技能実習生はどこの国から来ているの?

コラム
COLUMN

増え続ける外国人技能実習生と最大送り出し国となったベトナム

年々増え続ける外国人労働者。街へ出ればコンビニや飲食店では、いつの頃からかアジア系外国人の接客が当たり前となり、外国人に接する機会が増えてきたことを誰もが実感しているのではないだろうか。外国人技能実習生も同様に年々増え続けており、2012年に151,000人だったのが、2017年には、274,000人と大きく増加。不足する日本の労働力を補う担い手として日々活躍している。では、彼らは一体どこ国から来ているのだろうか?

技能実習生の対象国は?

技能実習生の推移

研修生・技能実習生の在留状況及び「技能実習2号」への移行状況

(出典:法務省データより)

外国人技能実習制度は、各国との協力覚書により、東・東南・南アジア等の計15か国が対象となっています。具体的には、インド、インドネシア、ウズベキスタン、カンボジア、スリランカ、タイ、中国、ネパール、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、ペルー、ミャンマー、モンゴル、ラオスと、いずれも新興国で、日本と比べて低所得です。また、平均年齢が20代、あるいは30歳前後と若い国々でもあります。(※JITCOとのR/D締結国)

日本国内の労働力不足により受け入れ需要が高まる中、この5年間で1.8倍と急増しました。食品製造、金属機械、建設、農業など、日本では就業者が集まりにくい業種を支えてくれています。

実習生を多く送り出している国は?

国籍別 外国人技能実習生の割合(2016年)

(出典:法務省データより)

国籍別 技能実習生の推移

(出典:法務省データより)

送り出し国の上位は、第1位ベトナム(104,802名)、第2位中国(79,959名)、第3位フィリピン(25,740名)、第4位インドネシア(20,374名)、第5位タイ(7,898名)の順。(法務省 在留外国人統計 2017年6月)
つい数年前までは、「実習生といえば中国人」というのが定番でしたが、国内総生産(GDP)で日本を抜き去り、国内経済が豊かになった影響で2013年から年々減少し、総人口1億人を超えたといわれるベトナムが、2017年途中から最大の技能実習生送り出し国となりました。ベトナム実習生は、2014年あたりから大幅に増加し、過去3年間で3倍以上となり、今では10万人を超える勢いです。
ベトナムは、アジア有数の親日国であり、バイクや家電製品など日本製品への信頼が高く、街にはたくさん日本食レストランが立ち並び、テレビでは日本のアニメが人気です。日系企業のベトナム進出も活発で、ベトナムや他国の企業よりも評価が高いという印象です。こうした日本ブームと日系企業への信頼性から、日本への出稼ぎ者が増えているという見方ができます。
ベトナム人は、真面目で順応性が高く、仕事に対して誠実で覚えが早いといわれています。着物や西陣織の帯刺繍、オーダーメイド服などの縫製技術の高さに定評があり、手先が器用なことでも知られています。また、ベトナムの家庭は女性が中心のいわゆるかかあ天下です。戦争で男手を取られ女性が社会生活を守ってきた歴史的背景からか、とにかく女性は働き者でしっかりしています。それでいて優しいとの評判で、その女性を助ける真面目な男性も数多くいます。

受け入れ国の視点からみると、繊維・衣類、食品製造、金属・機械、建設、農業など、技能実習生のさまざまな職種に多様に対応できる人材が豊富といえます。

今後想定される送り出し国別状況

カンボジア送出機関 IIS COMPANY LTD.

日本の人口減少はますます加速し、労働力不足は深刻です。政府は、外国人受け入れ政策を大きく転換。2019年4月から改正出入国管理法が施行され、外国人労働者の受け入れを拡大します。
それにより新たに設けられる在留資格「特定技能」とは、日常会話程度の日本語ができ、業種ごとに定められた一定の技能を満たしているというもので、これが認定されれば、最長5年間日本で働くことが認められます。対象となる国は、ベトナム、フィリピン、カンボジア、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、中国、モンゴルの9か国です。
今後は、正式な労働者の人材源として、これらの国々に大きな期待が寄せられます。

これらをふまえ、今後の送り出し国の動向を予想すると、中国からはさらに下り坂、ベトナムはまだしばらくは増え続けるものの、これまでのようは大幅な増加は見込めないと思われます。日本側にニーズはあってもベトナム側の送り出し余力が徐々に減ってきているからです。実際に、建設関係など日本の若者も敬遠するきつい職種においては、募集しても実習候補生が集まりにくくなってきたとの声も聞きます。
フィリピン、インドネシアはおそらく微増程度、一方、人口豊富なミャンマーや、平均年齢の若いカンボジアなどは実習生送り出しの伸びしろが大きく、今後有力となる可能性があります。
ただし、韓国、台湾など他の受け入れ国との人材の取り合いも激しくなることが予想されます。
東南アジアの国々の志ある若者たちに、「選んでもらえる」職場環境や待遇などの受け入れ体制を、しっかり整えていくことも必須と言えるでしょう。