい」→ できません。技能実習から育成就労への在留資格変更は認められていません
  • ●「2027年3月までに申請すれば5年受け入れられる」→ 誤りです。2027年4月以降に1号を始めた人は3号へ進めないため、技能実習としては最長3年です。その先は特定技能1号への移行になります
  • ●「いまの監理団体がそのまま育成就労も担当してくれる」→ 監理団体が監理支援機関の許可を新たに取得した場合に限ります。確認が必要です
  • ●「育成就労になれば3年で必ず帰国する」→ 育成就労は特定技能1号への移行を前提にした制度です。技能と日本語(A2相当以上)の試験に合格すれば、特定技能として働き続けられます

9. 技能実習制度の基本(いま受け入れている企業のための確認)

技能実習制度は、開発途上国等の外国人を日本で一定期間(最長5年)受け入れ、OJTを通じて技能を移転する制度として1993年(平成5年)に創設されました。実習生は入国直後の講習期間を除き、雇用関係の下で労働関係法令の適用を受けます。2025年(令和7年)末時点の技能実習生は456,618人で、国籍別ではベトナム41.6%、インドネシア27.4%、フィリピン9.3%、ミャンマー7.8%です。

区分 時期・在留期間 次へ進む条件 企業側の要件
第1号 1年目(1年以内)。入国後、原則2か月の講習 技能検定基礎級等の学科試験と実技試験に合格 職種の限定なし
第2号 2〜3年目(2年以内) 技能検定3級等の実技試験に合格 移行対象職種(96職種174作業)に限る
第3号 4〜5年目(2年以内)。開始前または開始後1年以内に1か月以上の一時帰国 —(技能検定2級の実技試験の受検が必須) 監理団体と実習実施者が「優良」と認められていること

「優良」とは、法令違反がないことはもとより、技能検定等の合格率、指導・相談体制等について一定の要件を満たしていることを指します。実習生が試験に合格しても、企業と監理団体が優良でなければ4年目はありません。制度の全体像は外国人技能実習制度の概要、受入れの利点は技能実習生受入のメリット、実際の流れは技能実習生受入の流れで説明しています。

10. 無料相談のご案内

「うちの実習生は3号に進めるのか」「いまから技能実習で始めるべきか、育成就労を待つべきか」「監理団体に何を確認すればよいか」「2号修了後に特定技能で残ってもらえるか」など、外国人材採用ツナガル24の無料相談センターでご相談いただけます。
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11. 関連ページ

参考資料

資料 発行 版・確認日 リンク
育成就労制度の施行に伴う技能実習の経過措置について 出入国在留管理庁 2026年9月22日確認 moj.go.jp(PDF)
外国人技能実習制度について 出入国在留管理庁・厚生労働省 令和8年8月14日改訂版/2026年9月22日確認 mhlw.go.jp(PDF)
育成就労制度Q&A 出入国在留管理庁 2026年9月22日確認 moj.go.jp
特定技能制度に関するQ&A(Q50 技能実習2号からの移行) 出入国在留管理庁 2026年9月22日確認 moj.go.jp
監理支援機関許可の施行日前申請のご案内 外国人技能実習機構 2026年9月22日確認 otit.go.jp
よくあるご質問(監理支援機関の許可申請関係) 外国人技能実習機構 2026年9月22日確認 otit.go.jp

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